三月最後のWeekly
Reportです。このところ本当に毎日が早く、あっという間に一週間がたってしまいます。一週間の間に頃合いのよいネタが見つかればよいのですが、このところいろいろと忙しく、このページを作成するネタ探しに一苦労しています。
先週は風邪による微熱が続き、体力を消耗したまま一週間を過ごしました。この週末は熱川で過ごしていますが、この地はアップダウンが激しいので、足腰に相当な負担がかかります。家の玄関に入るのにも通常の家の3階分ほど階段を上がらざるを得ませんし、家の中も三階建てですので結構アップダウンがあります。そんなこんなで体力が戻らないまま、来週の出張を迎えそうです。
この三連休ですがやっと春めいた良い日々が続いたので、各地の行楽地は数多くの観光客が訪れたと思います。熱川界隈も多くの車を見かけましたが、このシーズンになるとバイクの数が増えます。グループによるツーリングが多いのか、大型のバイクが複数台で走っているのをよく見かけます。ここでは街中のようなスクータータイプは少なく、海外のロードバイクやハーレーなどのアメリカンタイプが多く、爆音を立てて走っています。喫茶店や観光名所の駐車場にはそれらのバイクが止まっていますが、そこでヘルメットを脱いだライダーの年齢はおそらく40代以上であり、バイクの世界も相当な高齢化が進んでいることを感じます。
私自身も元ライダーですが、今から30年ほど前は結構なバイクブームであり、若者は自動車免許より先にバイク免許を取ることが一般的でした。当時は教習所で取得できるのは中型バイクまでであり、大型バイクに乗るための限定解除試験は、平均合格回数が15回程度と非常に狭き門でした。雨の日は滑り、夏は暑く、冬は体の芯まで冷えてしまう乗り物ですし、事故率は高く危険な乗り物とされていました。ツーリングに行くとしても、高速道路は一人乗りしかできませんし、荷物もそれほど積むことはできません。今のようにETCもないですから、もらった高速のチケットを飛ばさないような工夫も必要でしたし、寒さに悴んだ指で苦労して小銭を出す必要もあり、本当にいろいろと面倒が絶えない乗り物でした。それでも車では味わえない爽快感がありましたし、馬のような一体感を感じられる乗り物でありました。
しかし年々ライダーの人口は減り続け、バイク業界もその市場を拡大するためにさまざまな努力をしています。たとえば免許制度を変更させ、大型バイクも教習所で免許が取れるようになりました。高速道路の二人乗りも認められましたし、環境に優しいバイクも次々登場しています。このような努力にもかかわらず、バイク人口は相変わらず増えることなく、ライダーの高齢化も年々進んでしまっているようです。
現在の大型バイクは、100万円前後するなど簡単には手に入れにくいものになったのは事実です。海外製のバイクですと、200〜300万円というものもざらですし、中古でも相当な値段がします。盗難防止のために車庫も必要ですし、保険もそれなりに高額になります。大人の趣味としてはよいのですが、若者の趣味としては手を出しにくくなってしまっているのは、残念なことかもしれません。
しかしなにより心配するのは、若者自身がこういったものを通して冒険心を満足させることがなくなった、ということなのかもしれません。実際に乗らなくてもそれ以上の刺激がネットの上にあふれているでしょうし、暑さ寒さを我慢しなくても、もっと楽しいことを携帯やスマホが届けてくれます。バイクに乗って孤独を楽しむより、多くの友達とつながりを確認する方が、ずっと今の若者風の楽しさなのだと思います。それでも元ライダーとしては、その風潮を素直に納得できない気持ちが残ります。
バイクに乗って初めて感じたのは、空気の存在です。普段感じることもない空気の温度の違いを、バイクではものすごく敏感に感じることができます。日だまりから少し日陰に入るだけで、空気はものすごく冷たくなります。山のカーブでもちょっと日が入らないだけで、夏でも氷のように冷たい空気を感じます。夕立の前の重たい空気は独特ですし、秋の枯れ葉のにおいや草むらの青臭い匂いも、バイクだからこそ感じられるもののように思うのです。爆音を立ててスピードを出し、ふとエンジンを止めて休憩するときの静けさやエンジンの熱が冷めていくときに発せられるチリチリという金属音、静けさの中の風の音など、この歳になってもそのときの体験を思い出すことがたくさんあります。
こういったさまざまな環境やその変化を感じられるのは、バイクに乗っていたからのように思います。そういった経験を経ずに、誰かが記録した画像で疑似体験している若者が数多く増えているのは事実ですし、それが我々の社会に何をもたらすことになり、逆に何を失うことになるかを、我々は一度真剣に考える必要があるのかもしれません。人間が五感を磨いて体験してきたことが、視聴覚だけですむことが何を生み出し何を失うのか、我々にとって非常に大きなテーマとなる可能性はあると私は感じています。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・オープンデータ活用に壁 顔認証実験、大阪で延期 プライバシー懸念の声
・念じて危機動かす ATR 脳波など解析「1秒以内」めざす 脳の構造、データベース化
・理研ショック 起業翻弄 「STAP」騒動広がる波紋 バイオ、株価が乱高下
・1j=77円でも稼ぐ マツダお膝元 広島圏で「革新」 次は海外、足りぬ人材
・世界でシステム集約 コスト削減に当面注力 IT技術者に変革迫る
・JR東日本アプリ 駅の便利情報 構内図や電車遅れなど
・STAP細胞の真偽 山中氏巻き込み検証を
・抗インフル薬 吸引型が台頭 第一三共「イナビル」投与は一回
・ニコン 中国で油断 「D600」販売停止命令 ソニー追い上げ ブランドに影
・テレビドラマ スマホと連動 TBSなど、まずホラー 音や映像を体幹 生視聴促す
・「新たなグーグル」続々と 価値・コスト両立課題 通信・システム各社が校正
・スイカに不正アクセス 交換サイト一時停止
・システム刷新で協業 新日鉄住金ソリュなど 投資活発化見込む
・目の難病治療 適応拡大 iPS活用の開発 加齢黄斑以外も 注射向け製品視野
・ベテランの技、細部まで 三菱重工の技能教育DVD
・燃料電池車 住宅などの電源に ホンダ 普及狙い付加価値
・脱アップル依存 鴻海3本の矢 成長モデルに陰り 新規事業に技術者1.5万人
・ゲーム開発支援 活発 グーグルやアマゾン相次ぎ発表 費用低減や顧客分析
・グーグルがウエアラブル向けOS まず腕時計型登場へ
・国内サーバ、シェア争いし烈 富士通・NEC脅かす「新顔」
・教育現場 ITで変革 ゼッタリンクス 教材・ソフトウェアに先端技術
・つまずくSTAP細胞 14年度予算での支援 幻に
・市販品使用、券面に遊び心 ピーチ・アビエーション 最速5秒の自動チェックイン機
・日の丸ファンド 5年で初白星 革新機構 1600億円回収 ジャパンディスプレイ上場
今週は、どんな一週間なのでしょうか。