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Weekly report
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 June Fifth week

 とうとう恐れていたシーズンが訪れました。

 先週は猛暑日が数日発生するなど、いよいよ夏の到来のようです。沖縄などは例年より早い梅雨明けでしたので、関東以東も例年より早く梅雨が明け、猛暑が到来する可能性もあります。(西が早いほど東は遅いというのが通例らしいですが、今年はどうなるやら...)

 猛暑の数日で電力需要は10%程度上がりましたので、今後の電力の需要変動は本当に不安で一杯です。先週の猛暑は風が強かったので助かったところもありますが、無風で湿度が高ければ、クーラーをつけざるをえない状況になるでしょう。一人一人の節電意識は高まっても、この事態はすべての人にとって初めての経験ですから、実際はどうなるか見当もつかないところです。一番恐れる事態は、結局電力需要が上回り輪番停電が再開することですし、そうなれば、熱中症等で体調を崩したり亡くなったりする人間が激増するでしょう。 さらにその地域の医者や病院なども輪番停電中ですから、老人や子供など多くの人間が亡くなる可能性すらあるのです。

 被災地の復旧も、遅々として進んでいないようです。仮設住宅が十分でなく、いまだ避難所で生活せざるをえない人々も数多くいます。避難所は電力 が十分でないので、クーラーはおろか冷蔵庫もなく、人として当たり前の生活すらできない人々がまだまだ数多く存在します。 私の悪い予想が現実となってしまったようで、現地の衛生状況の悪化が急速に進んでいます。今後暑くなればなるほどこの状況は悪化しますし、そうなれば疫病等の発生も予測され憂慮すべき状況になります。さらに現在旅館やホテルに避難している人間も早晩退所せざるを得ない状況のようですし、いよいよ行き場を失った人が現実に数多く 発生しそうです。福島でも避難を強いられ、今の日常生活に問題はなくても、これからわざわざ生活できない状況に向かわなければならない人も数多く存在しています。現在は生計を立てる仕事があるのに、避難をすればそれを失ってしまう。放射能による生命の危機よりも早く、収入が断たれることにより生命 の危機に瀕するのです。その上とりあえず家財や家畜などをおいて避難したものの、残ったものは盗難にあったり死滅したりと、追い打ちのような状況すら発生しています。

 福島の原子力発電所は、いまだに危機的状況を脱することはできません。多くの作業者が現場で必死に頑張っても、状況は想定より遙かに悪く、計画どおりに事は進みません。初めてで手探りの対処を素人作業員が行っていますので、計画どおりに事が進まないのは当たり前の事なのですが、それでも 政府と東京電力は相変わらず計画どおりを主張します。その結果として多くの人間が危機にさらされ、さらには生活を失っているという現実に対し、計画があまりにも楽観的で官僚的に見えてしまいます。

 3月11日から、3ヶ月という貴重な時間が過ぎました。神が与えてくれたこの3ヶ月の結果を、今問われる時になりました。多くの企業は節電のための方策を立て、実行に移しています。国民は節電を心掛け、消費電力の多いクーラーから省電力の扇風機を利用するという ように意識を変えています。売上が上がらなくても看板の電気を消している店はいまだに多いですし、公共施設の空調温度は確実に上がっているのです。つまり一人一人はこの3ヶ月でできることを必死に行い、なんとか危機的な状況を乗り越えようと努力をしているのです。ところが、唯一これを行わない人々が永田町には巣喰っています。本来は個々の組織や個人の利害を無視し一丸となって復旧の指示を行うべき人々が、自分達の利害だけですべての国民を愚弄する行為に走っています。「我々だって被災地に向かって、支援を行っている」とか、「多くの問題を解決するには、まずは各党の意見調整ができないと前に進まない」といったもっともらしい理屈を並べますが、彼らがすべきことを完全に見失っているとしか思えない発言です。

 再三申し上げるとおり、今必要なのはリーダシップと実行力です。さらにすべての問題を各論としてとらえるのではなく、全体的な観点と長期的な視野で判断できるマネジメント能力です。それもたった一人のリーダがすべての能力を発揮するのではなく、複数のリーダがさまざまな担当をもち、全体をとりまとめる最終リーダに情報を与える、PMO的な動きが要求されているのです。現在の永田町はただひたすら完璧な一人のリーダを求めようとしますし、そのリーダの欠点を見つけては更迭し、次のリーダを探します。この複雑で変化の激しい時代において、一人のリーダがすべてを処理することは不可能にもかかわらず、その責任だけを押しつけて十分な支援をしない、あるいはリーダをサポートできないサブリーダやメンバーばかりになっています。彼らこそPMBOKを学び、もう一度日本再生というプロジェクトを引っ張って欲しいにもかかわらず、そのチャンスはまず到来しそうもありません。

 日本を変えたい、という想いは、国民全員が持っているはずです。被災地を救いたい、という気持ちは、我々一人一人の胸の中にあるはずです。その想いや気持ちを一つにまとめるきっかけを、永田町に巣喰う人以外のすべての人が待っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・大成建設、工程を完全管理 土木工事のコスト5%減 「位置+時間」ITで
・対サイバー犯罪 国際化へ一歩 来月に改正法施行
・富士通、クラウド1000億円 今期見通し 事業規模3倍に
・ブラックベリー 苦戦鮮明に RIM業績不振 アップルなどと競合
・IBM100歳若返りの秘密 事業も人も新陳代謝 時価総額、一時MSを抜く
・コンテンツ・機能で米韓勢追撃狙う 東芝、最新アンドロイド搭載のタブレット端末
・ネット環境、有無問わず 「電子割り符」で機密分割保存 凸版、ICカード使う
・TBS、視聴者 ネット誘導 BS通販番組に「AR」 放送法改正、枠縮小に備え
・欧米2社、受注競争が過熱 ボーイング:747ジャンボ機改良 エアバス:燃費性能25%向上
・球団、09年から実質黒字 ソフトバンクホークス 安定した収益確保 強いチーム作りがカギ
・「世界一」でないと困る理由 富士通スパコン「京」 日本勢で7年ぶり奪還
・欲しい特許情報、自動分類 東芝 企業・技術・出願年・・・すぐ一覧に クラウドで提供
・クラウド拠点、日本に新設 IBM 企業向け情報共有ソフト提供 外資系、顧客争奪激しく
・サービスか進む世界IT業界 日本勢も海外と提携急げ
・三菱重 空に暗雲 航空機部品で不適切検査 MRJ離陸直前に失策 競争の武器「信頼」に傷
・携帯各社 通信料急増でも稼げず スマートフォン不休でインフラ不足 定額制足かせ
・若手技術者を育成・発掘 サイバー 大学と連携し合宿も
・使用の前後で針を本体収納 使い捨て注射 大成化工・スズケン開発 患者の事故リスク軽減
・「宴の後」中国変調 陰るインフラ投資 コマツ、現地で生産調整も
・1個の注文対応 最短1日で感性 クロスエフェクト 試作品の樹脂パーツ
・看護職員「やめたい8割」 自治体労連が調査 「人員不足でキツイ」
・京王電鉄、学童保育に参入 沿線の駅近く 施設充実、子育て世代に的

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。