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Weekly report
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 November Second week

 スターバックスに続き、タリーズコーヒーでもプリペイドカードが発売されました。

 スターバックスのプリペイドカードの開始は数年前にはじまっていますが、基本的に特典はありませんでした。しかしタリーズコーヒーでは、利用の際に商品が10円引きになり、当面は3000円チャージする毎にコーヒーの無料券を配布するそうです。スターバックス、タリーズともによく利用しますが、このサービスによりタリーズを利用する機会が増えるかもしれません。

 しかしタリーズコーヒーで気になったのは、カードの有効期間です。2年間の利用がなければ無効になり、チャージしてあった代金も返金されないそうです。スターバックスは有効期限がないのに、と調べてみますと、スターバックスも3年で無効になるようです。両社ともちょっと有効期限が短いのが気になりますが、それでも利用者は確実に増える様相です。

 こういったカードビジネスを展開することで、各社は潜在的な顧客を確保することになります。基本的に払い戻しはできませんので、先に預り金が発生するとしても、それはやがて確実に売上に変わることが期待できます。さらに利用されなければ残金は雑収として両社のものになりますから、メリットは大きいでしょう。両社ともアルバイトが多いので、釣り銭間違いや盗難などの現金管理の問題は常につきまといますが、プリペイドカードの普及はそういった問題を軽減します。となると、このために投じたシステムコストは確実に回収できるでしょうし、スターバックスのように特典を提供しないのであれば、相当に有利に働くはずです。

 逆に顧客側としては、小銭が無くても商品が気軽に変えると要ったメリットは生まれますが、それ以外に大きなメリットはありません。10円安いタリーズには食指が動くかもしれませんが、スターバックスもドリップコーヒーはおかわり無料ですから、タリーズと同じ以上の特典となっています。となると、顧客に対するメリットはそれほど無いことに気づきますし、それでもカードの普及を推進するのは、やはり企業として有利だからなのでしょう。

 今回のタリーズの仕組みは、当然伊藤園が経営するようになってから生まれたものです。松田氏がトップをやっていたとき遙かに経営戦略を感じますし、コンビニ進出など企業として正しい運営が随所に見受けられます。しかしながら松田氏がトップをやっていたころの手作り感は薄れていますし、その意味でファンは減っていくのかもしれません。オペレーションの水準が上がっているのは事実ですが、その反面きめ細かなサービスは無くなっていますので、この辺の両立はスターバックス同様難しいのでしょう。

 こうして新しいデバイスによって、企業のあり方は少しずつ変わっていきます。とはいえ両社ともその範囲や利用法は限られていますので、まだまだ試行錯誤の段階なのでしょう。しかし私自身は、なぜそれらをスマートフォンや携帯を利用した仕組みにしなかったのかが気になります。セキュリティとしてはカードのほうが楽なのでしょうが、企業・顧客両者の利便性やサービスの可能性から考えると、スマートフォンや携帯のほうが軍配が上がります。逆にそれらをできていないからこそ、多くの企業を巻き込むプラットフォームには確実に可能性があると私には思えるのです。

 ヨドバシカメラでは、携帯のお財布携帯機能で対応したポイントカードを持っています。とはいえお財布携帯機能は限定が激しいので、展開は難しいのかもしれません。だからこそソフトウェアだけで対応できる様々な企業を取り込んだポイントサービスが考えられれば、その潜在的な能力は非常に高いことは想像に難くありません。となれば、やはり我々IT技術者には、ここにも大きなチャンスが待っていると思うのです。

 アイディアは無限です。その無限のアイディアを生み出すのは、皆様の頭です。だからこそその無限の可能性を信じて、深い思考の世界で創造することが大切になるのです。

 誰も考えつかなかったものを、考える。誰もが気づいたものを、誰も想像できなかった形で提供する。これを行ってきたのが、スティーブ・ジョブス氏です。皆様が第二・第三のスティーブ・ジョブス氏になれることを、私は知っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・ゲート開閉、「顔パス」で ALSOK 画像を登録カメラで認証 IDカード不要
・欧州のシステム受注減 富士通の佐相副社長に聞く 政府関連でブレーキ
・介護記録、iPadで共有 体調やリハビリ状況など ワタミの介護、老人ホームに導入
・環境・エネで反転攻勢 パナソニック TV・半導体でリストラ 規模から採算重視に転換
・アンドロイド端末を検査 シーイーシー、日中に拠点不正侵入の恐れなど
・被災住民管理にクラウド 日本ユニシス 平時は利用料不要
・システム開発、細部詰めぬ習慣 「あうんの呼吸」に危うさ スルガ銀・IBM裁判 和解消える
・POS・ATMウィルス禍 非ネット機器が誤作動 USBメモリーなど媒介 点検時に侵入
・商店を商品販促の場に 大日印、丸善など1200店で 陳列棚に家電と関連書籍
・クラウド/スマホで明暗 IT大手4社 4〜9月決算 機器離れ顕著、通信で特需 システム受注は堅調
・赤字覚悟で新市場創る エステーが家庭用放射線測定器 初回は完売 品薄解消が課題に
・グリー、世界で基盤統一 来年 ゲーム同時に配信可能に
・今後の変更も柔軟・迅速 全日空、旅客管理などデータ連係標準化 70システム共通基盤に接続
・ジョブス氏伝記 発行100万部突破 講談社、10日で
・在来線走れる新幹線車両 実用化へ耐久性試験 国交省評価委「技術は確立」 摩耗具合等も検証 
・全MRにiPad導入 大日本住友 1700台、来年から順次
・中国大手書店、閉店相次ぐ ネット通販拡大、経営悪化
・テレビ産業どこへ ソニーなど販売計画を下方修正 先進国市場成長止まる
・「iモード」輸出の夢再び ドコモ中期戦略 スマホなどで新事業1兆円

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。