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 August Third week

 英国の暴動が止まりません。

 事の発端は、麻薬捜査中の警察官がタクシーに乗っていた黒人の若者を射殺したことへの抗議でした。その周回に集まった若者が暴徒になり、それを引き金にイギリス中で暴動が続発しています。警察の取り締まりも相当に強化されているようですが、それでも各地でゲリラ的に発生する暴動を止めることはできず、事態の収束が図られるのがいつの日かわからない状態のようです。日本人商店や日本企業も標的になっているようであり、日本人としても関係のない出来事とはいえない状況が続きます。

 暴動の中心となっているのは、20代前後の若者のようであり、背景に失業や貧困があるようです。現在イギリスの若者の失業率は20%程のようであり、教育を受けられない移民の低所得者が特に酷い状況のようです。移民であることによりハンディキャップがある上、十分な教育を受けないので一時的な職業や低賃金の職業を得ることさえ難しいようです。さらにイギリスは高付加価値産業によって経済の復興を図っているため、製造業 を中心とした低付加価値な仕事の総量が減っています。さらに高付加価値産業は多くの労働力を必要としませんから、十分な雇用を生むことはできません。その結果一部の人間に富が偏在し、より失業を生んでしまいます。その結果経済はデフレ傾向が強まりますので、国内製品はますます売れず、安い国の製品が流れ込みます。その結果国内製造業は生き延びるために海外に進出しますので、ますます雇用が減っていきます。このスパイラルは基本的に止まることはないため、年々失業が増し、低所得者の不満が高まってしまいます。

 この状況はヨーロッパのほぼすべての国で起きていることであり、イギリスに限ったことではありません。となれば、世界経済を支えている一角であるヨーロッパは、同様に危険な状況にあることがわかります。もちろん先日のデフォルトでもわかるとおり、米国もほぼ同じ状況です。となれば、世界の先進国そのものが、いよいよ旧来の世界からの脱皮に苦しんでいるといえます。ならば日本はといえば、上記はまったく同じ状況といえます。海外ほど富の偏在は激しくないものの、失業率は年々上がり続けていますし、311の影響と円高により企業の海外進出圧力はこれまでになく強まっています。現実に東北では、いまだに17以上の大手工場が操業を再開できていませんし、ひょっとするとこのまま閉鎖になる可能性もあるのです。もしそうなるとその付近の雇用が大幅に喪失しますので、住民の可処分所得が減るだけでなく、場合によっては転居を余儀なくさせるでしょう。そうなれば近隣の商業施設や不動産に対する影響はものすごく大きなものになりますし、それがさまざまな産業に 波及することによって街そのものが衰退してしまいます。そうなれば税収に頼る自治体もサービスを提供ができなくなりますので、ますます住みにくい街になってしまいます。やがてそれが子供達に影響を与え始めれば、イギリスの暴動と同じ背景が生まれてしまうのです。

 一部の国だけが繁栄をほこる、これまでの経済は確実に破綻します。貧しい国は富める国になる努力を始めていますし、それは豊かな国から仕事を奪っていきます。豊か な国から低付加価値な流出しますし、残った仕事は賃金が安くなります。高付加価値な仕事をするためには十分な教育が必要ですし、それでも少数の人間しか雇用を得ることは難しいでしょう。となるとやはりこの状況を変えるために、画期的なアイディアが必要になるのです。

 頑張った人間が、より多くの物を得ることは当然と思います。しかし少数の人間がすべてを支配することは、明らかに不公平があります。すべての元凶である金融の仕組みを国際的に規制し、マネーゲームの余地を限定することが絶対的には必要でしょう。同時に少数の人間に富が偏在しないように税制をつくり、取りすぎを制限するだけでなくそれを平等に分配する仕組みを作る必要もあります。新しい価値やサービスを創造した者には時限をきって優遇を図り、その後は同じような仕組みで競争をさせる。このような仕組みを作ることで、より多くの人間が幸せにでき、さらに頑張った者には見返りがある仕組みをつくることが可能と私は考えています。

 日本で暴動が起きることを防ぐだけでなく、多くの子供達に仕事が残り、幸せで豊かな生活を送ることができる環境を残すことが、我々の共通の使命であると私は考えます。だからこそ、こういった次の世界を一緒に考えてもらえる仲間を、世界は求めています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・ゲーム各社「スマホ」シフト 家庭用は伸び悩み 
・電子看板、PCで楽々 コンテックとミラクル・リナックス 制御用コンピュータ共同販売
・福井銀にクラウド提供 日本IBM 災害対策強化
・講義内容、無線端末に表示 聴覚障害学生の講義参加支援 講師の表情・動作を確認
・「ジョブスの予言」超す進化 パソコン30年先駆者達の証言 手のひらから世界つかむ
・スマホにもサービス拡大 ソニー子会社フェリカネット クーポン配信、広告も
・タブレットで医療画像 KDDI研 高速受信 大画面に複数表示
・フェンス全20kmにセンサー シンガポールのチャンギ空港 不審者位置も特定
・東北電、真夏の綱渡り 水力止まり計画停電寸前 甘い認識、公表後手
・今年度IT投資 大手31%が増額 21%が減額
・海外の風評、迅速分析 データセクションまず中国語サイト 販促効果や批判把握
・導入コスト1/3 スイカ決裁 三菱商事系システム運用開始
・中国版新刊専用の車両 中国北車が出荷中止
・東電、かりそめのウルトラC 政府援助でも国有化回避 援助金を特別利益に
・16社18工場 なお停止 JEF・日水・レンゴー 4工場閉鎖
・既存システムを整理 クラウド移行支援 富士通、ソフトなど一本化
・地銀の事業継続支援 IT各社 日本ATM 東阪で監視二重化
・2.4%減の12兆3863億円 国内IT市場 IDCジャパン今年予想
・賃上げ率12%〜13% インドの日系企業 今年見込み、商工会調べ
・IFRS準備 9割 上場企業 任意適用検討は27%
・聞く場所ごとの音 再現 ライブ映像に臨場感 KDDI研 視点に合わせ自在に
・小型家電からの回収急ぐ 都市鉱山が生命線に 官民連携、富山で先行
・レノボ 世界に挑む獅子 IBMの技術引き継ぐ 新天地、生き返った事業
・野村総研の新データセンタ 来年10月に開業 多摩に建設中
・サイバー大「新世代eラーニングビジョン」 通勤・昼休み中でも受講 対応OS・端末を拡大
・「違法」利用、年12億件 音楽関連動画 レコ協推計 高価格に不満
・たばこ、北アフリカ開拓 JT モロッコに販社設立 イスラエルにも輸出
・でんき予報 「ピンチ」本当 東北電、計画停電ひとまず回避 「隠れ電源」次々と

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。