今年も早10月となりました。いよいよ今年も終盤にさしかかりました。
景気の回復を願った元旦から今年も始まりましたが、311の到来によって日本の社会が大きく変貌し、危機的な夏を乗り切って10月を向かえました。この夏は関東や関西の電力不足が注目の的となっていましたが、これからは被災地にとって厳しいシーズンが到来します。
野田政権は復興増税を計画していますが、あてのない国債を発行するよりは実効性のある策と私は思います。しかし本当に増税が必要なのかといえば、それはそうとも言い切れないのが現状なのでしょう。なぜなら国家公務員や議員など、税金によって働いている人間の数が仕事量や質に対して明らかに多すぎるためです。
早朝ハローワーク前を通ると、9時の業務開始を待って8時過ぎから多くの失業者が並んでいます。失業手当の申請のためにわざわざ並ぶことは考えにくいため、本当によりよい職を求めて並んでいるのでしょう。となれば、一般企業であればより早い時間に業務開始を行うのでしょうが、こういった公的機関ではあくまでも定時を守ります。誰のためにサービスを提供しているのかは二の次であり、自分の仕事としてサービスを提供するだけなのです。したがって失業者にどんな理由があろうと定刻通りに業務を終えますし、週末は確実に休みになってしまうのです。
もちろん忙しくてたまらない、という
公務員も数多く存在するでしょう。さらにサービスレベルを高めるため、不眠不休で努力している公務員も数多くいるはずです。しかしその仕事を見直すと、おそらくは不要な仕事が沢山存在するのです。すなわち組織の上長は、先例主義と責任回避のため、ポジションが変わる度に本来必要のない仕事を次々作りだしてしまいます。なんらかのミスがあれば、そのミスの本質を考えるのではなく、そのミスによって発生する責任を回避するため、不要な仕事を増やし続けます。
例えば公的機関のトイレでトイレットペーパーが無くなると、万が一来賓が使用した際に責任を問われてしまう、という恐れから、トイレのトイレットペーパーのチェック係を任命します。さらにそのチェック係が全トイレを1日かけて巡回すると、午後の終盤に巡回予定のトイレで午前中に来賓が使用した際に問題が発生するかもしれない、という恐れから、さらにチェック係を増員します。チェック係が複数になりスケジューリングや巡回ルールが必要になると、その管理ために管理者を任命します。さらにその仕事でミスが発生すれば、それをチェックする担当者を任命する、という具合に、本来必要のない仕事が幾何級数的に増えるのです。さらにそれぞれの人間は誠心誠意対応するからこそ、無駄な仕事は必然となっていき、ますます多くの人数を要求します。結果としてその人間達は何もサービスも生まないだけでなく、さらなるミス発生のリスクを高めてしまうのです。
こういったムダが不要な業務を生み、結果として税金が無駄遣いされます。逆にそこには税金が使われるからこそ、税金の行使権限に絶対的な力を付随させてしまうのです。まさに「人の褌で相撲を取る」世界であり、褌を貸した人間がその権限者にこびるといった間抜けなことさえ起きるのです。
こういったムダをなくさずに増税することそのものに、大きな問題があることはおわかりいただけると思いますが、さらに問題なのは、これが被災地の復興対応でも起きているということです。すなわち必要な国民に可及的速やかにサービスを提供することが本分なのに、そこでトイレットペーパーのチェック係と同じ現象がうまれてしまい、ミスをしないという名目の元無駄なコストがかかるだけでなく、すべての意思決定
を遅くしてしまいます。さらに今回のような大規模災害は先例がないため、誰も責任を持って物事を決めないことから、復興が前に進みません。
仮設住宅はプレハブです。プレハブである以上、保温性や通気性には大きな問題が残ります。さらに冷暖房機器を含めた電化製品の利用に、大きな制限があります。我々の世代はマンモス校が非常に多くありましたし、校庭にプレハブの校舎をつくることも普通でした。プレハブ校舎の夏の厳しさ、冬の寒さは想像を絶するものがありました。首都圏の若者が通う学校でさえそう感じられたのですから、東北の老人にとってはこの先いかに厳しいシーズンが訪れるか、想像に難くありません。
仮設住宅や避難場所でこの先老人が亡くなるとすれば、それは国の怠慢による人災であることを国政を司る人間は強く認識すべきと私は考えます。と同時に、その危機的な状況を乗り越えるため、増税と同時に高効率な組織を生み出すための抜本的な組織の改善が必須要件なのです。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・iPadでカラオケ楽々 ローランド 楽曲製作アプリ
・パソコン分離 検討は踏襲へ HP、11ヶ月でCEO更迭
・ソフトバンク、戦略岐路に iPhone、KDDIも半日 問われる「総合力」
・セルフ式も失速 給油所手詰まり 「フル」対抗値下げ/目新しさ減る
・携帯HDD、無線接続 スマホやPCで大量データ視聴 加賀電子が来月発売 共同作業容易
・ユーロ、一時101円台 電機業界へ影響大 新興国で不利
・HP、ソフトの長期方針カギ IBM・ミルズ氏に聞く
・日立、北洋銀に5000台 仮想デスクトップ 来秋稼働、端末17%減らす
・新モデル、燃費2割改善BMWの小型車「1シリーズ」 エコカー減税の対象に
・日本ITの黒子 大連に試練 人件費の高騰 管理職の不足 縮む日本の委託
・MBA、5カ国移動し授業 米バージニア大経営大学院 「校舎投資せず柔軟性」
・世界標準支えた日本人 パソコン30年 米ソフト会社が急成長 古川亨氏、菊池三郎氏
・生保向けクラウド 日本で 米アイパイプライン まず申請電子化 コスト30%以上削減
・ホンダ、北米で不振 震災で在庫不足/内装に厳しい評価 次期アコードで巻き返しへ
・駐車場総研が中国開拓 駐車場の運営支援・管理 南京に営業拠点 日本勢、IT化強みに
・iPhoneで消耗戦も KDDI 年初来高値も一点、大幅下落
・再生医療、全国展開へ 自分の細胞から歯のどだい TES 骨削る移植不要
・iPad、広がる法人需要
MR:医師への説明素早く カタログ:軽量化、自動更新 介護施設:認知症予防に一役
・iPad2無線充電 日立マクセル 大電力を共有可能
・中古福祉車 100店体制に オニキス 現在は3店舗 13年末までに 高齢化、ニーズ高く
・787全日空海外展開託す 国際線売上高「日航超え」視野 投入3年以上遅れ
・電子書籍配信、端末対応競う ソニー、無線搭載の新「リーダー」 米アマゾン「キンドル拡充」
・国内に「ウルトラブック」 東芝8モデル
・IT機器、何台でも適用 個人向けウイルス対策ソフト 米マカフィー 新版で4製品
・APDの飲食店、iPodタッチで注文 その場でカート決裁も 調理研修や情報共有にも活用
・アニメ業界 売上4年連続減 昨年920億円協会まとめ TV放送枠減で
・名医志す学生、難手術体験 大阪医科大メディカルトレーニングサポートセンタ(大阪)
・社員一人あたりの研修費 IT関連が上位占める
・iPhone利用者「蚊帳の外」 ソフトバンク 無線ネットで国内最速サービス つながりにくさ解消せず
今週は、どんな一週間なのでしょうか。