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 December Third week

 多忙という言葉を使いすぎるほど、どうしてこうも忙しいのか分かりませんが、とりあえず今週も雑感のみです。とはいっても肝心のネタを探す暇すらないため、とりあえず気になったことを記します。

 先日行われた南アフリカのマンデラ元大統領の追悼式典で、でたらめな手話を行う手話通訳者が話題になっていました。肝心の式典よりもそちらにフォーカスが当たってしまったことは非常に残念ですが、なんとも奇妙な事件でした。その手話通訳者ですが、過去のいくつかのイベントでも、公衆のまえで手話通訳をしていたようです。そのでたらめさになぜ今回の式典まで気づかれなかったのかが、私の最大の関心事です。

 一つの仮説として、これまでのすべてのイベントでろう者が一人もおらず、テレビ放映等もなかったというものです。しかしそれが事実とすると、イベントに手話通訳者を呼ぶ必要がありませんので、これは考えにくいでしょう。また事実いくつかの映像から見るとテレビ放送もあったようですので、ろう者の誰一人としてそれらをみなかったとは考えられません。

 もう一つの仮説は、おかしいと思っていても、自分の習った手話と違うと思ってしまったというものです。調べてみると、世界にはさまざまな手話があり、英語を話すアメリカとイギリスでも手話は違うなど、それぞれのエリアで独自の発展を遂げているようです。もちろん日本も日本式手話であり、他の手話とは異なる部分も多いようです。しかしおそらく南アフリカで普及している主流の手話があるはずですし、それと同じか違うかは事前にチェックできるはずです。となると、今回の手話通訳者がどのような手話を使っていたのか、誰もチェックしなかったのかという疑問がわきます。

 南アフリカがチェックをしなかっただけ、というその国の管理レベルで片付けることは簡単なのですが、実は我々も気をつけなければならない一つのテーマと私には思えます。なぜならば、マイナーな言語の通訳者が、果たして本当にその通訳対象の国の言語を話せるかを、どうやって調べるか、ということになるからです。今後を考えてみますと、世界の人々が集まるオリンピックが、2020年に開催されます。参加選手の中には、アフリカの小国やアジアの辺境民族の方もいると思われます。すべて英語で、というのはやはり乱暴ですし、フランス語やスペイン語など、植民地時代の名残を押しつけそれらの表記のみ、というのも問題があるでしょう。となると、そういった小国や辺境民族の方でも、快適に日本で滞在してもらうために通訳が必要となります。しかしそのチェックを、どのように行うのか、これはまさに我々が解決すべき課題のように思われます。

 小国や辺境国だけで通じる言葉を通訳できる方は、ボランティアでもそれほどは多くないと思われます。その方同士がチェックできればよいのですが、必ずしもそれが十分に出来ない可能性もあります。それぞれの大使館員に確認することも一つですが、すべての通訳者と面接できるかは時間と労力の問題があるかもしれません。さらにそれぞれの国の手話通訳者も、と考えると、どうやったらすべてのチェックができるか、周到に考える必要があるかもしれません。しかしこうやって何らかの方法をとらない限り、我々も世界に向けてでたらめな通訳者を採用してしまう可能性があるのです。

 これらの解決のためには、やはりITが決め手のように思われます。それぞれの国の言語を通訳できるSiriのようなものでもよいですし、書いた文字をカメラで認識し日本語に置き換えるソフトウェアでも良いと思われます。もちろんスカイプなどで母国の通訳者と経由したコミュニケーションもあるでしょう。

 このように今回の手話通訳者問題を他山の石とすることなく、我々自身の問題と考える必要が生じています。もしそれを実現できれば、これもまた非常に大きなビジネスチャンスとなることを、我々ITエンジニアは気づかなければなりません。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・産学連携し新事業創出 ソニーの仙台テクノロジーセンター 技術交流会など 地域と一体で
・発行・決済 クラウド管理 プリペイドカード TIS 流通業向け支援業務
・スマホゲーム 内製化で攻勢 カプコン、開発体制再編急ぐ 大阪に新拠点/年100人増員
・「空の暴れん坊」天下取り アメリカン・USエア合併 「小が大を飲む」連発
・車の空調・照明 視線で調査 スウェーデンのトビー フロントガラスに画面
・損保ジャパンに導入 日立、仮想PC1万5000台 端末側にデータ残さず
・全日空にクラウド提供 NTTコム 社内電話システム
・教育と教材づくり同時進行 ミネベアの大森工場
・遺伝子検査が波紋 グーグル流 米当局待った 自在に新事業 医療は壁高く
・災害時に車載型電話局 NTT研究所 通信、素早く確保
・電子黒板でグループ学習 パイオニア 大学向けにシステム タブレットより導入コスト安く
・脳の血流 3次元化 東京理大など、ソフト開発 動脈瘤の破損 予測
・デル、携帯サービスに軸足 クラウド管理やデータ保護 M&A、事業取り込み
・スマホへの攻撃拡大 ネット銀 利用者の被害 標的型の手口悪質化
・蓄積データから不正検知 SAPジャパン、新ソフト 架空請求などには警告
・ホンダ、軽量技術磨く 欧米など環境規制控え 燃費・走り「らしさ」両立
・世界見据えた技術 エコプロダクツ2013 エコカー インフラ開発競う

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。