今週はシルバーウィークです。夏休み本番がほぼ悪化する天気に翻弄され行楽地のビジネスは振るいませんでしたが、この天候の良さで多くの客足が観光地に向かいそうな気配です。
私のほうは金曜日までの3週間の疲れがたまり、この週末から熱川海潜亭でダウンしています。調子の悪かった腰の具合も相当に悪化していますし、それをかばっていたせいか、日々足首の調子まで悪くなってしまいました。脳ミソのほうも相当に病んでおり、まったく何をやる気も起きません。しばらくは廃人モードで、休養するつもりです。
さて先週はユニーグループに引き続き、イトーヨーカ堂が20%の店舗閉鎖を発表したことが話題になりました。リアル店舗がネットに押される中、個人商店のみならず総合スーパーマーケットもいよいよ大きな影響が出だしたようです。ネットショップの進出に対し、総合スーパーマーケットはネットスーパーで対抗しようとしていますが、品揃えや価格などで対抗するのは難しいようです。総合スーパーの一階で販売している生鮮食料品などはネットショップに対抗していけるでしょうが、二階以上で販売している衣料品や寝具、文房具などはネットショップの前では勝負にならない感じがします。品揃えはネットショップのほうが優れていますし、価格も同様か安い場合も多いでしょう。
なにより宅配網の充実から、ネットでの注文での納期が短くなっていますから、はこぶ手間を考えると緊急性のある品物以外はネットで代替できるというのが真実です。かくいう私も、生鮮食料品以外の消費はほぼネットになってしまいました。唯一試着が必要なスーツ等についてはリアル店舗を利用しますが、それでも汎用の規格品ならばネットで用事は済ませられます。
逆にスーパーからすると、いよいよ生鮮食料品以外は勝負が難しくなっていますし、このままうかうかしていると、高付加価値の生鮮食料品もネットに負ける可能性もあります。そうやって考えてみると、今回の店舗閉鎖も第一段階に過ぎないことが判りますし、今後総合スーパーがどのように戦略を転換してリアルでの戦いを仕掛けていくかは、非常に興味のあるところです。
もともとスーパーマーケットは、店舗で販売する商品を大量に仕入れて、各多くの品種品目を安価に一括で購入できるビジネスモデルを作り出しました。それ以外のフロアには、書店や旅行会社などの専門性の高いテナントを招き入れ、顧客のニーズをとらえてきたところに特徴があります。しかし楽天やAmazonはそれとどうようのビジネスモデルをネット上で構築したことで、物理的な在庫という制約を解消しました。これによってスーパーより遙かに多くの商品を選択することが可能になりましたし、専門性のより高い業者をユーザが選べるようになったのです。となると、ビジネスモデルが同じで、物理的制約のないネットビジネスのほうが有利になることは自明の理でしょう。
これに対抗するためには、現物を確認させる、という特徴を活かせばいいわけですが、電化製品のようにその場で購入する必要がないものであればショールーミングの場になってしまいます。となると現物の確認だけリアル店舗で行われ、実際の購入はネットショップになってしまいます。
このように、既存のビジネスモデルは、技術や環境の変化ともにその価値を失うことが判ります。それは総合スーパーが生まれた理由でもありますし、その影で個人商店が勢いを失ったことでも証明できます。となると、現在のネットショップの隆盛も、次のビジネスモデルが生まれればすぐに価値を既存することが判りますし、だからこそすべての企業にまだまだチャンスが残されていることに我々は気づかなければなりません。
誰も考えつかないことは、自分にも考えつきません。それは全員が真剣に新しいビジネスモデルを考えている前提であり、実際それを考えている人間はビジネスの世界でもごく少数です。となると、我々ITエンジニアにも、まだまだ多大なチャンスが残されているだけでなく、今後のビジネスモデルが情報技術の利用抜きで構築することは不可能と言っても過言ではありませんから、我々に有利な世界が広がっていると考えられるのです。
誰も考えないから、自分で考える。それは観点を変えれば、自分が欲しいものを考えればいいことに気づければ、自ずから新しいビジネスモデルが見えてくることに我々は気づく必要があるのです。