大地震が起きました。さらに大津波が発生し、東北地方を中心に壊滅的被害となっています。さらに心配なのは、福島の原子力発電所の状況です。日曜日の状況ではメルトダウンの危険性もあり、まさに危機的な状況が続きます。たった二週間前のこのページで、日本に地震が発生する可能性に言及し、対策の重要性を力説したばかりです。このページをお読みになった方がそれに気づき、対応されていたことを祈るのみです。
遅れましたが被災された方々、あるいはご親戚やご友人が被災された皆様、衷心よりお見舞い申し上げます。
私自身は午前中は小野村事務所で仕事をしておりました。その後自宅に戻って遅めの昼食を済ませ、食後の休憩をかねて車で5分ほどの「ニトリ」に行ったところで被災しました。4階に上がってほどなく、ビル全体が揺れ始めました。最初は振幅が小さかったものの徐々に揺れが激しくなり、周りの家具が音を立てて倒れ始めました。すぐに柱のそばに行き状況を見ていたのですが、どうにか揺れが治まったため自宅に戻りました。自宅のそばに高齢の両親が住んでいるため、まずはそちらに急行しましたが、特に怪我はなかったため、今度はマンション7階の自宅に向かいました。自宅のドアを開けた瞬間、想像を絶する状況が待っていました。
まずは廊下に設置していたつっぱり式の薄型の本棚が倒れ、本が四散して廊下を埋めてしまっていました。リビングの手間においた食器棚からは複数の食器や瓶類が飛び散り、ガラスが四散していました。書斎でも書架が倒れ、中から書籍が落下しており、さらに書棚上部においていたスピーカーなどが落下していました。各部屋の状況もほぼ同様であり、割れ物で足の踏み場もないような状態であり、靴を履いて中をチェックすることになりました。
被害の確認後、今度は別棟にある事務所へ。こちらも食器棚から食器や瓶類が飛び出し、ガラスが四散しておりました。書庫の書棚にしている重量ラックは斜めに傾いでしまい、書籍が床にうずたかく積み上がってしまっていました。さらに書斎にあるスピーカなどが落下し、書籍も相当数が散乱していました。ビックリしたのは窓際にある書棚の裏板が抜け、後ろに書籍が
落下してしまったことでした。机の周りも相当な状況で、小型のレーザープリンターが床まで落下しており、ラック上のパソコンも落下しておりました。別室では、大型のワイドブラウン管テレビ(100kg弱)が転倒しており、ラックが半壊していました。
結局、金曜日、土曜日の二日をかけて片付けを行いましたが、片付けの最中にその詳細を知って又ビックリしました。まずは自宅の食器棚なのですが、地震中にずっと左右に揺れて、底面が常に浮いていたようです。ガラスの掃除をしている際に食器棚の底面を見ると、無数のガラス片が入ってしまっており、5mmほど浮き上がった状態になっていました。仕方がないので食器棚を少し傾け、下からガラス片を掻き出す必要がありました。また酒瓶などが割れて、その破片がフローリングに刺さってしまっており、部分的にはモザイク細工のようになっている部分もありました。おそらく破片が刺さった後、何らかの物がその上を何回もスライドしたため、フローリング上に出た部分が再度折られ、一部が埋め込まれたようになったようです。その他冷蔵庫やタンスもすべて動いており、揺れの激しさを知ることになりました。
事務所の書架もすべて動いており、中の書籍を一度出して再度並べ直す必要が生じました。裏板の補強や破損品の清掃などで相当に疲労が溜まりましたし、その過程でいろいろなことに気づかされる結果となりました。私自身、平素から被災に備えた準備の重要性を強調していましたが、それでも対応が不十分と思わざるを得なかったですし、この機会にさらにその準備を改善する必要があると思われました。以下に備忘として、改善検討点を列記します。
■ガラスの対応
床に積み上がったガラスを片付けるために、どうしても膝をついて作業をせざるを得ません。靴を履くのは当然として、やはり膝をつくケースが少なくありませんし、それは同時に体の負担を軽減する意味でも重要となります。となると、ニーパッド(硬質の膝当て)が必要になります。現在はサバイバルゲームなどで軍用のものが安価で販売されていますが、これがあるだけでも作業の安全性と効率性が高まります。もちろん室内で被災する可能性もあるため、少なくとも寝室に靴を常備することは大切ですし、二次的な災害を防ぐ意味でも、どうせなら簡易な安全靴のような物が望ましいかもしれません。
さらにガラスを集める際には、手袋が必要になります。非常に細かくとがった破片が多く、さらに床にめり込んで起立していることもあるので、単なる手袋では非常に危険です。私は厚手の革製手袋を利用しましたが、細かい破片をつかみあげるには非常に不便でした。したがって、この点では厚手のゴム製手袋のほうが役立つ可能性があると思いました。もちろんケブラーやアラミドなどの繊維で作られたものでも良いかもしれませんが、強度の試験は必要と思います。
大量のガラスを集めるためには、モップやバケツなどが必要となります。今回はバケツはぞうきんしぼりなどに利用するため、大型の鍋を利用しました。それを廃棄する際には、ビニール袋は危険ですので、紙袋に集めて廃棄するようにしました。さらに大掃除に利用した、スポンジモップが結構役に立ちました。大量のガラスを安全にかき集められるため、作業効率が非常に高くなります。また、フローリングなどに刺さったガラスを撤去する際に、金属製のコテが役立ちました。
もちろんこれらの対策の際には、余震を配慮しなければなりません。ヘルメットやゴーグルは当然として、さらなる落下や破損が起きないようガムテープや木片、ヒモなどで扉を固定し、棚などの倒壊に注意しながら作業を行っていただきたいと思います。さらに
ホコリが酷いため、マスクやゴーグルの着用も場合によっては必要です。
■非常用品
非常用品は、二種類考える必要があると今回考えざるを得ませんでした。まずは自宅ですぐに利用できる非常用品と、倒壊の危険などにより必要となる避難用品です。両者は一緒にしておくよりも、別々に考えたほうがよいように思います。そこでまずは非常用品から考えてみます。
非常時には、やはり水と食料が必要となります。今回も本格的な支援が始まったのは3日目に入ってからですので、3日間は持ちこたえる水と食料が必要です。できれば熱を加えなくても食べられるビスケットや簡易食料を準備することが望ましいですし、缶詰などもよいかもしれません。水はペットボトルが必要ですが、今回感じたのは500ccのものもあったほうが良いということでした。作業中などに水分補給は必要ですので、片手で飲める水は非常に便利です。もちろん電解質の補充という意味では、スポーツ飲料も便利です。
ガスや電気の停止があっても熱源となるのが、ストーブとカセットコンロです。ストーブはファン式ではなく、電気のいらない旧式の石油ストーブが望ましいと思います。ネットショップで2万円前後で販売しており、暖を取るだけでなく上部でヤカンや鍋を使うこともできますので、暖房と加熱の両面で便利です。こうしてカセットコンロやストーブがあると加熱ができますので、レトルトパウチのご飯やカレーなどを食べることができますし、簡単な調理であれば可能になります。
もちろんそのためには、灯油やカセットガスの準備も必要です
情報入手の観点からは、やはりラジオが必要です。ポータブル型のワンセグテレビもありますが、やはりまずはラジオが一番でしょう。もちろん懐中電灯分も含めて、電池の準備は必要です。
生活面では、やはり医薬品の優先度が高いように思われました。私も昨年来の不調で多くの薬を飲んでいますが、それが不足することはやはり生命に関わるところがあります。普段から早め早めに薬をもらい、最低3日間は確保しておく必要があるでしょう。さらに復旧中の怪我などを考えると、それらの医薬品も必要と思います。十分な衛生状態が確保できないことも考えなければならないため、消毒薬も必要となります。使い捨てコンタクトレンズの予備も、常に準備したほうがよいでしょう。
復旧のために、工具が必要となります。ハンマーやペンチ、ドライバーなどが必要です。本棚の調整などでネジを回すケースもあるため、充電式の電動ドライバーがあると結構便利でしょう。
また先程実施が決定された輪番停電により、電池式カンテラも必要になりました。夜間の照明だけでなく、日中のトイレなどで利用する必要があるため、相応の個数が必要です
し、乾電池・充電池や充電池を単一形に変換するアダプターなども必要と思われます。
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