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Weekly report
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 April Fourth week

 諸般の事情により,更新が遅れてしまいました。

 さて4月も末になり、新人研修も一つの山を越えました。これからは技術研修が中心となり、私自身は少し時間ができるようになってきました。ゴールデンウィークは熱川で過ごすつもりですが、この一ヶ月にたまってしまった仕事を片付けることに専念しなければならないため、あまりのんびりは出来そうもありません。

 今年の新人ですが、311の影響で入学式がなかった世代になります。とはいえ暗い時代を背負わず、本当に元気な世代に感じました。どこの企業でも感じますが、若者特有の屈託のなさと素直さが印象的です。ゆとり世代の特徴なのか、一つ一つのことにこだわりをあまり感じませんし、素直にこちらのいうことを吸収しようとする姿勢が強く見られました。反面例年通り思考力の低下は相変わらずであり、学校教育の問題を改めて感じさせれてしまいました。ネットの影響がこれだけ出ているのですから、もっともっとそれを使いこなす思考技術を教えるべきだと私は思いますが。しかし現在の教育現場を考えると、教師そのものが教科書ベースでしか指導が出来ないのでしょうし、考える力も相当に弱っているのでしょう。若手の教師は現在の若者と同じ教育を受けていますし、ベテランは知識伝授の指導技術しか持ち合わせていないのでしょうから、それを望むのは酷かもしれません。せめて大学教育ぐらい変わってくれればよいのでしょうが、現在の象牙の塔のあり方では望むことは難しいのかもしれません。

 日本生産性本部、今年の新人を「消せるボールペン」と評していましたが、それを感じさせられることがしばしばありました。というのも考える力を教えている時、思考の瑕疵を指摘する際に「ホメ」と「問題点」を両方話しているのですが、どうも彼らには「ホメ」だけ
が残り、「問題点」に対する指導は消えてしまうようなのです。最近の若者は「褒められて伸びるタイプ」と自己評価する方が少なからずいますが、まさにそれを実感する事象のように感じました。長所を伸ばす、という教育方法は理解できないこともないのですが、それでも改善すべき所に取り組まないと根本的な問題は残ってしまうように感じます。指導する側は「褒める」ほうが楽なのは分かりますが、それでも直すべき所をきちんと指導し、その改善状況をフォローしなければ適切な成長とはならないように思ってしまいます。この点が現在の若者の問題のように感じさせられました。

 今年の新人が定年を迎える頃、私はこの世に存在しない可能性が高いと思います。その彼らが思うよりずっと短いビジネスパーソンとしての一生で、何を成し遂げてくれるのかが私には本当に楽しみで仕方ありません。そのためにも、彼らの貴重な第一歩を確実に踏み出せるよう、そして何より明るい未来を信じることの大切さを理解できるよう、一人でも多くの若者に辻説法を繰り返さなければならいと感じています。