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 May Fifth week

 先日お台場のダイバーシティー東京に行ってきました。

 現在新人研修で取り扱っているテーマがフードコートであったため、その視察もかねてウィークデーの夜に訪問してみました。4月にオープンした新施設ですので、現在のトレンドをどのように取り入れた店舗構成なのかも興味がありましたし、ガンダム像も見たことがなかったので、それもかねて見学してみることにしました。

 かなりの雨だったのでタクシーで現地に乗り付けたのですが、まず驚いたのは店舗の入り口でした。東京テレポート側に正面の玄関と思われる入り口があるのですが、その自動ドアをくぐると正面に大きな階段があります。目の前に店舗が広がっていることを想定しているので、ここでまず驚きます。階段の左右には、店舗が一つづつ。入ってすぐですのでダイバーシティ東京の顔とも言える店舗のはずです。どんなお店なのか興味を持って見てみると、なんと右側は外貨の換金所、左側はセブンイレブンでした。

 唖然としたままエスカレータをあがると、スタバと衣類品販売のOld Navyがあります。さらに入っていくと、東京の土産屋や飲食店、テレビのキャラクターショップ、そしてなんとマツモトキヨシと成城石井があります。その奥はフードコートで、結構な広さが。さらにエスカレータで上階に上がると、COACHやARMANIなどの高級ブランド、H&MやFOREVER21などの廉価衣料品店、高級チョコレートのゴディバ、タリーズなどの飲食店が同じフロアにあります。4階も同様で300円ショップから高級ブランドまでが法則性や分類もなく店舗を連ねています。5階はユニクロやP.S.FAなどの廉価ブランド、中級ブランド、高級時計店、タワーレコード、ビレッジバンガードなどの多種の店が、6階はさまざまなレストランや飲食店に混じってダイソーとラウンドワン、という具合に、節操も統一性もなくいろいろな店が出店していました。最近はやりのショッピングモールのように、様々な店が出店し、日本初出店の店もあることも知っていましたが、これほど規則性や統一性がなくならんでいるとは想像もつきませんでした。

 今までこういった商業施設では、購買層を配慮した店舗レイアウトが常識でした。婦人服と紳士服、さらに若年層と中高年層など、その購買層に訴求する形で店舗を設計することが一般的だったと思われます。最近はやりの大型のショッピングモールも一応みてきましたが、ほとんどのところが基本的には規則的をもったレイアウトであったように思います。しかし今回のダイバーシティ東京はその名の通り、ダイバーシティ:多様性が根本にあるようで、規則性は極めて薄いことに驚かされました。

 しかし見方を変えてみると、このような店舗構成であればいずれかの店で買い物をする可能性が高まることは想像できます。家族連れでショッピングモールを訪れた場合、それぞれの興味が異なるので分かれて行動するほうが合理的なはずですが、子供が小さい場合はそれが難しくなります。奥さんの買い物中に旦那はベビーカーを押しながら付近で待機し、子供が飽きたらおもちゃ売り場へ家族全員で移動し、親は適当に時間をつぶすしかない、というのがこれまでの一般でした。しかしこの施設に来れば、それぞれのフロアに家族の一人一人にとって何らかの興味を引く店があり、狭いエリアでそれぞれの目的を果たすことが可能になります。家族全員の団らんにはフードコートがありますし、付近の店舗から好きな食べ物を買い集めることができるのです。

 こういった常識に縛られない新しい店舗が、今後のショッピングモールを変えていく可能性があります。しかしこの姿はよくよくみると、昔の商店街そのものであることに気づかされます。多様な店があるからこそ、そこで買い物の目的を達成できる。スーパーマーケットは街の機能を安価に提供したが故に、商店街のニーズは失われ街は寂れていきました。しかしスーパーマーケットに並ぶ商品は、ナショナルブランドを中心としたある意味画一的な商品だけです。となると、多様な店を雑然と並べるという新たな形で街の商店街を再現したダイバーシティ東京のようなスタイルが、実は現在の顧客ニーズにあったスタイルなのかもしれませんし、これが低迷している流通業の改革のヒントになるのかもしれません。

 当面ダイバーシティ東京から、目を離せないようです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・米ヤフー、アリババ株売却 利益は株主に還元
・タッチ画面、表裏で操作 ドコモが新技術 半透明パネル採用
・独・中に社内大学開口 欧州大手コンサル 受注例を共有 顧客企業も利用可能へ
・データセンタームダ無く活用 東西の拠点 丸ごと仮想化 CTC 来年にも 稼働率揚げ3割安く
・事務機大手 クラウド旋風 場所問わず印刷 機器メンテに一役
・ヤマトHD、製品回収支援 クラウド利用 企業、進捗把握 代替品配送も可能
・カーシェア用HV購入倍増 オリックス自の今年度 需要増で全体の2割に
・シリコンバレー 終わらない物語 フェイスブック上場 OBは企業へ投資へ 絡む人脈
・リコー、サービスに軸足 新経営戦略、オフィスIT強化 複合機単品から転換
・伏兵起亜 目指すはベンツ 高級車「K9」年内輸出 デザイナー招聘 欧州色まとい総力戦
・北九州にデータ拠点 日本HP 災害リスク分散
・光回線販促、タブレット軸 ケイ・オプティコム 高齢者・学生に的 NTT西も独自策競う
・独ルフトハンザのITシステム 富士通、保守業務を受託
・三菱総研、4時間で解決策 システム開発コンサル 回答結果を数値か 課題項目絞り提示
・HP、M&A頼みに決別 プリンター不振、2.7万人削減 研究開発費を捻出 自前での成長めざす
・ベトナムへのシステム開発委託 低コスト背景、インド抜く 品質・技術向上には課題
・名門ハザマ 10年目の白旗 安藤建設、事実上の救済 海外で損失危機引き金
・ネット 政府に理解促す 新団体設立 三木谷氏に聞く 薬事法の規制緩和など

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。