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 May Second week

 初夏と思えるような日々が続きます。

 ゴールデンウィークを境に、いよいよ夏の始まりを感じるような日々が始まっています。東京の最高気温も25度をこえるような夏日が始まりましたし、これから半年ほど、またもや暑い日々を送らざるを得ないのかもしれません。とはいえ今年はスーパークールビズが始まり、多くの企業が5月からクールビズを導入しているようです。通勤時にネクタイをしていないビジネスマンの姿を多く見るようになりましたし、これも時代の変化のように感じています。

 当然のことながらスーツが導入されたのは 明治以降のことですし、多くの人々がスーツを着るようになったのは戦後のことです。この60年続いた習慣がしごく当たり前になったことは理解できるのですが、世の中の変化の中でこれだけある意味時代から遅れた衣類を着続けるのはなぜなのか非常に疑問がわきます。欧米諸国がそうであるから、というのも理解できないわけではないのですが、それでもこれだけ地球温暖化や平均気温の上昇が叫ばれているのですから、あらゆる観点からこの服のあり方をもう少し考えるべき時期に来ているきがしてなりません。

 西欧の洋服の歴史は、貴族の歴史だったように思います。現代のスーツの起源は16世紀に遡るようですが、今の形なったのは今から100年ほど前のはずです。それが未だにこの形で続いていること自身不思議と思いますし、なぜ変わらなかったのか疑問がわくところではあります。とはいえ欧米の企業でスーツを着用する義務がないところは非常に多いように思いますし、ここまでスーツが過適合したのは日本だけのような気がしてなりません。歴史的に検証されているわけではないのですが、この背景には学生服の文化があるように個人的には思われるのです。

 詰め襟の学生服は、大正時代に普及したようです。それまでの着物から文化的で動きやすい服装として学生に導入され、大学生を中心に普及が進んだようです。昭和に入り戦争を背景に国民服がこれに取って代わられ、すべての学生がこの服を着用するようになりました。戦後は物資不足から統一されなかったようですが、当然戦争色を払拭する意味で学生服が復活し、それが学校の標準となっていったようです。それでも昭和30年代頃から大学生の学生服が徐々に廃止され、中学・高校でのみ標準となっていきました。学校としてはある意味管理しやすい服装ですので学生服を廃止する理由はありません。形をブレザーなどに変更する学校はあっても全面廃止にならないのは、やはり統一した服装のほうが学生のコントロールがしやすいという側面があるのでしょう。

 世界には大半の中学生・高校生が同じような服装をする国は多くはありませんので、日本の学生服文化はある意味特殊のように思います。ときたま外国人から聞かれるとおり、「日本にはどうしてこんなにホテルのボーイが多いのか?」と取られるぐらい、日本の学生服はある意味例外的な習慣のように思われます。

 ただこの学生服の文化が企業内にも取り込まれ、スーツの文化が残ってしまっているように私には思えるのです。企業側として従業員の服装を管理する上では、スーツは非常に便利と言えます。新入社員やリクルート中の学生が一目で分かるように、企業側が暗黙のうちに管理しやすいスーツを残したがっているように私には思えます。実際新人研修では、未だにスーツを着用させますし、ネクタイの締め方や色柄を細かく指定したり、クールビズも認めない、という企業が多いのも事実です。女性は数ヶ月でスーツを着なくなることが多いようですが、結果的に男性はそのままスーツを着続け、それが未だに続いてしまっているように思えるのです。クールビズという習慣が生まれるまでは、30度を超える夏でもネクタイを必須とするぐらい、不合理な習慣が未だに続いてしまっているのです。

 しかしこれは、ある意味思考停止の象徴のように、私には思えてしまいます。ベンチャー企業や大手のネット企業などでは、当たり前の事として服装は自由です。仕事や創造性の発揮にふさわしい格好をすれば良いのですから、スーツである必要性がないからです。Tシャツ&ジーンズは当たり前ですし、夏であればショートパンツ&サンダルの人間も普通に見かけます。かといって彼らが正式の場でプレゼンテーションをする時は、ネクタイはなくともスラックスははきますし、襟のあるシャツやポロシャツを着用することは間違いありません。すなわちTPOにあった格好をすれば良いのですし、TPOを判断するのは大人としての自分のはずです。

 日本が世界でプレゼンスを発揮できないのも、意外とこういった思考停止習慣が原因のように思えることが少なくありません。すべての企業がもう一度その目的を見直し、それぞれの仕事にあった服装を導入することが、日本が大きく変わる一つのきっかけになると思われますし、その中で思考停止のおじさんたちがもう一度常識を見直すことが、日本人のあり方を変えるきっかけになるように、私は感じています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・都合により、近日更新いたします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。