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 May Third week

 先日眼鏡店の「JINS」が、画期的な製品を発表しました。製品の名前は、「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」。画期的なメガネフレームであり、ウェアラブルコンピューティングのデバイスとしての機能を持っています。

 Googleグラスと違い、JINS MEME(ジンズ・ミーム)は画面を表示するデバイスではなく、視点やゆれを測定するデバイスです。眼鏡フレームの中に眼電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーなどを搭載し、視点やあたまのゆれを感知します。フレームにはBluetoothをバッテリーを搭載しており、連続で8時間ほどさまざまなBluetooth搭載デバイスへ捕捉した情報を送ることが出来ます。このデバイスを利用すると、目線を上下左右に動かすことでスマートフォンなどを直接触れなくても操作ができるようになりますし、運転中の居眠りなどの特定の動きを捕捉して警告をならすことが可能になるようです。

 今後JINSでは開発ツールを公開することでさまざまなアプリケーションとのコラボを考えているようですし、その中で多くのアイディアがでることが期待されます。スポーツシーンやドライブなどが例としてあげられますが、それ以外にも多くの可能性があります。例えば満員電車の中で、手を使わなくても音楽デバイスの操作が可能になります。曲を飛ばしたり、聴きたい曲を検索することも可能になりますし、機器のオンオフやヘッドセットを組み込むことで目線で電話の操作も可能になります。両手でゲーム機を操作しながら、新たな操作を目線で行うこともできるかもしれません。家庭では主婦が料理をしながらインターネットのメニューを検索したり、家庭内のさまざまな機器の操作も可能になります。サイクリングの最中に位置情報や地図を確認したり、ダイビングのマスク内に仕込んでBCDのコントロールやカメラの操作が自動でできるようになるかもしれません。ビジネスでは両手を使って作業をせざるを得ないシーンで、マニュアルを開いたり、インターネットの画面を操作することが可能になります。また工作機器や重器を両手で操作している中で、さまざまな微調整を両手を離さずできるようにもなります。ひょっとすると銀行などの窓口で、非常用の連絡に使えるかもしれません。

 このように開発する人間の発想によってより多くの利用方法が考えられますし、それがスマートで便利な環境を生み出すことは間違いありません。後はどのようなシチュエーションで面白いことを考えるかですし、その発想力がさらなる進化を呼ぶのかもしれません。現在のテクノロジーの進化からするとGoogleグラスと同様のことも可能性があるでしょうし、音や温度、湿度などあらゆるセンサーを搭載した総合感知デバイスとしての将来も考えられます。もちろん眼鏡とすると、液体レンズと組み合わせて対象物の距離にあった最適な度数を可変で提供するような仕組みになる可能性もあります。ものすごく遠くを見る時は視力を2.0〜5.0といった遠方を見れるようにでき、時計部品のような細かい部品を見る際にはルーペと同じような拡大機能を自動で持たせることも可能になると思います。そうなると本当の意味で遠近両用の眼鏡になりますし、度数ではなく純粋なデザインでさまざまな眼鏡を持つことが可能になると思われます。いずれにせよ我々のアイディア次第でさまざまな展開が考えられますし、それによって新しい利用方法やデバイスの進化や組み合わせが次々と生まれてくると思われます。

 このように未来に大きな可能性を持ったデバイスを開発したのが、眼鏡店という点が非常に面白く感じました。眼鏡を視力矯正やファッションだけと考えることなく、身につけるデバイスという観点で今回の開発があったのでしょう。こういった考えを持って新しい商品が生まれることは非常に大切なことですし、自分の商材と顧客が顕在的・潜在的に持っているニーズを充足するというのは今後のあらゆる企業にとってのヒントを示してくれます。

 我々の周りには、ものすごく多くのモノが存在しますし、それを考え直さなくても数千年使われてきた道具は変わらなくても良いのかもしれません。しかし産業革命以上の技術革新が次々と生まれる今、もう一度すべてのモノに対して温故知新を行い、誰もが想像しない新しいモノや道具、そしてそれを使ったサービスが今後も沢山生んでいくことも、時代が要請していることのように私には感じられます。JINS MEMEがその第一歩として、どのような世界を見せてくれるか、しばらく興味を持ってそれを見守りたいと思っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・都合により、近日更新いたします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。