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 【March Fourth week

  • ネット風説や流言を正す、公式サイトを作成する

     今回の大災害においても、原発問題や物資について、さまざまな風説や流言の流布が起きました。愉快犯も少なからずあると思いますが、勘違いや思い込みによる風説もあると思われます。「ヨウ素の入ったうがい薬を飲む」、というのはこれでしょうし、私の所に来た「米国大使館、仏大使館から、放射能飛来の危険性から逃れるため、日本に在住する自国民に東京脱出を促すメールが届いている」というのもそれだと思います。もちろん両方とも、風説・流言です!これらの特徴は、「友人からの情報ですが..」というように発信者本人が情報発信の責任を負わないことです。私は聞いただけだから、というスタンスで無責任な情報をチェーンメールにしてしまう人間が少なからずいますし、本人には善意があったりしますので本当に困りものです。
     こうった風説や流言を捕捉したら、専門家が専門的な判断を下し、誤った情報を是正し正しい情報を発信するサイトを作成すべきと考えます。専門家が自らのスタンスを明らかにすることでそこでの情報に責任 の信頼性が生まれますし、公式なサイトと国や自治体に認めてもらえば、それが多くの国民の判断根拠となるはずです。こうした風説や流言などのまやかしを防ぐ仕組みを、確実に作るべきと考えます。
     もちろん同時に、その情報発信についても捜査を行い、犯人を特定していく必要もあると思っています。これはメールの発信者が自らが犯人ではないことを証明するために、自分へのメールの発信者を告知させればすむと思います。

     

  • クラウド型サイトを構築し、さまざまな公式情報をそこで掲示するようにする

 今回の東京電力の計画停電(輪番停電)発表や、電車の運行状況を公開するサイトがそうでしたが、一時にアクセスが集中すると輻輳が発生し、そのサイトにつながらなくなります。ミラーサイトを作ることも大切ですが、それ以上に仮想環境のクラウド型の仕組みを構築し、こういった重要情報が物理的に分散処理されアクセスできる仕組みを構築すべきと考えます。各サイトがそれらをつくるのは無駄がありますから、どこかがそれらを作り、重要情報はそちらに掲載するようにすればよいと思います。
 

こういった仕組みを実現するためには、IT関連機器の配備や積極利用も重要となります。
 

  • 自動車通信を利用し、通信環境をより早く復興する

 こうして考えてみますと、携帯電話やスマートフォンなどの通信基盤の増強と安定が常に求められます。 携帯電話会社のアンテナ車を多く出動していただくのは当然ですが、やはりバックアップとしてのネットワーク網が重要となります。そこで私が近年ずっと主張している、自動車Hub構想の実現をお願いしたいと思っています。ハイブリッドカーやEVなどもそうですが、最近の自動車は双方向の通信機能を備えています。さらに自動車は巨大な発電体ですから、それらを使ったネットワーク網を考える必要があるように思います。当面は無線ルータのような機能を担わせ、強力な電波によってより遠い通信基地に情報を送信し、そこからネットワークへの接続をはかれるようにすべきと考えます。そうすれば、1台の車両である程度のデータ量をまかなえるため、かなりの通信が行えることになります。
 

  • 発展版の軍用・ビジネス用PCやタブレットPCを利用する

 世界中の軍隊がハイテク化している中、それらで利用されている強靱なPCをこういった災害時に利用すべきと考えます。 たとえばパナソニックのビジネス用タフブックなどもそうですが、軍用のPCは落下や防水など、戦地などの激烈な環境での利用を前提とした強固な作りになっています。被災地ではこう いった堅牢なPCの利用がのぞまれますし、そのためにはさらなる機能の強化が必要となります。特に無線の増強とバッテリーの強化が望まれます。できればマルチバッテリーにしていただき、充電池だけでなく乾電池や燃料電池などの利用もできればいいと思います。そうすれば様々な情報のやりとりが可能になりますし、それによって前記の仕組みを稼働させることが可能になると思います。
 

  • RFIDを被災者に配布し、生存者の管理を電子的に行う

 現在被災地を見る限り、被災者が付近を歩き回ることで離ればなれになった肉親を探しているようです。生存者の管理と健康状態の把握は絶対的に必要ですから、こういった被災者にRFIDを配布し、その方の管理をネットを利用して行うべきと考えます。配布した時点で個人の属性や血液型、健康状態を記録し、一部情報を記録したRFIDを搭載したリストバンドとして配布します。これによって被災者のデータベースができますので、氏名や住所等で名寄せが可能になり、より早く肉親に再会できる可能性が上がります。さらに健康状態を記録することで、常用薬の配布や被災地での投薬等の記録もとれます。場合によってはその後、健康保険と組み合わせることで、診察医師側に報酬を支払うことも可能になります。
 また常に被災者がRFIDを身につけていることで、さまざまなサービスの授受管理も可能になりますし、サービス授受の不公平さをなくすことができます。さらに非接触型を利用すれば、 避難場所で寝ているときにでも、様々な確認ができるようになると思います。
 

  • 携帯電話・スマートフォンを防水にし、バッテリーを標準化する

 個人ベースで考えると、やはり携帯電話やスマートフォンが携帯できるIT機器の最小単位になると思われます。被災をすると屋外環境と同様の環境での利用が中心になりますから、基本的にはすべての携帯電話やスマートフォンが、防水になることが望まれます。もちろんディスプレイの強化も必要になるでしょうし、省電力もより進むほうがよいと思います。しかしまずは防水を前提に設計・製造を行っていただきたいと思います。
 またバッテリーについても、できるだけ標準化を図るべきと思います。乾電池が便利なのは、その規格が世界的に統一されているからです。携帯電話もこういった標準化を進め、被災地で数種の電池を配布できるようにすれば、通信環境が非常によくなると思います。


 このようなアイディアは、私だけでなく皆様もたくさん思い浮かべていただけるものと思います。だからこそ、こういったアイディアを公開し、誰もがその実現に向けた努力を初めていただきたいと思うのです。そのアイディアによって報酬が生まれなくても、やがてその仕組みで自分や家族、友人の生命が救われるのであれば、それほど素晴らしいことはないと信じています。

 最後に、私からのお願いなのですが、こういったITをベースとした防災システム(上記の問題の解決案)を検討している会合をご存じないでしょうか?もしご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお願いします。私も公的な研究活動として、これらに参加するつもりです。またご連絡がなければ、近々こういった検討会を発足し、皆様のご参加によってシステムを研究していきたいと思っております。

 様々な物資が都会でも不足しています。物資が不足するほど経済が活性化したのか、それともサプライチェーンの破綻によるものなのか、買い占めなのか....不安は続きます。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・生産・物流に打撃 東日本巨大地震 トヨタ、国内工場ストップ 計画停電今日から
・高機能携帯 安全対策競う マカフィーなどソフト各社 法人需要増見込む
・電子看板、導入手軽に 三菱電機、ディスプレー プレーヤー内蔵 映像流す手間少なく
・ドコモ、SIMロック解除 手数料3150円で受け付け 海外製端末向けカード
・ネット各社、被災者支援 消息サイト/現地の物資情報/翻訳サービス
・「787」生産に影響も ボーイング 巨大地震、部品納入見入る
・世界共通研修で認識共有 トレンドマイクロ 社員の潜在能力引き出す
・HP、アマゾンに挑戦状 CEO「クラウドを重視」 市場、実行力を注視
・計画停電、企業活動に打撃 巨大地震、福島第1 3号機も爆発 復旧時間を見極め
・被災地支援 クラウド無償 日本IBM
・クラウド、震災情報下支え アクセス逼迫 「代替版」で対応
・電子部品「再会見えない」 東日本大地震、その時企業は 製造装置拠点も損傷 長期的に影響か
・大型液晶タブレット発売 台湾PC大手アスース クラウド利用想定
・為替にも影響 巨大地震から1週間 円、最高値更新 企業の混乱続く
・IT復旧 格安で支援 東日本巨大地震 日本IBM・ユニシス 機器修理を減額

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。

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