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Weekly report
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 December Fourth week

 今年も残すところあと二週間となりました。

 今年は自民党政権としての本格的な景気回復が望まれましたが、下期のGDPを見る限り思ったようには景気の回復が進まず、懸案の消費税率の改訂が先延ばしになりました。増大し続けている国庫の状況を考えると予断を許さない状況といえるのかもしれませんが、景気のさらなる悪化を考えると先延ばしも仕方ないのかもしれません。とはいえとりあえずは、実体経済の拡充が望まれます。

 また今年はリニア新幹線の着工も始まりました。名古屋までの完成でも2027年と遠大な計画の一歩が進み始めています。昨年の新東名高速の部分開通と同様相変わらずの箱物(はこもの)投資が多いように思いますが、その投資額は間違いなく日本の経済を動かします。ただし完成したときに、その必要性と需要が残っているかはきわめて疑問です。少子高齢化の流れとITの急速な充実は、出張という行為を無くしてしまうかもしれません。逆に旅行であれば、短い時間をトンネルで過ごすより風景を見ながらのんびりと、となりますので、本当に海外旅行者などごく一部の利用者しか生まれない気がします。しかいこれもリニアモーターカーという技術を世界に知らしめる意味では、非常に重要なプロジェクトなのかもしれません。

 同様に来年金沢まで新幹線が伸張され、東京から2.55時間ほどで金沢へ赴くことが可能になります。これまでの小松経由や新幹線の乗り継ぎに比べると非常に利便性が高まりますが、ビジネス出張の宿泊需要は減少するでしょう。同様の事象が海外観光客にも起きると、観光地への訪問機会に対し一人あたりの利用額が減るでしょうか、いよいよ各地とも真剣に観光地としての歓待のあり方を問われるようになりました。

 年末には大義なき衆議院議員選挙が行われ、自民党が圧勝を納めました。単独で衆議院の過半数を占めますから、大躍進といえるのかもしれません。とはいえ戦後最低の投票率を残したことも事実であり、国民はこの政権に信任をあたえたとはとてもいえない結果でしょう。アベノミクスに反対はしないものの、思ったような成果がでていない証左といえるでしょうし、その成果を今後どのような政策で発揮し、日本の状況を好転させるかはお手並み拝見となりました。

 ITの世界では、M2MやIoTといったデバイスそのもののインテリジェント化とネットワーク化が進み始めました。片やウェアラブルデバイスも各社が開発・提供を宣言するなど、新しい動きが始まっています。特にウェアラブルデバイスの世界では、これまではITデバイスとは関係のないJINS(眼鏡店)などが名乗りを上げはじめ、新しい動きが日本でも始まっています。さまざまなビジネスがITを切り口に新しい市場への参入を始めており、既存の常識を劇的に変える可能性が日々高まっています。

 システム開発の観点では、より多くの仕事がオフショア化しはじめました。銀行を中心とした金融機関のシステム更改をはじめに、マイナンバーや軽減税率を含んだ消費税対応、2020年をにらんだスマートシティの創出に向けた新しいアイディアの実現など、数多くの特需が目白押しであることは間違いありません。とはいえ年々厳しくなる経済状況の中で無制限に使える投資などあるわけがなく、IT投資に対する軽減要求は常に存在します。となると、コスト削減の意味からオフショアに対するニーズは上がります。逆に海外のITエンジニアも日本をめざしており、7月に日本最大級の外資系SIerが出現したように、多くの海外SIerが日本市場への参入機会をうかがっています。となると今後SI業界の競争はより激化することが予測されます。これまでとは逆に海外のITエンジニアを日本に招聘して技術を学ばせ、日本でビジネスチャンスを見つけるといった取り組みも盛んになっていますので、競争激化がどのような変化をもたらすかは、私にもよくわからず興味深い出来事でもあります。

 そんな中、私自身はまた一歳年を重ねてしまいました。棺桶までまっしぐら、という感覚が数年前からありますが、その実感がいろいろな観点で生まれてきたのが本音というところです。いよいよ次の人生を少しずつ考え始めていますが、どこで自分の実力とチャンスに見極めをつけるか、本当に難しいところです。晩年のスポーツ選手が引退時期を探す、という意味がわかり始めてきましたし、とはいえまだまだ活躍できる、という自負もないわけではありません。自ら仕掛けた新たなチャンスは失敗しても、不思議と他人がもたらす新しいチャンスが芽吹くなど、本当に予測が難しい日々です。

 このように、日々は過ぎ、新しい1年が始まろうとしています。来年がどんな年になるかは予測がつきませんが、それでも希望が少しだけ持てる一年が始まってほしいと思います。

 年の瀬を迎えると、老いてゆく自分と新しい時代の落差に、ただただ呆然とする日々がやってきます。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・原則年内はお休みします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。