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 April Fourth week

 ボストンマラソン開催中のボストンで、痛ましいテロが発生しました。

 事件はボストンマラソンのゴール付近で起きました。市民ランナーが続々とゴールするスタートから4時間たったゴール付近で爆発が起き、3名の死者を含む180名あまりの方が被害を受けました。当初警察は犯人像などを明らかにしませんでしたが、18日になって兄弟二人組の犯人が特定されました。その後の市民への協力依頼の結果犯人の居場所が特定されましたが、爆発物を含む銃器で警官隊との応報があり犯人の一人は射殺され一名は逃亡という事態になりました。その後の警察の捜査と市民の通報により、逃走していた犯人は重傷を負いながらも生きたまま確保されたようです。

 この事件が特徴的なのは、完全に市民を狙った無差別テロであると言うことです。911などのテロは、アメリカ経済にダメージを与えたり、ホワイトハウスやペンタゴンといった政治施設を対象にしたものです。しかし今回のテロはマラソンを応援する市民を狙ったものであり、無差別殺人としか言いようのない事件となりました。容疑者はチェチェンから米国に移ってきた移民のようであり、友人が少なく孤立していたという報道もされています。しかし兄は米国のボクシング代表になろうとしていたようですし、弟も医学生と完全に孤立した経済的な弱者とは思えません。今後の捜査でその犯行理由を明らかにされることを望みますが、全容解明までには時間がかかる可能性高いと思われます。

 この事件を米国特有の事件と考えるのは、私には危険に感じます。現に先日日本でも海外からの職業訓練生が孤立したことから雇用主に殺意を抱き、結果として雇用主夫婦を惨殺した事件も起きています。つまり国際化の結果日本にも多くの外国人が働きにきたり、事実上移民に近い状態で生活している方も少なからず存在するのです。それらの人々が排他的な日本の生活環境やビジネス環境に不満を持ち、それを爆発させる可能性はあると私は思うのです。銃器の入手は容易でないとしても、今回のような圧力鍋を使った爆弾は作ることが可能ですし、それを公共の場で市民に向けたテロとして日本で実行することもそれほど想像には難くありません。

 このような事態を防ぐために、我々はもう一度国際化の意味を考える必要があるように思います。我々の周りの外国人を単に金銭目的で出稼ぎに来ていると見なすことなく、一緒に社会を形成する一市民として考えていなければならないと思うのです。もちろんそれを推し進めている企業には応分の責任を負わせ、仕事の中だけでなく市民生活の中でも無益な争いや差別が生じないように社会そのものを変えてかなければならないと思います。逆にそれを今行わなければ、早晩ボストンのテロと同様の事件が日本でも発生してしまうと思われるのです。

 日本に来た外国人は、それぞれの国の文化や常識を持っていますし、それらは日本と大きく違う可能性があります。外国人だから日本の文化や常識を無視しろとは思いませんし、逆に日本で住むからには日本の文化と常識を理解し、日本社会が有益と認めているルールを守ってもらう必要があります。たとえば深夜に大声で話しながら歩かないとか、電車の中で通話をしないとか、ゴミ出しの日と分別ルールを守るというのは、日本で生活する以上守るべきルールのように思います。もちろん日本人でもそれらを守れない人間が徐々に増えていることは事実ですが、それでも大半の日本人はそれらを守っているでしょう。問題は外国人がその暗黙のルールを知る機会が限られていることと、それを公的に伝える機関が少ないということです。市役所などでは外国人向けの相談窓口がありますが、そのほとんどが月に2〜3回、平日に外国人からの相談をうけるだけになっています。日本にいる外国人の大半は働いていますから、平日の日中しかなければそれらの機関を利用することが難しくなってしまいます。やはり365日24時間相談が受けられる窓口が必要に思いますし、定期的に外国人向けの日本の生活文化や常識を教える講座を開く必要があると思うのです。

 またもう一つの観点として、日本人の生活環境に外国人が移ってきた場合に、住民はどのような配慮をすべきかを学べる機会は少ないことも問題と思います。それぞれの国ではどのような文化や常識があり、それを念頭に置いて外国人と接するために住民がどのような注意や配慮をはらい具体的な行動を行うべきか、それらを学ぶことは大切と思うのです。悪意をもって生活や行動する外国人もいないわけではないでしょうが、その大半は善意で社会に受け入れられようと努力しているはずです。となると彼らへの接し方を知り、社会への受け入れ方を教えてあげられる日本人も増やす必要があると思うのです。たとえばそれぞれの地域で異文化コミュニティセンターなどを設立し、そこで世間話も含めて外国人と交流できたり、それぞれの国の料理や習慣を通していろいろな国の文化や生活習慣を知ることができれば、住民にも移り住む外国人にも有用なはずです。

 爆弾テロは許されざる犯罪ですし、いかなる理由があろうとも人間や財産に不当な危害を加えることは何人にも許されません。しかしそれらの発生原因が我々日本人にもあるのであれば、その原因を明らかにしそれらを防ぐ手段を講じていくことが、ボストンような不幸な事件を防ぐ良策と私には思えるのです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・Wi-Fi経済圏 身近に 過程・地下鉄・商店街・・・70万カ所 サービス、一段と多様化
・歯の神経再生 臨床研究開始 国立長寿医療センター 虫歯再発防ぐ
・フィリピン社員、アジア進出狙う 外国人を職人に
・「ガラパゴス化」ミッキー躍動 ディスニー30周年 日本流に味付け 9割リピーター
・中国ネット世論 ゆきどけ 「日本に関心」上向く 百度 クチコミ可視化で判明
・CT画像データ 医師同士で共有 テクマトリックス 独自暗号化で送受信
・iPadで手術説明 安曇野赤十字病院
・買収ダントツ男に試練 孫ソフトバンク社長 スプリント巡りディッシュが対抗案
・スマートTV、三つどもえ CATV・固定電話各社・携帯電話各社 使い勝手で顧客囲い込み
・IT大手、コンサル手厚く EMC:企業の海外進出支援 日立:1ヶ月かけ課題抽出 ニーズ見極め提案力磨く
・LED光 効率照射 バイブリッド型植物工場 成長を促す波長を自動で
・骨粗しょう症 10秒で推定 朝日レントゲン 歯科向けソフト販売
・日の丸カメラ 世界を監視 高まるテロ脅威 パナソニック・ソニーキャノン 中国でも需要高まる
・センサー不可 危険予測 斜面防災工法 日鉄住金建材 早期避難、可能に
・元湯陣屋 宿泊客情報クラウド化 従業員、携帯端末で共有
・医療IT、国際共同開発 GEヘルスケア 各国のニーズ、迅速に製品化

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。