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Weekly report
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 April Third week

 復興と復旧に向けた取り組みが行われています。

 被災地では、多くの自衛隊員や自治体職員、医療関係者、そして志の高いボランティアの方々が黙々と自らの職務を全うしていますし、それによって多くの被災者の方々が救われています。自らが被災したにもかかわらず復興や復旧に全力を傾けられている方もいますし、いまだ見つからぬ家族の安否に心を傷めながらも、自らのできることを行っている方もたくさんいます。港では漁業関係者が再開に向けた努力 を始めていますし、沿岸の企業でも復旧に向けた努力や検討を始めています。人間は力強く、志の高い存在であることを感じざるを得ませんし、困難を真摯に受け止め、それでも立ち向かっていく人々の姿に感動を覚えます。

 今我々は何をすべきなのか?この問が私の頭の中に、ずっと消えずに存在し続けています。

 被害の少ない東京は、自粛ムードでありながらも少しずつ元の姿に戻りつつあります。駅は暗く、エスカレータも動いておらず、電車の本数は少なく、さらに電車内の照明や空調は消されていますが、電車は確実に人々を運びます。飲食店やさまざまな店舗の看板は消えていますが、その営業は続けられています。昭和40年代を思い出す街の風景は、一家の主が家族と夕食をとれた時代を思い出させてくれます。

 かつての日本では、「晴(はれ)」の日と「褻(け)」の日が存在しました。何気ない毎日こそ「褻」の日であり、「褻」の日が続くからこそ「晴」の日が楽しく素晴らしく思える。これが日本人の考え方でした。それがバブルの頃から毎日が「晴」の日になってしまい、「晴」が日常になるからこそ本来の「褻」の日が忘れられました。しかしこの震災によって、これまでがいかに「晴」の日であったかを思い知らされましたし、これからは「褻」の日をきちんと全うすべきということを考えさせられるきっかけとなりました。

 「晴」の日は華やかですが、それを維持するために多くの努力と資源が必要となります。さらにより充実した「晴」をつくりだすために、さらに多くの努力と資源が浪費される結果を生みます。街中にネオンサインがあふれる状態はまさに「晴」なのでしょうし、それが情報ではなく単なる企業のロゴだけだとすると、それは資源の浪費なのかもしれません。逆に今を「褻」の日と考えると、資源の無駄は減ります。昔のように看板を電球で照らす、その電球をLEDにすれば省エネルギーで同様の目的が果たせます。駅の照明は暗くても、昔と同じと考えれば明るすぎるほど照明を増やす必要はないのかもしれません。エスカレータを全面的に止めるのはどうかとは思いますが、下りを止めたり自動運転方式にすればやはり資源の浪費は減ります。このように、我々は便利な社会をもう一度見直し、我々が追求する利便性の本質を再度定義し、無駄をなくす努力をしなければならないかもしれないのです。

 利便性を単純に否定することは、文明の否定だと私は考えます。ただし浪費を文明と考えることもいやなのです。さらに毎日は「褻」の日であってほしいと思いますし、だからこそ「晴」の日は精一杯楽しんでほしいのです。 デイズニーランドや映画館は、「晴」の日の象徴と思います。「褻」の日が続いたからこそ、たまにそれらで楽しみ豊かな気持ちになる。時間の消費のためにそれらを利用するのではなく、生活を豊かにするためにそれらを利用する。こういった考え方がこれから求められるように思われるのです。

 私が今すべきことは、こういった新しい社会のあり方を考え、そのなかで情報技術がどのような活躍をすべきかを明らかにすることかもしれません。スマートフォンの利便性を捨てることなく、誰も見ないデジタルサイネージの灯を消す。逆に多くの人々に、真の情報価値のあるデジタルサイネージのあり方を考える。これが私に課せられた使命のように思われます。

 力強い復興と、無駄のない新しい社会を目指した努力を、始めるときが来たようです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・東日本大震災1ヶ月 主要20社生産状況 鉄・石油の回復急、車は時間
・ビル電力消費4割減 燃料電池や太陽熱温水 東ガス セットで売り込み
・震災で倒産12件 東京商工リサーチ 間接被害、地域・業種幅広く
・中国のディズニーランド 2つの極、集客競う 上海:面積、TDRの2倍 香港:拡張前倒し
・ヤマト、まとめて宅配 複数店で購入した土産 1回1000円、送料負担抑える
・ホンダ 2週間で”頭脳”復旧 研究所被災、社長が現地に走る 部品確保は不透明
・リッター100kmへVW加速 ガソリンでも進化探る
・復興へ違いや資材融通 災害被害の噴火湾ホタテ養殖 北海道の漁業振興協が音頭
・トウモロコシ騰勢 国際価格、最高値圏に 米で需給逼迫懸念強く
・「工場アパートで再建」 被災中小企業 義援金で助成検討
・ファブレス企業のエレコム 量産立ち上げ期間短縮 スマートフォン向け2週間に
・事業継続の「備え」支援 日本IBM 災害対策診断クラウド移行など提案
・忘れ得ぬ風景 後世に 被災前後のデータ保存 Yahoo 写真を一般公募 防災研究用にも
・米国で販売本格化へ 心臓バイパス手術訓練機器 早大発VBEBM カリキュラムも開発
・原発廃炉、日米で長期戦 日立・東芝 まず事態収束急ぐ
・震災復興、業界再編視野に 需要対応「国内M&Aも有効」 シャープと提携エネ効率高める
・空撮向け小型無人機 イメージワン 4枚の回転翼、姿勢安定 自動飛行で空中停止OK

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。