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Weekly report
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 September Fifth week

 御嶽山が噴火しました。

 現在の所は水蒸気による噴火が疑われていますが、登山シーズンである秋の週末であったため、多くの登山者が巻き込まれる惨事となりました。地元の消防や警察、自衛隊が懸命の救出活動を行っていますが、多くの被災者が出た模様です。日曜日の夕刻には30名以上の心肺停止者が発見されていますし、行方不明者も相変わらず数多くいるようですので、被害はさらに広がる可能性があります。

 マグマによる噴火ではなかったため、噴火の際に火砕流や高温の火山灰・火山礫が降らなかったことがせめてもの幸いでしたが、それでも大きな火山礫に当たって大けがをしたり、火山灰の熱で火傷をした登山者も少なくなかったようです。避難小屋や山小屋に避難し大きな被害を免れた登山者もいたようですが、直撃した火山礫で登山道に倒れ、そのまま救助をまったり火山灰に埋もれたりしている登山者もいるようです。

 御嶽山は山岳信仰で有名な霊峰ですが、長らく噴火がなかったため休火山、ないしは死火山と思われていました。しかし1979年に突然火山活動が再開し、大規模な噴火が起きました。その際には多くの火山灰が降り積もったようですが、人的な被害はなかったようです。その後2007年にも噴火が起き、火山活動は続いていたようです。今回の噴火もそうですが、原因は火山内に地下水が流れ込んだため大量の水蒸気が発生し、大量の火山灰や大きな火山礫や火山岩を噴出したようです。マグマによる火砕流や大規模な森林火災が起きなかったことは幸いでしたが、今後も繰り返しこういった噴火は起きそうですし、登山者や近隣住民は十分な警戒をする必要があるようです。先日に世界遺産に認定された富士山も、江戸時代以来の火山活動が再度始まる可能性が高いといわれていますので、今回の件を教訓としなければならないのかもしれません。

 このように近年当たり前のように自然災害が発生し、その都度多くの人的被害が生じています。高度成長期以降治水や耐震の対策が積極的に行われ、いったんは自然の猛威をコントロールできるかのような錯覚さえ覚えました。しかし自然の力は我々とは桁違いであり、過去に例を見ない大きな被害が続出しています。さらにゲリラ豪雨や竜巻など、あまり日本では発生していなかったような自然災害も起き始め、我々はこれまで以上に対応の必要を問われています。

 災害対策は、予測と準備がすべてです。発生した後は救出しかできませんし、大規模になればなるほどその限界が立ちはだかります。となると、外れることを恐れず予測を行う必要がありますし、発生に備えた準備が必要となりますし、投資に見合った活躍がなくても、保険と思って毎年定期的に継続すべきことと思います。

 今回の噴火のニュースを見ていますと、携帯電話の重要性を強く感じました。3000メートル級の山でも、携帯電話が使えてリアルタイムの状況報告が行えるというのは、本当に素晴らしい事です。ただしバッテリーの問題や防水の問題などがありますし、無意識の人を特定するほどの精度が出せないのが難点かもしれません。雪崩がおきる雪山に入る時には、雪崩ビーコンという発信器を所持するのが常識になってきていますから、登山にもこれらの所持を義務づけることが望まれるのかもしれません。もちろんスマートフォンにそういった機能を持たせることも、さまざまな災害における救出に役立つ可能性もありますので、今後メーカーが取り組んでもらえることを祈りたいと思います。

 また登山道の入り口にゲートをつけ、そこで入山者の顔やプロフィールを取得できるようにすることも大切かもしれません。上記の携帯端末と連携すれば、登山事務所で登山計画やプロフィールを記入しなくても、入山者の数や連絡方法が取得できるはずです。メールアドレスも自動的に取得できれば、非常の際の緊急連絡メールを一斉に送ることも出来ますし、入山時間から逆算したり位置情報を取得するなどによって、最寄りの山小屋や避難小屋に誘導することも可能になります。

 今回の火口そばでは火山灰と硫黄のにおいが酷く、救援者の活動の制約となっているようです。となると、そういった極地でも活動できる車両や、ロボットなどの開発も重要です。山の遭難は遭難者の搬出が困難であり、たった一人を救出するためにも多くの人力が必要になります。これらをアシストするような補助具もできれば、より短時間に寄り多くの人を救うことも出来るはずです。

 このように、より安全で快適なレジャーを楽しむために、我々IT技術者は新たな仕組みを作り出していかなければなりませんし、そのことが多くの自然災害の際にも役立つと考えると、こういった取り組みがすべてのIT技術者にとっての使命のように私には思えます。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・都合により、近日更新いたします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。