早くも今年の第二回目の更新です。年始の更新は事情により遅れてしまいましたが(その顛末は左上の"next"をクリックして先週分をご覧下さい。)、今週からは通常通り毎週更新を続けたいと思っています。
さて先週から業務が開始しました。今年はどのような年になるかはまだわかりませんが、それでも大きな変革が求められているのは確かです。
このところの円安によって、日本の製造業もオフショアを見直す可能性が出てきています。円高の場合は国内生産の商品は海外に売りにくいため、コストの安い海外に進出した方が有利です。また国内に供給する商品も、円高ですから海外生産品を購入するほうが安く調達できます。しかしこれだけ円安が進み、まだまだこの状況が続くか加速しそうな雰囲気ですので、国内供給分は国内で生産をしたほうがコストが安くなる可能性があるためです。円安基調はしばらく続くとすると、日本に職が戻ってくることを意味しますので、経済的にはメリットが大きいと思われます。仕事の少ない福島などに新工場を作り、そこで効率のよい生産を行うのであれば、企業、地域ともにメリットが生まれますし、日本経済も少しは循環する可能性が出ます。
またこのところ原油が値下がりしていますので、日本の製造業や電力会社はほっと一息かもしれません。円安で買い負けているところでの原油高でしたから、エネルギーコストが相対的に高くなっており、製造業や非常に苦しい状況がつづきました。しかしこのところ急激に原油価格が下がっていますので、製造業が次の策を実施するまでのひとときの時間は作れそうです。
しかしながら他の産業は、いよいよ手詰まり感が強まるように思われます。景気の回復は個人の収入増につながっておらず、消費性向は高まっているとは言えません。新しい製品を出しても長続きはせず、飽和した市場はよほどインパクトのある製品しか相手にしません。リアル店舗がネットに浸食される確率は日々上がっていますし、Amazonのような企業が波状攻撃のように新しいサービスを仕掛けてくると、小売店は対抗する手段を持たないのかもしれません。百貨店やスーパーは明かな曲がり角ですし、コンビニも大型化やローカル化をしかけていかないと、勢力図があっという間に変わる可能性も高まっています。
食品業界や外食産業は、異物混入問題に振り回されています。ネットの普及と個人が情報発信できる環境は、窓口での謝罪だけでことが済まなくなることを意味するようです。これまでもこういった問題があっても、当人と店舗の間で話がつくことが多く、企業全体が大きなダメージを受けることは少なかったのかもしれません。事実私も何度か異物混入の経験がありますが、その都度交換してもらうぐらいで特に大きな問題とはしてきませんでした。しかし今の時代は許さない時代になっていますので、ちょっとしたことも大きな問題になってしまいます。結果としてそれらの店舗が萎縮し、新しい店舗の展開も難しくなってしまいます。
学校や塾は新入生の減少に悩み、少しでも生徒の確保に必死です。東京近郊の大学は明かな都内回帰が始まっていますが、その策がいつまで効果を発揮するかは本当に難しい状況です。大切なのは下級の学校卒業者をかき集めることだけではないことを知っていても、そこに本当にチャレンジできる状況がないことも事実です。専門学校も酷い状況であり、この状況を脱するのは本当に難しいのかもしれません。
このように2015年は、すべてが煮詰まり、いよいよ本当の意味でのブレークスルーが必要となる年になるように感じます。これまでも申し上げてきたとおり、今年こそイノベーション元年になる予感が強まっています。コのに詰まった状況を変えるには、今までとはまったく違う改革を起こすことしか、次の世界へ移る方法がないように思われるからです。
どのような産業が、どのようなイノベーションをすべきなのか...これが今年の私のテーマですし、その中でも私の専門であるIT業界がどのようにイノベーションすべきかを、今年一年十分に考えていきたいと思っています。そのヒントを見つけないと、本当に日本は世界に取り残されるのかもしれません。
明日のイノベーションを考えること。これが私の今年の使命のようです。