週末大阪出張をしており、ホームページの更新を済ませたつもりですっかり忘れていました。ご心配をおかけしました皆様、本当に申し訳ありません。極度に体調は悪いですが、どうにか生きていますのでご心配なく。
先日、気になるニュースを知りました。自治体が回収したペットボトルが、中国などの海外に高値で売却されているようです。
市町村などの自治体は、家庭や事業所から出されるさまざまなゴミの回収を行っています。その中でリサイクルが可能なゴミは、国が指定するリサイクル業者に売却することになっています。しかしながら、最近の自治体はそのルールを守らず、独自の買い取り業者に収集したペットボトルを売却しており、売却益を上げています。自治体からペットボトルを買い取った業者は、中国などのリサイクル会社に購入したペットボトルを販売するため、日本から輸出されて、中国でさまざまな関連製品としてリサイクルされているようなのです。
背景には、原油高があるようです。ペットなどの製品は石油加工品ですので、原油価格と比例してしまいます。この数年原油は常に高値水準で推移していますので、ペットの価格は上がります。さらに原油からそれらの製品を生成するためにはコストがかかりますので、リサイクルのほうがより安価にそういった製品を入手することができます。その上日本のペットは高品質のため、リサイクルペットボトルはタマゴのパックやセータなど様々な用途に再利用できるようです。こうした日本のペットボトルの品質の高さに目をつけた中国などの国々が、このような経緯で自治体から高額でリサイクルゴミであるペットボトルを購入するようになりました。逆に自治体は財政が苦しいですから、国の指定業者よりも高値で購入してくれる海外業者に、回収したペットボトルを売却しているようです。
地球規模のリサイクルの観点では何の問題もない話に見えますし、よりコストの安い中国でそれらがリサイクルされることは、通常の製品と同じように思えるかもしれません。しかしこの件が危険なのは、くだんのペットが石油加工製品であるということなのです。
日本は高い経済力とアメリカとの同盟関係を利用し、世界でさまざまな資源を調達してきました。そしてその資源を製品に変え、輸出することによって国力を伸ばしてきたはずです。しかしこの数年、中国を中心とした発展途上の国々が急速に経済力を高めていますし、かつての日本同様多くの資源を求めています。事実世界中のレアアースは中国企業に買い占められ、どこの現場でも日本企業は負けています。その結果非常に高いコストで資源を調達しなければならない、あるいはそれでも調達できないシチュエーションが各地で生まれています。日本は産油国ではありませんので、石油資源を積極的かつ継続的に入手する必要がありますし、それらを大切に利用していくことが求められています。ところが今回のように、せっかく調達した資源を安易な考えで海外に流出させれば、資源調達がより難しくなる世界において非常に困った事態を招来させてしまいます。さらにその中で資源を調達するとなると、より高いコストが必要となります。したがって国内で資源をリサイクルするのであればさらなる資源は不要になり、製品価格は上がらずに済みます。しかしリサイクル資源が海外に流出してしまうと、そのために新たに資源を調達する必要が生じるので、結局製品を値上げせざるをえなくなるのです。
さらに腹立たしいのは、よくよく考えてみるとそのリサイクル資源は、我々が自治体に税金を納めて回収してもらったものです。地球環境のためにリサイクルの必要性を認識し、コストを支払ってでもきちんと処理することを望んだ我々自身の資源です。それを自治体が無責任に転売すれば、我々は税金をムダにするだけでなく、そのつけを上昇した製品価格という形で我々自身が負担しなければならなくなるのです。これはどう考えても、自治体が無責任であるといわざるをえません。
私の住んでいる市の隣の市では、現在超大規模な市庁舎を建設中です。そのコストは税金であり、大規模新庁舎の利便性を享受するのは、やはり公務員です。そういった公務員の環境の良さや高いボーナスのために、無駄な税金のみならず製品価格の上昇分も負担しなければならない。これは明らかにおかしいといわざるをえません。
ギリシャが教えてくれるように、大きな政府は国民の負担になります。そういった事例がある以上、自治体の職員を含めたあらゆる公務員が、自らの使命と国の行く末をきちんと考え、もう一度襟を正す必要があることを強く認識してもらいたいですし、深く反省してもらいたいと思っています。
すべての公務員が、日本の未来のために、国民生活に資する努力を始めるべきです。
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今週は、どんな一週間なのでしょうか。