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Weekly report
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 June First week

  これまた個人ネタですが、先日長年使っていた自宅の給湯器が故障しました。壊れる時は本当に簡単なもので、家内が食器を洗っている最中に突然アラームが鳴り、給湯が出来なくなりました。当然風呂もその給湯器で給湯していますから、その日から一週間ほど自宅でお湯を使うことができなくなりました。

 冬であったらならば大事ですが、夏場ですので水仕事には大きな支障はありません。食洗機もあるため、通常の水で食器は洗浄できますし、あとは普通に沸かした茹で住むことが大半です。困ったのは風呂ですが、隣の棟に事務所があり風呂とシャワーは利用できましたので、多少面倒ですがそれでもどうになりました。

 故障してすぐに東京ガスに修理を依頼したため、保守員が翌日点検に来ました。故障箇所はすぐに判明したのですが、購入して10年以上の機器のため部品がなく、結局新機種と買換ということになりました。そこで東京ガスに値段を聞くと、なんと40万円前後とのこと。さすがにこれにはビックリしましたが、それでも給湯器なしでは生活ができないので複数機種の見積を依頼しました。

 本当にそんなにするのかネットで調べてみると、確かに本体価格は40万円ほどします。しかしネット上にはさまざまな工事業者が広告を出しており、だいたい半額前後で取引されていることが分かりました。とりあえず数社に見積を依頼したところ、最上位機種を取り付けても工事費込みで20万円以下でできることがわかり、早速そちらに注文をしました。ただし商品の発注から入荷まで3日ほどかかるため、結局4日ほどの日数がかかりましたが、それでも東京ガスの価格に比べて半額程度で取り付け工事を完了することが出来ました。

 東京ガスからは最上位機種を含めて数種類の見積が来ましたが、やはりどれも40万円前後の価格が記してありました。それぞれの機種ともに値引きはあるのですが、それは本当に数%程度であり、ネット上の業者とは倍近い値段の開きがありました。ネット上の業者もきちんと免許を持ったガス工事事業者ですので、違法に廉価な工事をしているわけではありません。東京ガスの機器も結局は各種ガスメーカ製造のものですから、給湯器そのものの性能に大きな違いがあるわけでもありません。となると、やはり東京ガスのビジネスモデルが向かしながらであることが分かります。

 東京ガスは、民営の株式会社です。しかし都市のライフラインを構成しているため、一般家庭で供給会社を選択することはできません。となるとガス供給という点では、競争企業が存在しないことになります。もちろんガス価格は国が管理していますので、勝手に値段を上げることが出来るわけではありません。しかし一般家庭からは、ガス全般を取り扱っている公的な組織に見えてしまいます。となると、ガスに関する何らかの問題があれば連絡するのは東京ガスになりますし、それが個人所有の機器であっても結局東京ガスに相談したり修理を依頼する機会は増えてしまうでしょう。

 今回はあまりに高額のためこちらも調べましたが、これが2〜3万円のものであれば間違いなく東京ガスに依頼をしたでしょうし、多くの家庭も同様と思います。ましてや事情の分からない老人であれば、他の選択肢があることすら気づかないでしょう。となると、今回のケースで考えると、市場価格の倍近い価格を払って給湯器を購入する家庭も少なくないと思われます。逆の見方をすると、東京ガスはこのような理由があるからこそわざわざ値引く必要がありませんし、見積もりを出した二軒につき一軒の契約が取れればまったく問題は無いのでしょう。ネットの上でも定価近い売価で機器を扱っている店もたくさんありますから、東京ガスのビジネスがことさらおかしいとか強欲であるとはいえないことは自明のことと思います。逆に東京ガスの機器以外で異常が起きても深夜に対応を依頼されるケースもあるでしょうから、この企業が他企業よりも多くのサービスを提供していることも事実と言えます。

 このように、ビジネスモデルが一つの企業に有利に働いてしまうケースは世の中に存在することは事実です。このビジネスモデルを作った企業は発展できますし、真似やすく利用者が簡単に不利益に気づくビジネスモデルは企業を優位にしません。ITの進化や新しいデバイスの発達が新しいビジネスモデルを創出するチャンスとなりますが、このように優れたビジネスモデルを創案できるかが、今後の競争のポイントとなりそうです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・都合により、近日更新いたします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。