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 March Fifth week

 新しいPCを購入しました。

 なんだかんだとだましだまし5年ほど使ってきたLet's note J10ですが、最近不調が続くためとうとう新機種に買い換えました。 会社のほうもどうにか黒字になりそうなため、設備投資の一環としてちょっと高額な新機種をお願いしました。

 古き良きモバイラーである私のノートPC遍歴は、相当に長いものがあります。一番最初に購入したのは、NECのPC98互換機のラップトップであるEPSON PC-286LEでした。こいつは重量が7kgほどありましたので、ラップクラッシャー(膝上破壊機)と呼んでいましたぐらい、相当のデカ物でした。

 その後本格的ノートブックとして購入したのはDynabookのJ-3100SSであり、MS-DOSを焼き込んだ640KBのメモリーと、フロッピーディスクが1台ついた機械でした。重量は3sを切るものであり、持ち運びに本当に便利でありがたい機械でした。その後重量は重くなったもののハードディスク搭載機も誕生し、それも購入しました。今考えれば面白いですが、このJ-3100SS02Eには背面にキャリングハンドルが折りたたまれており、それを引き出してトランクのように運ぶことができました。

 その後を考えてみると、おそらく100台以上のノートPCを購入したことになります。NECのPC98互換のノートPCの初期シリーズはすべて購入しましたし、白黒画面がカラーになったときには相当な驚きがありました。当初はMS-DOSで動いていたノートPCもDOS/V化が進み、その際には価格の安い海外メーカのものも使いました。やがてPCの発達とともにWindowsが搭載されるようになり、さまざまな観点で利便性が上がっていきました。もちろん私はモバイラーですから、携帯性の高いノートPCは本当によく買いましたし、その中でも東芝のLibrettoにはシリーズの初期からずいぶんお世話になりました。その後はSONYのVAIOのC1シリーズやUシリーズなど、本当に特殊で小型の機械を愛用しましたし、IBMのPC 110などというキッチュな機械も使いました。おそらく信じない人が多いと思いますが、このPC 110は電話線をつなぐと電話機になる代物で、四角い弁当箱のような筐体の背面に通話口がついていたことを覚えています。(電話をしている姿を端から見ると、完全に逝っちゃってる人でした...)

 そのほかにもインクジェットプリンターが内蔵されていたIBMのThinkPad 555BJなんかも愛用しました。小型のプリンターが開発される前でしたので、本当にクライアント先で即時に印刷できる便利モノでした。しかしインクタンクがものすごく小さく、5〜6枚印刷しただけでインクが空になるのには参りましたが...

 これらの多くのPCを10年ほど前までは保有していたのですが、例のパソコンの廃棄コストがかかることが明らかになったときに、ほとんどすべての機器を処分してしまいました。どうしても捨てられなかったのは、一番最初に買ったデスクトップ機であるPC-98VXと、VAIOのC1、Uぐらいであり、今考えると海潜亭のITサルガッソー記念館がもっともっと華やかにできたのにと後悔至極です。

 このようにたくさんのノートPC遍歴を経て、今回はVAIO Pro11を購入しました。年齢とともに重たいPCが辛いので今回も極力軽いものを探した結果、Let's noteとこのPCのいずれかが候補となりました。しかしLet's noteは意外と高額であり、結果的にVAIOに決定です。

 この数日インストールを行っていますが、Windows8が初めてのため、本当に戸惑っています。いろいろと操作性が変わっているので慣れるのが大変ですし、ノートPCの画面を触ることなどなかったので、その違和感にも苦労しています。逆になれてしまったとき、タッチセンサーがついていない通常の液晶画面を指で押しそうで、当面は冷や汗と混乱に悩まされそうです。

 しかしこのVAIOを触っていて一番隔世の感が強いのが、モーターのついたドライブがないことです。ノートPCを購入して25年以上たちますが、モーターがついたドライブが搭載されていない機器は、これが初めてになります。というのも当初はフロッピーディスクがついていましたし、その後もハードディスクやCD、DVDドライブなどが必ず搭載されていますので、モーターはつきものでした。しかし今回のVAIO Pro11はDVDドライブがありませんし、SSD(シリコンディスク)搭載機ですのでハードディスクもありません。したがってノートPCにつきものだったドライブ音が全くしないのが、非常に特徴的です。

 事実インストール中もDVDドライブの音しかしませんし、PCが考えているときはほぼ無音ですので、なんとも違和感があります。 起動・終了時も音もなく動作しますので、何となく心構えができず、慣れるまでに時間がかかりそうです。

 このように、技術の進歩は人々の感覚を狂わせることを今回も感じさせられます。人間は無意識のうちに五感を使って生きていますから、技術の進歩とともに培ってきた勘や無意識の働きを変えざる得なくなります。HVカーや電気自動車が車の接近の感覚を狂わせるように、携帯のボタンになれた人間がスマホのキーを打ちにくいように、こういった技術の進歩に伴って人間の五感に違和感をもたらすことが今後も起きます。となると我々エンジニアは、こうした技術の進歩と古い世代の人間の感覚をどうすりあわせていくかを考える必要が出ているように思いますし、それが事故を未然に防ぐ可能性がある以上、今後大きなテーマになる可能性がある思われます。

 すべての世代に使いやすい技術の進歩のあり方を、我々は考え始めなければなりません。