このところ地震や噴火などの、地殻変動が頻発しています。
先日も箱根の話を書きましたが、その後も口永良部島が噴火、埼玉と小笠原を震源とする大きな地震が起きるなど、不穏な状況が続いています。東日本大震災もその影響の一環といわれていますが、日本の下に潜り込む太平洋プレートなどの動きが活発のようであり、この状況はしばらく続く可能性が高まっています。
年々強化される建築基準法のおかげで、他国に比べて多少の地震では家屋の倒壊は死傷者がでなくなってきたことは事実です。東日本大震災の映像を見ても、地震だけで数多くの建物やビルが倒壊したということはありません。しかし津波など、地震によって付随的に発生する災害によって被害が大きくなることは今後も予測できますし、東京湾沿岸のように海抜が低い箇所では、今後も積極的な対応を考えざるを得ないでしょう。
しかし何より不気味なのは、火山活動の活発化です。プレートの下にはマグマがあり、プレートの活発化とともに火山活動も活発化していることは間違いなさそうです。これまで休火山とみられていた山でもいつ噴火が起きるか、今後も不安はつきません。箱根の活発化も近年まれに見るレベルでしょうし、昨年の御嶽山のように甚大な人的被害がでた噴火もあります。蔵王山もこのところ噴火の警戒レベルが高まっていますし、各地の温泉地でも異常がみられるところもあります。
日本で一番大きな休火山は、ご存じの通り富士山です。富士山は今から300年ほど前に大噴火を起こし、当時の江戸の街にも大きな影響を及ぼしたといわれています。最近でも富士山噴火はよく論議になりますが、間違いなく今回の影響も富士山に及んでいると思われます。となるとこれからの登山シーズンの対応が、本当に難しいところです。
富士山の研究は多くの学者が行って降り、富士山付近の地質は、各省庁や研究機関がさまざまな機器を置いて調査を行っています。ある日突然噴火する可能性は高くはないと思いますし、これらの装置が異常を検知し、警戒警報が発令される可能性は高いでしょう。とはいえ自然のことですので、確実なことは何も言えませんし、かといって人災が発生してもいけません。くれぐれも注意を怠ることなく、過去のデータを信じ切ることもなく、様々な角度から可能性を検証していかなければなりません。
となると、今回の地殻変動を二つの観点で考えなければならないと、私は考えます。一つは明確な事象が起きる前の対応です。現在の箱根や蔵王山がそうであるように、噴火の可能性型かまっていることは事実です。とはいえその噴火口や被害範囲は、ある程度想定が出来ます。火山は温泉を生みますし、それらの自然や景観で旅館や観光施設などを行っている方も沢山います。となると、風評被害や余りに厳しい規制によって、それらの経済活動を阻害してはいけません。事実蔵王温泉では、風評被害でホテルが閉鎖になってしまいました。蔵王温泉は噴火の可能性のある蔵王山とは5kmほど離れており、安全な場所にあるといわれています。想定外の大規模な噴火でもない限り、そこでの被害は非常に考えにくいでしょう。となると、客足が大幅に減ったのは風評被害と個人の誤った安全知識が原因となってしまいます。
箱根の警戒区域も、名物の黒卵の生産地ですし、温泉の源泉があります。現在黒卵の生産場所に立ち入れないため生産は出来ませんし、源泉のメンテナンスを定期的に行わないと温泉街へ温泉を供給することも出来ません。となると、一定のリスクは想定の上、それらの活動を認める必要もあると思われます。
このように、噴火などの明確な事象が起きる前の対応を、もっともっと具体的かつ真剣に検討しなければなりません。
二つ目は、事象が起きた後の対応です。大規模な噴火が起きた場合は、火砕流や火山弾、火山灰等の影響が大きく出ますので、付近の住民は大きな影響を受けます。場合によっては今回の口之永良部島のように、一斉の避難も必要でしょう。となると、それらの可能性のある地域をより明確にし、避難指示や立ち入り制限、安全確保などの手順をきちんと決めておかなければなりません。今回の箱根でも、警戒警報後に外国人が勝手に立ち入ったこともありますし、東日本大震災では、福島の避難区域に多くの泥棒が入って、貴金属等の盗難も発生しています。
いずれも国と自治体の仕事ですが、我々ITエンジニアが活躍すべき場所やアイディアも少なくありません。我々はもっともっと真剣にこれらの事象について考え、積極的なアイディアを出していかなければなりません。またそれらの仕組みをクラウド化するなどして、多くの自治体が積極的かつ安価に参加できる仕組みを提供し、それによって自分の身の回りの人間を結果的に守る状態を作り出さなければならないと,私は考えています。