先週はほぼ1週間、品川事務所での缶詰生活でした。
そのためというわけではありませんが、アルバイトメンバー等の増加によりいつしか私の席はなくなっていたため、缶詰生活を機会に上フロアの会議室を片付けて、新事業対応のオフィスとして利用することにしました。この部屋はもとは会議室だったのですが、人員の増加とともにバックオフィス部門が入り、その後レイアウト変更によっていつしか物置部屋に変じてしまっていました。
まずは震災の時以来放置されていた数々の物品を片付け、山積みになっていた書籍の片付けです。書籍はそれなりに意味を持って積み上げられていたのだと思っていましたが、
聞いてみると単に震災によって崩れた物を積み上げただけと解り、空いた書庫に極力隙間がないよう詰め込みました。使っていなかったiPod用のオーディオも取り戻し、私の机に設置しました。私のキャビネットは下のフロアにあったので、アルバイト君に頼んで上のフロアのものと交換してもらいました。部屋の壁時計も発注し、オフィスとしての基本設備をそろえました。最後にアーロンチェアとそれまでおいてあった事務用の安いチェアを交換し、私のオフィスが完成です。手作りの部署名をドアにはり、すっかりオフィスとして作業しやすい環境ができあがりました。同居すべきもう一人のメンバーは自席を嫌っていますが、私自身は非常に気に入っており、今後の事務所での作業が少し楽になりそうな気がしています。
よくよく考えてみると、私自身が組織行動が苦手な理由が、ここにあるのかもしれません。多くの人々が話をしている中で、集中力を保つことができないのです。私自身は思索できる時間や空間がなによりも重要であり、他者に邪魔されない環境が必要となります。他人に邪魔されないからこそ多元的に物を考え、調べ、創造する。これが私の価値を生み出す原点であり、必須の条件なのです。なぜなら思索の集中度を上げると、他人の呼びかけや気配にまったく気づきませんし、ある意味相手を完全に無視した行動をとってしまうことがあります。独り言も多いですし、他者には意味不明の行動やアクションもよく行っているそうです。(自分では意識できませんが...)
開放的なオフィス環境ですとどうしても他者への配慮が必要となり、集中度が下がってしまいます。
昔在籍したコンサル会社では、一人一人の机がブース化されていたので多少デスクワークが気楽だった記憶はあります。しかしそれでも周りの声は気になりましたし、報告書を作成する際はよく会議室に籠もって一人で仕事をしていました。そこで煮詰まれば散歩に出かけますし、それは他人のコミュニケーションから脱するよい機会だったように覚えています。
このように、知的活動を行う環境を確保することは、知的な付加価値を創造する仕事においては重要なポイントという気がしてなりません。他者とのコミュニケーションにより創造性を高める場所は当然必要なのですが、同時に個人としての思索活動を活発化させる環境も必要と思うのです。この傾向はひょっとすると現代の若者のほうが強いかもしれません。そうなると、企業がその環境を提供しないと、知的活動
が不十分になったり集中力が欠如したりすることで、十分な結果が出せない人間もでてしまうように思えてなりません。
昔はやったファシリティマネジメントはこの世界であり、個々人の創造性を高めるためにいかにオフィスを整えるかを追求した時代がありました。しかしいつのまにか効率の名の下にそういった投資が控えられ、昔ながらのオフィス形態やコミュニケーションが中心となっている日本の現状は、私にとっては問題に思えます。知的な付加価値を高める業種において、創造性を発揮できる環境が必須です。個々人の創造性発揮の方法はいろいろな形があるのであれば、そういったものを容認した環境整備も、これからの付加価値の高い社会を生み出すためには必要な条件のように思えてなりません。
日本の将来は、当たり前のことを踏襲することでは生まれてきません。個々人の知的な能力を最大限に引き出し、付加価値を生み出すことにのみ生まれてくると言っても過言ではないでしょう。となれば、耐震の観点だけではなく、付加価値創造の観点からもオフィス環境を見直すことも、考える必要があるように私には思えますし、それが新たな意味のある投資を生み出すきっかけになるかもしれません。
========================================
先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・運転席前方にナビ画像表示 JVCケンウッド 矢印で方向・速度警告 13年度量産
・米学校にタブレット2000代 富士通、教育分野を開拓
・信金に業務向けスマホ NTTデータ 通帳読み取り機内蔵
・サムスン、液晶を再編まずモバイル向け増産 TVは中国移管 有機ELシフトにらむ
・つぶやき分析「大物」に的 データセクション、企業に提供 宣伝風評対策に活用
・韓国新車販売の不振深刻 「軽」人北価格、利幅圧縮
・「光」に迫るスマホの影 NTT東 独壇場一転、消耗戦も
・大型図書館にクラウド 蔵書100万冊 NEC 前橋市、経費25%減
・映像で客層分析 精緻に OKI 年齢1歳単位で自動判定 1秒20人、顔斜めもOK
・iPadで来訪者対応 企業向け受付システム 動画で親しみ
・Amazon流 中国通販の星 ウィルマートが出資 会員は1600万人
・成田便新設も検討 エアアジアX インド線の機材活用
・ネット接続どう選択 携帯ルーター:高速対応型相次ぐ テザリング:スマホを中継器に
・音楽クラウド 日本スタート アップル
・関西の医療機関・団体 海外病院と提携相次ぐ 人材育成、サウジに拠点
・米書店タブレット廉価版 B&N、Amazonに対抗 199ドル
・アリババ株 竜頭蛇尾 鳴り物入りで香港上場、4年で退場 不祥事などで低迷
・デル・HP 3つの逆風 中台勢 タイ洪水 部品不足、減益に直結
・システム開発費を半減 アイティ・フロンティア 必要機器定義→自動プログラム
・コカ・コーラグループ、自販機に通信回線 災害支援や在庫管理に 自治体と提携、全国設置へ
・「シーガイア」を買収 セガサミー 運営ノウハウを吸収
・社内情報システム刷新 顧客の声、即座に共有 AGF 商品改善早く 開発にも活用
・携帯料金秩序に「挑戦状」 イオン・ヨドバシ・・・異業種大暴れ 低速限定/1契約で3台
今週は、どんな一週間なのでしょうか。