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 November Fifth week

 リクルートが、楽天と同様の仮想商店街によってネットショッピングビジネスに本格参入するようです。

 日本のネットショッピングビジネスの最大手は、もちろん楽天でしょう。楽天の年商は1兆1千億円、Amazonが5000億円と非常に大きな規模を有していますが、スーパ-マット等の流通業の苦境を考えるとネットショッピング市場は新規参入の余地はまだまだあります。リクルートは各種の分野で主に広告収入をベースとした情報提供ビジネスを行ってきましたが、広告収入の減退が激しい状況を打破するためネットショッピングビジネスに打って出るようです。

 ネットショッピングビジネスにおいて、現在は@ポータルの競争、A商材と価格の競争、B配送の競争の観点で激しい競争が起きています。

 まず第一に、ポータルサイトやインターネットを利用する機器ベースで起きています。このところ各社は電子ブックや専用端末を発売しており、これを利用することで自動的にポータルサイトに誘導されます。Koboを購入すれば楽天ブックス、iPhoneやiPadならばApple社のiTuneストア。KindleならばAmazon、nexusならばgoogleといったように、それぞれの端末を提供している企業のポータルサイトが有利になるように作られています。もちろんその他のサイトを利用することは可能ですが、一番親和性の高いインタフェースが提供され必要なものが充足されているのであれば、別のサイトを利用する必要はないかもしれません。専用端末やそれに近い仕様で顧客を取り込む工夫が、今後も多くの企業で行われていくのでしょう。

 第二の競争は、商材と価格の競争です。出店する店舗が同じであれば価格の違いは少ないかもしれませんが、ショッピングポイントや送料、手数料などを考えるとネットショッピングサイト毎に違いはでてきます。在庫状況にも違いがある事も少なくないため、特定のサイトを優先していることもあるようです。さらにネットショッピングサイト全体の限定セールなどを考えると、今後もさまざまな競争が起きていくといえます。

 第三の競争は、配送の競争です。ネットショッピングビジネスでは、注文や決済などショッピングの大半をネットの画面上で行えますが、最終的に品物を受けとる際には実際の生活との接点が生まれます。ネットショッピングサイトでは、出店している店舗に注文しても、実際の商品はその店舗から配送されることが多いのが実情です。ネットショッピングサイト全体は原則翌日配送を謳っていても、店舗から直送される商品であると数日、場合によっては数週間かかってしまうこともあります。この状況を少しでも改善すべく、多くのサイトで配送方法の改善が行われています。楽天は自社倉庫に在庫する商品点数を増やすようですし、Amazonは全国各地に次々と倉庫を展開しています。
 さらに商品の受け取りについても、宅配業者によるサービス充実から改善が進んでいます。昔は不在ですと再配送に何日もかかる事がありましたが、今はその日ないしは翌日に受けとることができるようになりましたし、配達の日付や時間も指定が可能になっています。とはいえ指定した時刻が午前中ですと、起床してから12時までは外出することも出来ないため不便を味わいます。突然の用事がでた場合も、商品を受けとることができません。この状況を考えると、やがて宅配業者は完全な時間指定や当日の時間指定も受け付けるようになるでしょうし、このようなサービスを充実したネットショッピングサイトが有利にビジネスを行うのでしょう。

 このようにさまざまな競争を行うことで、ネットショッピングビジネス全体のサービスレベルが上がり、新しいサービスが生まれていきます。このような切磋琢磨の競争環境が、なぜ現実の商店街や大型ショッピングモールで起きなかったのか、研究する価値はありそうです。

 さて宅配に関して考えてみますと、私個人はネットショッピングビジネスが普及するほど今後新しいサービスが始まることを期待せざるを得ません。私自身、書籍を中心としたさまざまな物品を購入しますので、一日に数個の商品が届くことはざらです。となると、多い時には5社以上の宅配業者が配達に訪れる状況が発生しますし、一社の複数の配達員が商品を持ってくることもざらです。このようにヘビーユーザですと、その不在によってすべての業者が面倒な事態が生じます。不在票を書き、商品を持って帰り、再度配達を行わなければならないからです。となると、次は宅配業者が連携し、そのエリアの配達を一つにまとめるサービスが生まれることは必定と考えています。

 佐川とヤマト、日本郵政が荷物を持ってくる予定の家に、いずれかの一社がすべての荷物を取り纏めて配る。これが受けとる人にとって一番利便性の高いサービスでしょうし、宅配業者による交通事故や環境問題を軽減する上でも意味があることと思います。ヤマトが渋谷のヒカリエでこのサービスを実験しようとしているようですが、そのサービスを近いうちにすべての個人に対しても始まることを、私は予感しています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・来店客の導線 3年分可視化 電通 ゼンリン関連会社と販売促進 携帯から位置情報
・電子書籍、紙の2〜5割安 アマゾン専用端末 今日出荷 コンテンツ不足 課題
・新OS 起爆剤なるか NEC:安全性向上アピール 富士通:ソリューション提案
・早大、年50億円黒字目標 長期計画 海外大学とも連携
・シリコンバレー オイル名門IT MS、シスコ、インテル CEO長期在任 世代交代が焦点
・電脳が読む言葉の海 テキストマイニング 分の断片から有益な情報 世論・顧客分析で成果
・盗聴防止 会話妨げず コクヨ 特殊音を出す間仕切り 銀行や企業向け
・技術者 じっくり社内養成 リクルート・ヤフー・楽天 実践研修、裁量も広げる
・スマホで入場管理 ライブスタイル 画面をなぞり受け付け早く
・電動バイク販売で提携 テラモーターズ 沖縄のVBと
・マリオ跳べるか 任天堂の反撃 ネット対応・TV会議・・・機能満載 Wii U 米で先行販売
・車線や歩行者 画像認識 ミラーにカメラ ZMPが装置 自動走行車の研究開発促す
・インテル、後継未定の悩み 追ってリーにCEO退任へ タブレット台頭 構造変化に直面
・リクルートが通販サイト参入 対3強に「逆O2O」
・SAP、企業向けSNS クラウドで2種類提供
・タブレットで通信教育 小学生向け ジャストシステムが開発
・スペイン企業、再建急ぐ 欧州債務危機、影響色濃く
民意にすくむ韓国財閥 大統領選、経済民主化が争点 世襲・談合・循環出資 富の独占に批判強く
・プレステの成功 仇に iPhoneが生まれなかったワケ 社内VBが一つのカギ
・エコを競う力持ち続々 ハイブリッド建機 国内20トン級 販売2割に
・アルゼンチンから撤退 ヤクルト本社 黒字化メド立たず
・デジタルの崖 越せぬ米老舗 HP巨大赤字 PC依存脱却出来ず 不正会計、買収が裏目 

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。