ニュージーランドで、大きな地震が起きました。被災をされた方、ならびにご家族の方に心からお見舞い申し上げます。
最初映像を見たときに、倒壊したビルなどの構造が非常に弱そうであり、あまり地震がない国ではないかと思っておりました。ところがその後の報道を見る限り、ニュージーランドも地震大国であり、耐震構造については世界の見本であった国ということを知り、この災害の恐ろしさを感じざるを得ませんでした。
もちろん被害の激しかったクライストチャーチという街は、河川を埋め立ててできた柔泥地であり、耐震構造が十分に機能を発揮できなかった可能性もあります。同時に想定以上の強度の地震であり、それによって倒壊が起きた可能性もあります。それでもそれは日本の建築物にも起きうる事態であり、今回の件は特殊な事情と決めつけることはできません。
関東大震災より約90年、関東で再び大地震が起きる可能性は常に言及されています。実際には阪神や北陸など、想定されなかった土地での大震災が起きていますが、いまだに関東に大地震は発生していません。オオカミ少年の寓話同様、いつの日か我々は危機感を失いつつあり、大きな地震は起きないだろう、起きてもきっと何とかなるだろうと考えがちです。実際どうなるかは誰にもわ
かりませんが、それでも我々はその脅威を常に意識し続けなければなりませんし、具体的な対応を考えておく必要があるのです。
まずは今回の映像を見ていても思いますが、余震の恐ろしさを我々は認識しなければなりません。
大きな地震の後には、必ず同規模の余震が何回か続きます。最初の激震で耐えたビルでも、その後の余震で倒壊や座屈する可能性は残ります。となると、危険なビルからは速やかに脱出することが重要になります。もちろん都市部では、ガラスや壁面の落下に注意しなければなりません。
最近のガス設備は優秀で、地震の際には自動的に各所のバルブによりガスが遮断されることが多いと思います。それでも旧設備やプロパンなどは漏れ続ける可能性がありますので、においにも注意は必要です。さらに火災の可能性に注意する必要があります。煙が発生している場所ではフラッシュオーバーやバックドラフトなどの危険性がありますので、不用意に扉を開けたり火元に近づくのは危険です。さらに様々なものの倒壊や落下は外部だけでなく、室内でも起きます。ガラスに近寄らない、大きな家具や照明器具のそばに寄らないなどの注意を払って、極力見通しの良い場所に避難しなければなりません。余震が大きければ大きいほど、二次的な災害の可能性は増えます。だからこそ油断をせずに避難しなければなりませんし、最初の激震で傷んだビルや家屋には近寄るべきではないのです。また風聞に惑わされることなく、しっかりと状況を判断し、より安全な方法を選ぶことが大切になります。
さらに食料や燃料、作業工具など最低の準備も必要です。食器棚などの家具が倒れた場合、靴と手袋は脱出の際に必須用品となります。軍手は意外と弱いですし、危険物の処理にはあまり向いていません。(破片が刺さったり、ガラスや鋭利な金属で簡単に切れてしまいます。) 最近はホームセンターばやりですから、多くのホームセンターが皆さんの近所にもあるはずです。そこで作業用の厚手の革手袋が300円ぐらいで売っています。この手袋があるだけで、危険箇所からの
避難なども非常に安全にできることになります。(手を怪我してしまいますと、体を支持することができなくなり、非難が困難になります。)こんなものをちょっと準備しておくだけで、家族の安全度はかなり高まるのです。
しかし今回も思いましたが、携帯電話の重要性です。倒壊したビルから家族や関係者に電話し、救援を求めることができる。これは本当に技術の勝利です。今は携帯の追跡サービスも充実してきていますから、携帯さえ破壊されなければ、どこに閉じ込められているかを発見することが可能になります。もちろん音声が通じれば直接的な状況も伝えられるでしょうし、場合によっては画像も送ることができるかもしれません。阪神大震災の時はまだまだ普及していなかった携帯電話ですが、これだけの普及を向かえた今、新たなライフラインであることは間違いありません。
携帯会社に願いたいのは、こういった甚大災害にも耐えうるネットワーク網を構築・維持してほしいということですし、その技術を世界に輸出してほしいということです。いかなる場合も通信を確保できるというのは、人々に多くの希望を与えることになります。さらに願いたいのは、最近の携帯電話やスマートフォンなどは、海外でキャリア選択ができるようになっています。となれば、こういった甚大災害の際には、通信が可能なすべての通信会社のアンテナと自由につながるようにしてほしいのです。D社のアンテナが生き残っていたのならば、通信ができないa社やS社の携帯もつなげるようにする。これは技術的には可能なはずです。非常事態に企業競争はありませんから、そういった機能をすべての携帯が持つことで、多くの人命が救われることを私は願っています。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・空白1か月、アップル平静 ジョブス氏療養続く 株価は最高値更新
・全入時代、かすむ学生像 新設大学・学部 定員割れなど564件
・耐圧性5倍のICタグ トッパン・フォームズ 素材、柔軟性高く 業務用クリーニングに対応
・米規格日本語に対応 標準化団体草案を公開 ルビや横書きとの混在も 業界勢力図に影響も
・国内、今年1.5%拡大 ITサービス市場、民間予測 システム更新など 本格回復は不透明
・横浜スマートシティプロジェクト 地域の熱源、使い尽くす
・学習塾、アジア展開に熱心 現地の子供も対象に
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・反NTTの結束揺らぐ KDDI、ソフトバンク路線に反対 田中社長「現行方式で競争を」
・ソフトバンクテレコム 「イアース型」クラウド 米ヴイエムウェア仕様
・ボタン一つで書類電子化 PFU 紙の向き、種類問わず
・BMW 環境新ブランド 「BMWi」設立
・原油調達 中国に黄信号 独裁国などに過度に依存 分散化へ動き急
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・HP・デル PC苦戦 「タブレットの脅威」じわり iPadの追走が必要
・大人二人、1か月生活可能 大和リース 救援コンテナ、水・電気を自給
・講談社社長に野間口省伸氏 「電子」「海外」積極策けん引 参加の光文社、再建課題
・売上高3000億円へ再編加速 住商情報システム・CSK合併へ 新会社、SI専業4位に
・無料ソフトに想定問答 百貨店協、タブレット端末で"通訳" 飲食店・観光案内も検討
・商談にiPad アウディジャパン 販売店従業員に500台配備
・全日空、売上高1.5兆円に 12年度計画 子会社統合、コスト減
今週は、どんな一週間なのでしょうか。