今週も多忙のため、ちょっとした雑感だけになります。といいつつも初期のこのページを見ると、20行ほどの内容も多いため、いつのまにかやり過ぎてしまったのかもしれない、という気持ちもあるのですが...
さてすったもんだの衆議院の採決を経て、正式に特定秘密保護法案が可決されました。拙速な議論と稚拙な内容で批判されたこの法案も、来年度いよいよ施行される模様です。この法案に関する賛否の意見は、さまざまなネット上で主張されていますが、今ひとつ内容的に理解しにくい側面は否めません。一番理解しやすかったのは日本弁護士連合会のホームページ上のPDF冊子でしたので、お好きな方はご一読いただければと思います。
今回の件が恐ろしい思うのは、その法案の成り立ちです。もともとこの法律は、安全保障体制や防衛について米国と交渉する場合、米国側の機密が日本を経由してもれることを防ぐために考えられたもののようです。したがって防衛等に関する機密に携わる国家公務員を規制する、という考え方が基本になります。しかしその対象は国家公務員だけでなくその家族や関連する報道関係者、研究者などすべてのとなる点が、今回非常に危惧されている部分のようです。さらにどうも公安警察が、テロリズムを名目に国民の監視をよりしやすくする、という観点も付け加わってしまったため、法律そのものの拡大解釈が為される危険性が高まってしまったようです。もともとこの法案のもとを作ったのが政権を握っていた民主党であり、今回の自民党案に関する反対についても余り説得力は感じません。
両党とも国を運営する側に都合のよい仕組みを作ったということになるのでしょうし、国民の民意を発揮しにくくしたという点は非常に大きな問題を残したように思えます。
単純にいえば、防衛やテロに関する国の情報が漏れたとされれば、それを漏らした、あるいはそれを知った国民を拘束できることになりますので、国家の国民統制を行うことが可能になります。国民のためにならない国の情報も一切開示できなくなりますし、国民の知る権利は大幅に制限されます。国が意図的に隠そうとする都合の悪い情報を探ろうとすれば、テロと判断され拘束されてしまう可能性もあるのです。
国や企業のように、小さい個人の集まると集団が生まれ、そこに権力が生まれます。一人一人がそれぞれの正義と善意を持って生きていても、公約数を求める行動が行われるなかで権力が行使され、誰かの正義を守るために他の人間の正義を踏みにじる結果につながります。今回の法律の可決が、一部の権力者の正義に基づいたものでないことを祈りますし、その権力者の不正や悪事の隠蔽にそれらが使われないことを心から願わずにはいられません。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
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今週は、どんな一週間なのでしょうか。