7月も二週目に入り、いよいよ年末に向けてカレンダーが減っていきます。今年から準備を始めた新しいビジネスもいよいよ始動を始め、先週今週と二週にわたって合宿を行い、細部の詰めを行っています。 合宿は先日開始した伊豆の海潜亭で行っておりました。まだまだ宿泊施設としての十分な準備ができていませんが、それでも素晴らしい環境と広い空間は、創造性の発揮に役立つことを実感しています。会議の合間に豊かな自然を散歩するだけで、頭と気分がリフレッシュされます。知的活動はこういった空間が必要であるということを常々申し上げていましたが、頭で理解することと実環境で実感することはかくもことなるのか、ということを本当に感じています。
さて海潜亭ですが、4月に入ってさまざまな物品を購入し、搬入、組み立て、設置等を行ってきました。そのうちの半分程度は電化製品であり、この数ヶ月でものすごい量の説明書やマニュアル、保証書が集まっています。透明フォルダに収納するのですが、フォルダが数冊という単位になってしまっていますので、事実上ほとんど整理はできていません。何かの調子が悪くなって保証書を探しても、なかなか見つからないのは本当にマーフィの法則を感じてしまいます。
さて一昨日もブルーレイレコーダの調子が悪くなり、説明書と保証書を探しておりました。しかし残念ながら見つけることができず、本当に困っております。捨てることはないと思うのできっとどこかにあると思うのですが、それを探すのは時間がかかりそうです。事実先日購入したオーディオのリモコンも初期不良で動かず、修理に出そうと保証書を探すのに一苦労しました。自宅のハードディスクに至っては、外装箱、マニュアル、関連部品のすべてがあるのに、保証書だけが見つかりません。購入日が昨年の7月ですから、どうやら保証期間内にそれを見つけることは不可能なようにも感じてい
る為体(ていたらく)です。
最近はほとんどの電化製品をネットで購入するため、保証書には期日も店舗名も記入されていません。大半の店舗は送り状が購入証明だったりしますので、保証書の店舗名や購入日時をこちらが記入したりシールを貼ったりする必要が生じます。さらに長期保証を同封してあったり、メールの文面が保証であったり、保証会社から別に郵送で保証書を送ってきたりと、本当に保証書の取り扱いが面倒になっています。
こうやって考えてみると、この保証書という仕組みそのものが、現代に合っていないことに気づかされます。実際に物品を購入したのは事実ですし、購入先の店舗は実在もしています。さらにネットで電化製品を購入する人間も多いのですから、こういった物理的な用紙で保証書を保管することは合理性がないように思えてしまいます。
私としては、機器そのものに保証書をつけるべきと考えます。すなわちRFIDやQRコードを埋め込み、保証書とするのです。店舗は出荷時点でスキャンをすれば、メーカのサイトに販売業者と購入日付、購入者の情報が記録されるようにします。個人情報ですのでそれを拒否する購入者は、購入後購入者情報だけを自分で登録します。万が一機器の故障等が発生すれば、それを実店舗に持ち込めば購入記録は判明しますし、間違いも起きにくくなるはずです。さらにメーカーは修理のステータスもリアルタイムで把握できますし、店舗を経由した修理期間の問い合わせ対応などの負荷も下がるでしょう。
実際の店舗の場合は、購入者の携帯やスマートフォンで稼働するアプリに、個人情報をやりとりできる仕組みを作ります。店舗の購入者がそれらを装置にかざせば、購入時の個人情報を店舗に知られることなくメーカーに登録できます。もちろん登録することを拒否することは個人の自由ですので、事後的な登録の仕組みさえ残しておけばよいでしょう。それでも少なくとも機器には購入履歴が残りますので、保証は確実に有効になります。
この仕組みが何より素晴らしいのは、購入者がいちいち保証書を保管しなくてすむということです。私同様保証書を探し回っている方は、全国にたくさんいるはずです。その労力や手間を考えると、これをシステム化する価値は十分あると思われます。さらに万が一のリコールの際にも、多くの購入者の情報を直接把握できるのですから、その価値はきわめて高いのではないでしょうか。さらに盗難や横流し品をネットで販売する場合は、購入の履歴が残りませんので怪しい品物であることが一目でわかります。製品番号も途中までの流通履歴も残せますので、どこでなにがおきた機器なのかも一目で判断できるはずです。
このように、保証の仕組みを改善することは多くの利用者の利便性のみならず、メーカーの利便性も高めます。それぞれのメーカーがこういった仕組みを作らなくても、SIerがクラウドでこういったサービスを提供すれば、もっともっと利便性が上がると考えるのは私だけなのでしょうか?
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・ローソン、2000店に導入 太陽光発電、来年度までに
・スマホで立体像を認識 NEC クラウドでDB照合
・JT、初の自社創製品 患者負担少ない抗HIV役 欧米で販売承認申請
・本気トヨタ 虎の子出す 燃料電池技術 BMWと提携拡大
・アップルが和解 中国iPad 48億円支払う
・電子書籍 楽天、赤字覚悟の大勝負 アマゾンに対抗
・世界10社で相互利用 IT人材育成ネット教材 IPイノベ、専門組織設立
・車いす、光・音で操作指示 転倒事故を防げ リハビリ効果も期待
・米ホテル大手、中国出店増 マリオット:14年に100軒体制
・世界車大手 スカウト合戦 購入車事業を指揮 中国・吉利が再建託す
・到着後 乗務員大忙し ジェットスター搭乗記 清掃完了は十数分
・ルネサス 10工場を閉鎖・売却へ 試されるマイコン一本足
今週は、どんな一週間なのでしょうか。