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 September Third week
 ビックロが発表されました。

 あれ、iPhone5ってこんな代名詞だっけ?と思われた方も多いと思いますが、こちらは店舗の名前になります。 その名から推察できるように、ビックロはビックカメラとユニクロのコラボ店舗であり、 新宿の三越跡地に今月27日開業するようです。この店舗は単に元気な組み合わせ名だけでなく、今後の小売店の新たなあり方を見せる試みのように思えます。詳細は実際の店舗を訪問後、ご報告したいと思っています。

 さて富士フィルムが、映画用フィルムの生産事業から撤退することを決定しました。撮影環境、映写環境ともにデジタル化が進み、撮影・上映ともにフィルムの需要が急減したためであり、時代の変化を物語るこの事象も仕方がないことなのかもしれません。往年のシネマフリークとしては残念至極な出来事ではあります。

 かつて映画、テレビともに、映像はフィルムで撮影されていました。撮影後に専用のラボで現像を行い、編集や音楽、効果音をつけて作品を完成させていました。その後多くの映画館やテレビ局で放映できるようフィルムを複写・現像し、映画やテレビの番組として映写されてきました。そこで使われていたフィルムは高価であり、簡単に切れたり燃えたりと非常に取り扱いが難しく、熟練者しか取り扱えないものでもありました。大昔私も公共図書館で貸し出していた各種映像を学校内で映写するために「映写技師資格」を取得しましたが、それが必要になるほどフィルムは取り扱いが難しい物でした。さらに扱いが難しく高価なフィルムを使って映画を映写するためには、物理的な配送行為も必要となりますし、傷みやすいフィルムを保管したりメンテナンスすることが必要になります。そのための大きな倉庫と温度・湿度を保った設備を維持するには、莫大なコストがかかっていました。

 しかしハンディビデオの出現によって、フィルムを取り巻く環境が変わります。撮影や編集の難しいフィルムより、簡易でコストの安いビデオは放送局にとって必需品になり、最近ではフィルムで撮影されることは皆無となったでしょう。さらに最近のデジタル化によって、より高度な編集やコンピュータグラフィックスを使った現実ではあり得ない映像も簡単に作れるようになり、テレビのみならず映画の世界でも編集以降はビデオが当たり前に使われるようになりました。ビデオで完成された映画は物理的な移動や面倒な複写もありませんから、映画の映写方法もプロジェクターを使ったビデオ化が進みます。結果として多くのシネコンでフィルムを使った映写は行われなくなり、フィルム需要が急速に低減していったようです。

 映画を例に考えてみると、フィルムが高価な時には撮影に失敗が許されなかったように思われます。そのため構図や演技について何度も検討、打ち合わせを行い、撮影を行う必要があったはずです。取り直しはコスト増につながりますから役者のNGも基本的には許されなかったでしょうし、照明や撮影、付近のさまざまなスタッフの失敗も許されなかったはずです。だからこそ現場全体が一丸となって作品が作れたのでしょうし、その中で確実に撮影技術や演技が磨かれたように思えます。

 しかしビデオによる撮影は、無限の繰り返しが可能です。さらにさまざまな高度な編集行為ができるため、基本さえ撮影しておけばどのようにも映像を変化させることが可能です。コンピュータグラフィックスを使えば、想像も絶する画像を素人でも作れるようになりましたし、映像創作の可能性を無限にしたのかもしれません。こうしたデジタル化も新しい芸術なのかもしれませんし、人間の想像力を無限に広げる機会となっているのかもしれません。

 反面失敗の聞かない、かつ物理的制約が大きいフィルムだからこそ、人間の創意工夫が最大限に発揮できた可能性もあります。たとえばコンピュータグラフィックスを使わずに、無重力の撮影を行うことは非常に難しいでしょう。CGがなければワイヤーアクションのワイヤーは消せませんし、360度自在に変化する映像を取ることも困難の極みです。だからこそ多くの映画人がさまざまなアイディアと具体的な知恵で、それを実現してきたのです。たとえば1960年代の映画に、2001年宇宙の旅という映画があります。今から50年ほど前の映画となりますが、その特撮の素晴らしさ、映像の美しさは映画芸術としかいいようのないものです。50年前の映画で、現代のCG映画とも遜色のない映像をつくりだした映画人の素晴らしさは感嘆しかありませんし、それを作り出せる人間の創意工夫と知恵の素晴らしさには驚きしかありません。

 技術がないからこそ、人間の知恵を使う。その知恵によって実現したものを、誰もが使える道具に技術を使って変えていく。これが進歩であり、技術の役割です。フィルムというメディアが終焉を迎えようとする現在、もう一度フィルムを通して多くの人間が過去から表現しようと腐心したなにかを考え、世界の明日のために新たな技術を考え始めることが、我々情報処理技術者に求められている気がします。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・有機EL阻止を印刷 真空蒸着装置不要に 山形大、消費電力1/100
・日本でIT担当役員向け教育 イノベーション・バリュー・インスティテュート
・JUKI、中国失速対応 バングラやベトナムに拠点 黒字転換めざす コスト徹底削減
・原発ゼロ 輸出に暗雲 政府議論大詰め、新増設難しく 東芝や日立、技術維持に懸案
・油1リットル100円以下挑む 藻で次世代燃料 米ベンチャー先行
・米HP人員削減 2000人上積み 対象2.9万人に
・日本オラクル、SNSの発言分析 社内情報と関連づけ
・7朝鮮市場へIBM臨戦 販促指南にビッグデータ 顧客目線へ意識改革
・特商法改正 勧誘規制や契約解除制度 中古車業界に波紋 事業に影響、適用除外要望
・日立建機の油圧ショベル 2本の腕で用途幅広く 被災地がれき処理にも期待
・資源ブーム終焉? 中国の需要減が影 コマツや商社など重圧 鉄鉱石など価格下落、豪で鉱山閉山
・大画面でも2割軽く iPhone5,21日発売 ギャラクシーに対抗 高速処理、省電力と両立
・任天堂、独創性を追求 「Wii U」手元画面、TV連動
・家電ON、スマホ操作NO 経産省の規制、50年前から 時代遅れ、見直し機運高まる
・イヤ〜な音 お任せカット 補聴器の使い勝手高まる 雑音抑え会話はっきり 音量や音質自動調整
・堅実クック流、薄れた間能 アップル、iPhone5発表 業績は絶好調 「驚き」継承課題

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。