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Weekly report
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 April Fifth week

 ゴールデンウィークが始まりました。

 今年のゴールデンウィークは休日・祭日の並びが今ひとつのようで、一般に連続した休みが取りにくいようです。11連休を取るためには4日間の有給休暇を取る必要がありますし、28日を有給休暇にしても、仕事を3日はさんで4日づつの休暇になってしまいます。4日ですと海外旅行は難しいでしょうし、11連休をとるために4日間の休暇を取ることは、決算作業中の企業では至難の業かもしれません。

 実際に今年の旅行者数は3年ぶりに3.8%減と前年割れになるようですし、海外旅行者は11.4%減となったようです。この週末は私も熱川におりましたが、29日の帰宅渋滞を警戒して28日夕刻に神奈川に戻りました。 夕刻は東名高速が渋滞予定だったために、夕刻遅めに熱川を出発しのたのですが、予想に反して道はがらがらであり、いつもの週末より30分〜1時間ほど早く自宅に戻ることが出来ました。熱川の別荘内も例年に比べて車が少なかったように感じますし、近隣での渋滞も4月の週末にはほぼ発生しませんでした。

 もちろんこれは日程だけの問題だけでなく、他の理由も考えられます。たとえば消費税の増税は、旅行の出費を制約する条件となり得るでしょう。一泊1万円の旅行としても、家族四人の交通費をあわせると5〜6万円の出費は免れないと思います。今回の消費税アップによって負担は1500円以上高まるわけですから、旅行期間の短縮や取りやめが発生する可能性は高いでしょう。さらにガソリン代の高騰を考えると、自家用車での旅行も難しくなります。最近ではセルフでも160円前後ですから、観光地への行き帰りだけでも相当な負担になってしまいます。好景気で財布のヒモが緩んでも、この物価高の状況では支出にまわらない可能性のほうが高いように思います。

 昨年の政権交代後、為替も80円前後から100円を超える結果となるように、経済状況が好転してきたことは間違いありません。事実情報化投資も数多く動き出したように感じますし、ネットの上の商品価格も上がってきたように思われます。新聞やニュースでも経済が復活の予兆を見せていることを喧伝しますし、事実仕事は全般に忙しくなったのかもしれません。しかし考えようによっては、この状況は非常に危険に思われてきます。

 景気回復の一つの目的は、内需の拡大のはずです。旺盛な購買意欲を高め、国民全体に消費性向を高めてもらい、景気の循環を図ろうとするのです。それによってモノが売れ、企業の収益に貢献することができるからです。企業の収益が上がれば働いている人間の賃金を押し上げ、その収入増はさらなる消費性向を強めるといった景気の好循環を期待します。しかしその反面モノが積極的に売れると、その価格は上昇していきます。となると、収入が増えても購入すべきモノの価格のほうが上昇する可能性があり、結果として消費性向は冷えていってしまいます。結果として国内でモノが売れなくなり、生産されたモノは輸出に頼るようになり、貿易黒字が増えていきます。しかし輸出によって経済そのもののが活性であれば国債や日本の通貨の価値は高まりますから、為替のレートが高まり再び円高が始まります。円高は海外から多くのモノを買えるようになることを意味しますが、反面日本から輸出するモノは高くなって急速に売れなくなり、今度は貿易赤字のほうが多くなって行ってしまいます。

 どうもこのところの日本を考えると、こちらの動きが強まっていることに気づくことが多くなっています。つまり円高の影響でモノが海外で売れにくくなっていますので輸出が地位を失い、貿易赤字が急速に増えています。さらに経済が活況で多少の内需はありますから、モノの価格が上昇しやすくなっています。しかしその速度に比べ賃金の上昇は遅れてきますので、今大企業が多少の賃上げを行っても本当はすぐに効果が失われます。となると、それに気づいた国民はモノの購入を控えて貯蓄に回しますので、結局内需が低迷します。とはいっても日本の製品が海外で売れるようになるほど品質を高めたり価格を下げることは難しいですから、さらに日本は苦しくなります。製造業は活路を求めて世界に流出しますので、統計の売上だけ増えて日本そのものから働きが流出します。結果として、日本そのものの産業が衰退して行ってしまいます。

 消費税を10%にするまでは、国はこのやり方を変えないでしょうし、国民が極力この事実をしることができないようマスコミを操作するでしょう。しかし結果としていよいよ逃げ道のない日本をつくることが、本当に日本にとって望ましいことなのか私には疑問が相当に残ります。10%の消費税でも一人でも多くの人間が豊かに過ごせるような方法を、我々自身が考えていく必要があると思っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・都合により、近日更新いたします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。