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Weekly report
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 September Fourth week

  9月の連休が終わりました。敬老の日の連休は、各地に大きな被害を残した台風18号の影響で行楽地はふるいませんでした。しかし秋分の日の連休は好天に恵まれ、各地の観光地に多くの客が訪れたようです。

 私もこの連休は、熱川の海潜亭で過ごしておりました。金曜日の夕刻自宅を出発し、いつものように東名高速の厚木インターから小田原厚木道にのり、伊豆に向かいます。この小田原厚木道ですが、神奈川県西部から小田原に抜けますので、途中の起伏が結構激しい道です。したがって一定の速度で走っていても、下り坂になると速度は上がってしまいますし、上り坂になると下がってしまいます。したがって上り坂では意識してアクセルを踏まないとすぐに減速しますので、流れに滞りが起きます。小田原厚木道の交通量は通常は少ないため渋滞になりませんが、それでも交通量が増える連休などは、これが渋滞の原因を作っています。

 事実東名高速の大和トンネル付近が、もっとも有名な例です。東京方面に向かって大和トンネルがあるのですが、それまでが緩い下り坂のため大和トンネル付近が上り坂になっていることに気づきにくいようです。またトンネルがあると心理的に速度を緩めてしまうため、走行している車の流れが自然と遅くなります。これが交通量の多いときに渋滞の原因となるようで、大和トンネルは渋滞の名所になっています。現在はそれを少しでも解消できるように、トンネルの入り口付近に「加速せよ」という高速道路では珍しい電光掲示板がありますが、それでも頻繁に渋滞は発生します。

 小田原厚木道といい東名高速道路といい、両者とも首都圏から中部関西方面、伊豆方面への基幹道路です。観光時期や帰省時期にはかならず交通量が増える道であるからこそ、こういった渋滞を解消することが急務です。しかしその渋滞が人間の心理によって引き起こされるものであるのならば、抜本的な解決は難しいことも間違いありません。なぜなら心理的な減速を回避するためには、道のアップダウンをなくすか、交通量を渋滞が発生しない程度に減らすかという方法しかありませんし、両者とも高速道路の構造的な大変更が必要になるからです。となると、この心理的な原因による渋滞を、ITがフォローできないのかということになります。

 数十年ほど前から、一部の車には「オートクルーズ」という装置がついています。これは設定した速度でアクセルを離しても車が走り続ける装置であり、アメリカのレンタカーにはほぼこの装置が搭載されています。アメリカのように国土が広いところで運転をしていると数十キロに渡る直線路が続くこともありますし、こういった場所でアクセルを一定の速度に踏み続けていることは難しいためこのような装置が必要となります。過減速をしたいときは再度アクセルやブレーキを踏むだけでこの装置は解除されますので、非常に簡単なしくみといえます。ただし設定速度を法定速度より高くすることができたり、機械的な装置であるため過減速が人間の感覚とは異なる方法で行われるなどの問題があり、日本ではあまり普及しませんでした。

 しかし現在はアクティブクルーズコントロールといった新しい仕組みも開発されています。これは前方の車両と同一の速度を保って自動走行してくれる仕組みであり、前方車両との間隔も自動的にとってくれます。もちろん一定速度で車を走らせることもできますので、道のアップダウンによる減速の問題も解決できます。さらに割り込みなどがあっても自動的に減速をしてくれますので、人間の操作ミスや運転疲労を解決してくれるよい仕組みといえます。しかしこういった装置を搭載した車があっても、それ以上に搭載していない車の方が多いとやはり問題の解決が図れません。

 やがて世の中の自動車がハイブリッド化・EV化していくことは間違いないと思います。しかしながらエコディーゼルといった、これまでのエンジンの性能を上げることで環境負荷を下げる仕組みも当面はなくなりません。となると、ハイブリッド車・EV車のみならずこれから発売するすべての車にこういった装置を標準搭載すべきと考えますし、それが構造的な渋滞のような問題を解決する一助となります。そしてそれが今後開発されていく自動走行車を増やして交通事故を激減させるための一種の施策となると私は考えています。仮に東京二十三区を走る車を中心にこれが進めば、7年後には半数以上の車両がこういった仕組みを搭載しているでしょうし、それは世界に発信できる未来の姿を示します。タクシーの扉が自動で開く以上の訴求力があると思いますし、日本の技術力や平和な交通戦争の解決方法を示すきっかけになると思われます。

 もちろんすべての車が新車に転換されるためには相当な年数がかかりますし、一部のマニアのように旧車やクラッシックカーが好きという人もいるはずです。そういった車の所有や走行を認めないというのは問題がありますし、かといってそれらの車を原因とした渋滞や事故が起きることは望ましくありません。だからこそ自動車メーカーが一丸となって、こういった車種にも後付けできる装置を考える必要がありますし、小型化を図っていかなければなりません。同時にこういった車の所有者には、特別な免許を発行することで、こういう問題を起こさない運転技術を保証するなどの方法をとるなど、ハードとソフトの両面から物事を考えていく必要があります。

 新しい時代は、自然と作り上げられる時代は終わったように思います。統制のない発展は、問題や障害を引き起こしやすいからです。となると、すべての人間が納得いくような未来を描き、多くの人間がそれらを検討し、正しい統制の中で技術を発達させていくべきと思いますし、これが新たな時代の公害や社会問題を少しでも減らす具体策になるように私には思えます。
 
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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・新型iPhone予約開始 価格決定瀬戸際の神経戦
・無線識別タグ 生産能力2.5倍 富士通フロンテック 病院や流通点に用途拡大
・中国 土地高額落札相次ぐ 上海の一等地3550億円 新鴻基など最高水準
・卸売市場にクラウド JEFエンジ 出荷者・小売業者も接続 受注や支払い支援 低コスト運営狙う
・スマホがプリペイドに ドコモとビザ 番号入力のみで決済
・M2M市場拡大、車関連牽引 盗難対策やエンタメ用途
・特許は形なってこそ ホンダ・GM、燃料電池車で提携 信頼はぐくみシナジー追求
・SEGAに11月事業譲渡 再生法適用のインデックス
・カンボジアでIT企業 JCグループ 日本語のアプリ開発
・ショック時、鼻から投与 食物アレルギー治療薬 新日本科学 動物で効果確認
・譲れぬ「プラチナ20枠」 羽田国際線の争奪戦 日航:均等配分を ANA:格差是正を
・大手3社、使い勝手競う 個人向けセキュリティソフト スマホ・SNS安全に
・英に新データセンター NTTコム 230億円投じ能力2.5倍
・アルツハイマー病で光明 発症押さえる遺伝子の研究を
・完成前のマンション体験 伊藤忠都市開発 風景とCG合成
・ゲーム機の父逝く 任天堂 山内氏死去 ファミコン 家庭市場創出

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。