■避難用品
避難の際には、最低限靴が必要です。厚手の底がある靴が望ましいですが、履きやすいことが大切になります。簡易な安全靴も、選択の対象になると思います。さらに落下物の対応として、ヘルメットは必須と思います。厚生労働省保護帽規格に準じた物が1000円程度でありますので、それで問題ありません。心配な方は、もう少し高規格の専門的なものもあります。
夜間の避難もありますので、懐中電灯も必要になります。最近のLED型のものであれば高輝度で長時間照射可能なものが多いと思います。
避難の際は両手をあけたほうが望ましいので、ヘルメットにつけられるヘッドライトタイプも便利かもしれません。あとは避難用品でもあげた手袋と、ニーパッドなどもあれば便利です。
次は衣服でしょう。短時間で羽織れるものをできるだけたくさん身につけて脱出すべきですが、冬場は寒さがあるため、ヒートテックなどの軽い下着を常に準備しておくと便利です。それらの避難用品を入れる、ザックも必要です。ある程度の物品を入れますが、平素は邪魔になるため20〜30リットルぐらいのディパックが良いと思います。その中に、非常用の最低限の下着と靴下を入れておくと良いでしょう。サバイバルシートも軽くて利便性は高いので、入れておくと良いかもしれません。
もちろん現金やカード、通帳などの貴重品も持ち歩く必要があります。通帳の利用に備え、ハンコの準備もいるでしょう。これらはぬれるとマズイので、ジップロック式のビニール袋があると
便利です。
その他では非常用品であげた薬とコンタクトレンズなどが必要です。長時間の避難も考えられるため、メガネも必携と思われます。
避難するとなると、あまり多くの水を持ち運べません。しかしながら直後に支援物資が配布されない可能性もあるため、家族全員に最低500cc、できれば2リットルのペットボトルを1本、持つようにすべきと思います。それ以外に、軽くて加熱をせずに食べられるカロリーメイトのような非常食が必要です。
あとはいろいろな用途に使えるスイスアーミーナイフ、ならびにライター、ろうそく数本、ジップロックのビニール袋、ポケットティッシュを数個入れておくと便利です。可能であれば、携帯の充電ができる自家発電タイプのラジオや、ソーラータイプの携帯の充電器あると便利でしょう。
■通信装置
今回もそうでしたが非常事態で通信が集中すると、携帯電話、公衆回線ともに発信規制がかかり、電話がかかりにくくなります。公衆電話は割り当てが大きいのですが、台数が減っていて、探すのに苦労する状況です。今回は、公衆回線を使った通話のほうが、携帯よりもかかりやすかったように思いますが、これはケースバイケースと思われます。したがって携帯電話を上手に使うことが望ましいと思います。基本的にはメールのほうがつながりやすいので、メールを利用しますが、携帯会社の3Gメールも送受信が難しい場合もあります。スマートフォンの場合はブラウザのほうがつながりやすいこともあるので、Yahooやgoogleなどのフリーメールを使うのも一つと思います。
さらに今回は、ニュースサイトよりもツイッターの利用が有効だったようです。こういったSNSの個々人の発言が風評や流言でなく事実を伝えるのであれば、新しいメディアとして利用価値はあるのかもしれません。
■今後の対応
私の事務所、自宅とも、昭和40年代に建てられたマンションであり、これまで大規模な耐震補強がなされてきました。しかしながらやはり古い建築物ですので、構造そのものは古く、上位階ほど大きな揺れがあります。私の事務所は6階、自宅は別棟の7階ですが、両方とも大きな揺れにより被害を受けました。
書架の倒壊はさすがにどうにもならない感じがしましたが、その他はいろいろな問題を発見しました。基本的には上部に重量物がある場合は重心が高いため、倒れやすいことがわかりました。さらに、滑り出した食器や酒瓶が破損するケースが多いため、滑り止めシートなどが有効と思われます。家具は突っ張り器具等で固定することも、
もちろん効果が高いでしょう。大酒飲みの私は多くの酒瓶を保管しておりましたが、高所から落下しても箱に入っていた物は全く割れませんでした。箱のクッション
性は意外に高いと思わされました。
という具合に、今回の被災からさまざまなことを学ぶことができましたが、それでも当面は品不足で入手が難しいかもしれません。とはいえまたまたなれてしまえば忘れてしまうのが日本人の常ですから、今回の教訓を生かし、明日の災害に備えていただきたいと思っています。
私の周りでも、帰宅難民となった方がたくさんいらっしゃいます。この状態が繰り返されないことを祈りますが、その保証はどこにもありません。この点についても、近々考えを整理してここで発表したいと思っています。
最後に明日から始まる輪番停電ですが、これほどお役所的かつ杜撰な施策は初めてです。私の住んでいる相模原市は、輪番5グループのうちの
なんと3グループに所属しています。政令指定都市になったため本当は区毎にグループが違うと思うのですが、表示上は全部相模原市になっておりなんだかよくわかりません。さらにそのうち二つは朝・晩の二回に停電予定が入っています。もし仮に全部が当たると考えると、日中は完全停電ということになりますが、どうなるかは明日にならないと解らないのですから本当に大笑いです。東京電力の優秀な人材は原子炉のメルトダウン対策に
駆り出されており、輪番停電は頭の悪い人間が集まってやったのではないかというぐらいの杜撰さで、さすがに呆れてしまいます。さらに医療機関や信号も
ろくなアナウンスなしに全面的に止めてしまうのですから、暴挙としかいいようがありません。その上一番電力消費が激しいであろう23区を除外するのも、政治的・権力的な
匂いがしてなりません。産業の影響を考えば横浜や川崎も同様のはずですし、逆に世田谷区は高級住宅地ですから、産業としての重要性や必要性はそれほどないはずです。ところがそこは除外され、産業的影響の大きい街は対象となる。誰が考えても、恣意的な要素が働いたことはすぐに解ります。
本気で気づかなかったとすればあまりに幼稚ですし、気づいていてもばれないだろうと思ったのであれば、あまりに杜撰です。
こういった不公平や矛盾がありながらも、見切り発車の愚策は4時間後から開始されます。
交通機関は早々と区間的な運休を決め、遠方に住んでいる人間は出社もままならない状況が始まります。非難の矢面には、国民的好感度の高い蓮舫議員を任命するなど、政府のせこさとずるさがあまりにも露呈してしまっています。
こういった激甚災害に際して国民として復興に協力することはまったく異論はありませんが、一部の人間の拙速さと短絡
さ、あるいは明白な政治的意図により、不公平や不要な危険を惹起するこのやり方には、怒りすら感じます。
最低でも1日をかけて検討と周知を行い、その上で実施をすべきですし、あきらかな不公平が生まれない方法を、きちんと検討すべきです。
さらなる災害や混乱が起きないことを、ただただ願うだけです。起きたとすれば、それは明かな人災です。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・時間がなかったため、次回までに更新します。とはいっても、電気が通っている場合だけですが..
今週は、どんな一週間なのでしょうか。