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Weekly report
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 February First week

 Docomoが苦しんでいます。

 昨年よりたびたび通信障害を発生させており、原因の大半はスマートフォンによる通信パケットの増加です。その都度サービスが停止する、あるいは送信間違いという信じられない障害が発生しており、Docomoは信用回復のために必死の対策を講じています。基本的 には設備を増強するしかないのですが、それ以上にガラケー(ガラパゴス携帯)からスマートフォンへの転換が起きれば泥縄式の対策といわざるを得ず、根本的な対策を講じるのが難しい状況です。将来を見据えて完全に設備を一新・増強するとよいのかもしれませんが、莫大な投資と通信パケット量を予測しなければならず、非常に難しい状況のようです。

 iPhoneとAndroidによって、ガラケーからスマートフォンへの転換が非常に短期間に発生しました。ガラケーはテキスト中心の送受信が基本でしたし、パケット料も非常に高価でした。したがって通信量は急激に増加することなく、携帯各社は予測の範囲で設備を増強すればよかったのでしょう。しかしながらスマートフォンの普及を目指す携帯各社は、パケット通信料を定額で提供するサービスをこぞって開始しました。このサービスによってテキストデータ以外の音楽や画像といったデータ量の多い通信が増加し、非常に多くのデータが送受信されるようになりました。スピードを気にしなければ自宅にADSLや光ケーブルを敷設するよりずっと便利で安いですから、結果として無線通信にデータの送受信がシフトしてしまいます。さらにヘビーユーザーである若者は自宅よりも街で利用しますので、利用場所も時間も特定が難しく、どのエリアの設備増強を図るかという計画も難しくなります。その上スカイプなどパケット通信を利用した通話が増えるため、携帯各社には従量制である音声通信料金が発生せず、定額料金以外の収入も上がりません。

 このように現状の携帯各社の考え方や設備は、スマートフォン時代に対応できていないことなります。今後は自動車を初め、あらゆる機器が通信を開始することが予想されます。となると通信されるデータ量は幾何級数的に伸びていくでしょうから、泥縄式の対策では限界があります。とはいえ抜本的な投資をしても、本当にそれを回収できるのか、誰にも解りません。

 このように一つの技術や製品、サービスが、既存の技術を前提とした環境を大きく変貌させるのが現代の特徴です。かつて上下水道や電話網がそうであったように、今後の社会を見越した国家事業として、こういった無線通信の環境を抜本的に構築することが求められている気がしてなりません。もちろん米国のNSA(国家安全保障局)のように、すべての情報を国家が統制するのは危険といえます。しかしこのまま民間企業が競争の名の下でバラバラな投資を行っても、結局は社会全体を混乱させることになるような気がしてなりません。

 旧郵政省、現在の総務省がそういった環境をつくる中心的省庁なのかもしれません。しかし地震などの自然災害や諜報戦などの社会的脅威、スマートシティといった産業振興の観点を加えると、総務省だけが主導権を握ることはできないでしょうし、農林水産省や警察庁、経産省との権力争いを起こすだけになるかもしれません。となると、こういったすべての省庁を超えた上位機関を設立し、次世代の社会インフラを計画・推進する省庁が必要になるのではないかと私は思っています。

 規制を作るのではなく、新しい社会を創造しそれを推進する。強烈なリーダシップを発揮し繊細な配慮のできる、新しいリーダの出現が求められているように私には思えます。

 閑話休題。

 さて例のMacBookですが、会社(ITアシスト社)のほうで新たな動きがありました。なんと、MacとWindowsの様々な互換性の違いから、結局MacBookの採用は中止し、もう一度Windowsマシンに統一することになったようです。今までの苦労は、何だったんだろう...先週はとにかく、使いやすくするためにソフトウェアの導入とセットアップを続けたのに、結局は交換となりそうです。仕事が安定するのはいいですが、それでもこれまでの苦労を考えると、ちょっと割り切れない気持ちが残りました。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・スマホの違法コピー防止 NECビッグローブ 配信から一括受注
・IT各社、情報インフラ競争 EV充電も、カード一枚で 日立やNTTデータ 課金・保守まで情報共有
・薄型パネル製造装置 TVなど低迷、依然厳しく
・双方向型の電子看板 ソフトバンククリエイティブ スマホに情報送信も
・受験時に学部決める不合理 大学改革のベクトル 関心変わっても転部困難
・iPadで来客が交流 アストロノーツ 結婚式場で手書きイラスト共有
・「ブラックベリー」のRIM 共同CEO辞任 シェア低下
・ソーシャルメディアの炎上防げ 社員・内定者向け講座続々 禁止事項など明示必要に
・「客家」vs中国政府 レアアース大国揺れる 権益、仁客が左右 
・サイバー攻撃で工場停止 標的型、制御システムつく 米で被害 社内に潜む侵入口
・クラウドで物件一元管理 日成と清水建設系 都不動産教組とセールスフォース 中小業者つなぎ便宜
・テレビ 終わりなき厳冬 11年国内出荷、初の減少 ハードで稼ぐモデル限界
・日本ヤフー提携戦略奏功 業績好調、米は2桁減収続く 株売却スキーム焦点に
・PC出荷1%増1086万台 11年国内 出荷菌学区は1割減
・ドコモ携帯股トラブル スマフォ負荷耐えきれず 都内で250万人影響 古い設計思想に限界
・アルパイン、クラウド型カーナビ フィンランド社と提携
・アップル思わぬ援軍 10月〜12月利益1兆円超え 利幅大きいマック急伸
・米市場誤算、任天堂に寒風 年末商戦「盛り上がり遅く」 次世代機「今年末」に
・NEC、最終赤字に ITサービス強化が急務 5000人削減、遠藤改革正念場 エネ・通信を牽引役に
・クックパッド、アマゾンのクラウド導入 増える閲覧、処理力確保 サーバ台数増減、素早く
・海外で研修、世界で史親に 富士通 英語合宿など綿密に準備
・ドコモ 無料通話の憂鬱 データ通信急増 収入源を圧迫 "自由"なスマホアプリ、障害招く

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。