今年もいよいよ4月に入りました。昨年は震災直後の輪番停電やさまざまな混乱によって、卒業式や入学式を取りやめた学校も多かったように思います。しかし震災の混乱は落ち着き、今年はどうにか無事に卒業式も終わり、いよいよ新入社員風の若者を街で見かけるようになりました。また当分は電車も変に混むのでしょうし、飲み屋も繁盛するのでしょう。
とはいえこの経済状況ですので、相変わらず就職難は続いているようです。噂によると、50〜60社の面接を受けるのはざらであり、それでも内定がとれないような若者が多くいるようです。私の頃のように10社受ければ8社受かるような状況ではないので本当に苦しい世の中ですが、それでもチャンスをつかんだ若者が、多くの場所で活躍することを祈るばかりです。
当の私も(株)ITアシスト社にて新事業を開始することになり、数ヶ月の準備期間を経ていよいよ営業活動を始めだしました。これまでとは違うやり方を取ることにしたので面白いことは事実なのですが、独立した30代、起業した40代と違い、50代の今は何を行うのも知的・肉体的な体力の限界を感じています。ホームページ一つ創るのもずいぶん時間がかかってしまいますし、新しいアプリケーションを覚えるのも至難の業です。これでいいのかと自問自答しながら頑張りますが、それでもいろいろな意味で知的・肉体的な体力の衰えを痛感してしまいます。
先日の新事業の営業の際、顧客を訪問する前に喫茶店で資料を確認しようとすると、老眼鏡を忘れてきたことに気付きました。いつもは予備の老眼鏡を忍ばせているのですが、その日はたまたま別の鞄を利用したため、予備の老眼鏡もありませんでした。しかたがないので途中で購入しようと、品川の港南口をうろうろしてみました。
出口前の商店街を歩いてみましたが、眼鏡屋はおろか物販を行っている店は本当にコンビニぐらいでした。あとはさまざまな飲食店か飲み屋、不動産屋であり、老眼鏡を扱っている店は見つかりませんでした。しかたがないので港南口の高層ビル群に行ってみましたが、これまた老眼鏡は売ってません。書店は2店舗あるのですが、それ以外はドラッグストアやコンビニであり、メガネを扱っていそうな店はありませんでした。私の年齢であれば老眼鏡を必要とする人間は多いはずですし、うっかり忘れてきたという方も少なくないと思うのですが、不思議と老眼鏡は見つかりませんでした。さらに驚いたことは、文房具屋が一軒もないことでした。
企業活動において、事務用品は必須のはずです。したがって昔のオフィス街には必ず文房具屋はありましたし、そこでさまざま文具や消耗品のたぐいを購入していました。しかし高層ビルの大半が企業であるにもかかわらず文房具屋が一軒もないことに、時代の変化を感じてしまいました。
もちろん理由はOA化によって文具の需要がなくなった訳ではありません。お察しのとおり、インターネットショップの台頭が原因なのでしょう。アスクルをはじめとするオフィス向けの事務機器や消耗品のインターネットビジネスが、オフィスの需要を完全に取り込んだのでしょう。品揃えは豊富ですし、わざわざ買いに行かなくても受付まで届けてもらえます。さらに店頭であれば予約してから納品までに数日かかることはざらでしたが、インターネットショップであれば当日配送ですら可能です。逆にオフィス内に無駄な文房具在庫を置かなくて済むのですから、これ以上便利なサービスはないといえます。試しに調べてみると、たのめーるやカウネット、Amazonなどで老眼鏡は購入できます。
しかしその反面、今回の私のように突発的な必要性が生まれた場合には、非常に不便な街が生まれつつあります。皆様の地元の商店街もそうであるように、大型店以外の物販店は基本的に閉店に追い込まれてしまうからです。それを時代変化と考えるのか不便と考えるのかで、次の時代のあり方が決まっていくように私には思えますし、本当の便利さとは何かをもう一度考えるよい機会なのかもしれません。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・食中毒原因、1時間で特定 日本写真印刷が検査装置 菌・ウィルス、少量でも
・社外研修は大学で 立命館 国際化ノウハウ本格活用
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・携帯の革新加速 部代は第4世代へ ドコモ、礎築いた「mova」に幕
・デジタル家電、スマホと連携急ぐ ソニー:閲覧サイトTV視聴 JVCケンウッド:ビデオ撮影映像転送
・情通機構、英語も対応 校と案内の無料アプリ iPhone向け
・比にIT開発拠点 ソーシャルグループウェア 費用1/5
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・SCSK、特損54億円計上 12年3月期決算年金消失問題で
・超小型ICタグ開発 村田製作所 スマホなど基盤に搭載 生産管理に活用
・微生物使い海水浄化 水族館の水質管理向け 長岡技科大 大成建設
・EV航続距離351キロ シムドライブ、試作2号車 大型車並の室内空間
・ソーラー摩擦 小浜市葛藤 中国製に相殺関税5%以下 産業の保護か新エネ普及か
・検査数分、CT「内視鏡」 国立がんセンター 大腸の検査負担軽く
今週は、どんな一週間なのでしょうか。