Onomura System Consulting Office       

osco top


Weekly report
next

back

 

 

 

 

osco top

 January Fourth week

 先日久しぶりに、水道橋での仕事がありました。昨年の4月以来ですから約9ヶ月ぶりの水道橋となりましたが、その間の街の変貌ぶりに愕然としてしまいました。

 まずは長年通っていた三崎町のスターバックスが、閉店してしまったことに驚かされました。このスターバックスができたのは10年以上前だったと思いますが、仕事に向かう前にここに立ち寄り、準備をしながら新聞を読むのが私の日課になっていました。だいたいは朝に通っていましたが、仕事に向かうビジネスマンや会計専門学校に通う生徒などで結構繁盛していました。しかしながら昨年の5月に、突然閉店してしまったようです。閉店の理由はわかりませんが、仕事前の準備に必要な空間であったため、代わりの店探しが必要となりました。仕事先へは半蔵門線の九段から歩いているため、九段下のスターバックスも考えました。しかし九段下のスターバックスはいつも込んでおり、朝は席が一席も空いていないこともよくあるので、ネットで三崎町付近の喫茶店を調べてみました。すると閉店したスターバックスの後に、新しい喫茶店が入っていることに気づきました。その喫茶店の開店時刻も8時とあったため、その日はそこを利用するつもりでいつものように8時過ぎに現地に向かいました。ところが店に着いてみるとどうやらネットの情報が間違っていたようであり、開店時刻が9時からとなっていました。寒空の下呆然としながらも、代わりの喫茶店を探すため付近を歩き回ってみました。

 三崎町は神保町と近く、大学も数多くある街です。したがって昔から中小の印刷屋や古本屋などがたくさんあり、それを取り巻くように古い喫茶店も数多くありました。ところが付近を歩いてみると、それらの中小企業がなくなっており、空き地や空きオフィス、空き店舗になっていました。よくよく観察すると、小さなビルの2階以上には数多くの「貸店舗」「貸しオフィス」の表示があり、街中ががらんとした印象になっていました。そのせいか古くからあった喫茶店もなくなっており、昔ながらの個人営業の飲食店も数が激減してしまったようでした。この町で新しくなっているのは大学の校舎ばかりであり、数多くある日大の建物が、すべてきれいに立て直されていました。東京歯科大学も、水道橋の駅前に新しい校舎が建設し、就活の学生が数多く見られました。逆にこの界隈で権勢を誇ったTACなど資格学校の校舎が減っており、街そのものの様相がかなり変わっていました。

 こうやって見直してみると、駅付近の店はラーメン屋やチェーンの牛丼屋などが多く、どうも学生相手のチェーンビジネスが大半になっているようです。この街にかつてあった大手企業が移転してしまい、サラリーマンや中小企業の従業員などの絶対数が激減してしまったようです。そのため彼らを相手にしていた飲食店も、軒並み撤退を始めてしまったように感じられました。たしかにサラリーマン相手であれば800円前後の食事でも客は入るでしょうが、学生相手ですと800円は高くビジネスが成り立たないのでしょう。スターバックスもこの影響を受けて客数が減り、結果として閉店せざるを得なかったというのが事実のようです。仕事先の一階にあったランチ食べ放題の店も、昨年末で閉店したとのことですから、やはりサラリーマン相手のビジネスがふるわないのでしょう。

 逆に大学は、現在郊外から都心への回帰が始まっています。少子化と大学増加の影響で、各大学の経営は非常に難しくなっています。そのためバブル期など地価が高騰したときに郊外に脱出した大学は、交通の便利な都内の校舎を高層に建て直して学生を呼び戻そうとしているようです。先日報道がありましたが、青山学院も青山から厚木、淵野辺と移転を重ねた上で、今年から文化系学生を完全に青山に戻すようです。水道橋もこれからますます学生の街と化していくのでしょうし、結果としてますます企業の移転が増え飲食店の様相も変わっていくのでしょう。

 その日の昼ご飯は、やはり10年以上通っている古くから創業しているそば屋に向かいました。昔はランチ時は外にまで人が並んでいましたが、やはりサラリーマンの客は少なく昼過ぎでも閑散とした状況でした。さらにそば屋の名物おばあちゃんも昨年で引退されたようで、すっかり活気のなくなった店に変貌していました。こうして水道橋界隈も昔ながらの店がなくなり、どこにでもあるチェーン店だけの街になる日も遠くないように思われましたし、これが日本中で進んでいる街の変化と思うと気が重くなりました。定番のたぬきそばをすする自分も時代に取り残された一人のように感じ、いまさらながら無駄に歳を重ねた自分に気づかされました。

=======================================

 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・キンドルを企業に アマゾン、積極販売 iPadより安い/アンドロイドより安全
・期間短縮しのぎ NTTデータは30年に8割短く 企業に変革迫る
・ネット講義 学び豊かに 米国初「MOOC」広がる 学生・教員、それぞれ利点
・漂流「岩田任天堂」 今期売上高3300億円下方修正 Wii U不振 社長公約守れず
・大量データ一括処理 サーバー束ねたクラウド 大量データ一括処理 CTCがツール
・アプリで衝動買い促す Origami 伊勢丹などで500社出店
・介護24時間いつでも対応 ボタン一つで悩み相談 看護師など人材確保課題
・ウエアラブル ナイキ疾走 まるでIT企業 ソニーと陣取り合戦
・ゲーム開発新ステージ ネットから資金 4億円調達 VB創業者に聞く
・タクシー共同配車アプリ 東京の6無線グループ 地図で場所指定→迎えに
・ネットの主役 今は昔 ビッグローブ NEC、ファンドに売却へ 合従連衡
・IBM、ハードウェア不振深刻 10〜12月、事業売上高26%減 構造転換道半ば
・3Dプリンター安さで攻勢 砂糖やチョコ 素材も多様化進む
・IBMの低価格サーバ事業 レノボ、2,400億円で買収
・国内ビッグデータ市場 17年まで年37%成長
・東急ハンズ、販売員をプログラマーに 現場の要望、柔軟に対応
・書籍売上高1.4%減 国内昨年 4年連続前年割れ
・静銀ショック 陰る富士通 勘定系システム、日立が受注 自前主義の限界露呈

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。