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Weekly report

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 February First week

 日銀が、マイナス金利の導入を決定しました。

 マイナス金利とは銀行の資金を日銀の当座預金に預ける際の金利であり、これまでは0.1%の利率が設定されていました。これによって銀行は余剰な資金を日銀に預けることで、0.1%の利息を得ることができたのです。

 しかし今回この利率がマイナスになることで、銀行が日銀に余剰資金を預けると、利息ではなく手数料を取られることに成り、余剰資金がコストを生んでしまうことになります。そのため余剰資金を持った銀行は、その資金を民間企業に貸し付けるほうが有利になるため、企業の資金調達が行いやすくなり、経済活動が活性化することが期待されるのです。とはいえ肝心の企業側に資金需要がなければ、単に銀行に資金が滞留するだけになるため、本当に経済的効果が生まれるかは疑問が残ります。

 経済成長の元では、企業は資金を調達し新たな生産設備などに投資を行ったり、研究開発を積極的に行って新製品や新技術の開発に利用します。それによって新たな製品や技術が生まれ、需要が創造されます。しかし現在のように停滞した経済化では、企業側に設備投資等の資金需要があるとは思えません。多くの大企業がオフショア化やリストラを繰り返すように、変わりゆく産業構造化で積極的に投資を行おうとするのは金融機関ぐらいに思えてしまいます。

 一方本当に資金を欲しているのは中小企業ですが、その目的は事業資金であり、設備投資ではありません。となると、存続のための資金需要ですから、銀行側は回収が難しいと判断して積極的には融資を行わないでしょう。となると事業資金がなければ中小企業は運営が難しくなり、やがては倒産や休業、廃業につながり、より経済が悪化する可能性のほうが高くなります。こう考えてみると、マイナス金利の導入によって経済が活性化することはかなり望み薄のように思えてしまいます。

 現在の問題の一端は、金融機関の姿勢の問題です。自らの安定を第一と考える現在の銀行の姿勢では、多くの中小企業に資金が融資されることはありえないでしょう。卵が先か鶏が先かの論議になってしまいますが、経済が活性化すれば中小企業にも仕事が回ります。中小企業に積極的な仕事があれば、そのための資金を融資しても回収が可能です。となると銀行も融資に積極的になり、資金の循環がおきてより経済が活性化します。逆に現在のように経済が停滞していると、中小企業に仕事はありません。となると銀行は融資をしても回収が難しいと判断しますから、資金の循環が起きず、より経済が停滞することは間違いありません。

 いま国がすべきことは、まずは経済を回すことです。積極的な手がうちにくいのであれば、まずは経済が停滞する要因を排除していくしかありません。となると、来年度の消費税をとりあえず先延ばしにしする必要があると思います。その上で経済を維持し、積極的な手段を徐々に打つべきです。たとえば銀行に規制をかけ、中小企業がより資金調達を可能にする、積極的な規制緩和を行い、様々なサービスや事業に多くの企業が自由に取り組めるようにする、ベンチャーの活性化のために、より多くの公的資金を提供し失敗による破産等の法律を改正する、大企業の余剰資金にマイナス金利を課す、などの多くの積極的な対策があるはずです。

 また公的なサービスをもっと民間に移譲し、両者に競争状態をつくるべきとも思います。公立学校の教師や公務員の業務の多くを民間に移譲し、そのコスト削減とサービス向上を図るべきです。役人を減らすことも必要ですし、そのための規制緩和や法律改正も必要でしょう。もちろん雇用や労働に関する法律も改正し、もっと人材流動性をたかめ、本当に人を必要としているところに転職しやすくしたり、企業の組織の流動性を高めるべきと思います。

 こう考えてみると、まだまだ日本にはすべきことが沢山あるように思えてなりません。こういった意思をもった若い政治家がつぎつぎと生まれ、日本を抜本的に変えてくれることを心から願っています。同時に多くの優秀な若者が新しいビジネスを創業し、日本の経済を活性化させてくれることも夢見ています。

 立ち上がれ、若者!