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Weekly report

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 May Fifth week

 早くも一週間が経ちました。これで5月最後のWeekly Reportになります。

 今週はちょっと多忙のため、短めにします。なぜかといえば先日家内が路上で転倒し、利き手を骨折して家事全般が滞ってしまっているのです。私と終日忙しい下の子とで、当面は分担して家事を片付けなければならないようです。「早くも介護の練習?」と下の子に冷やかされていますが、本当に近親者が活動できなくなるだけでなく世話も必要となるのは非常に不便と痛感しています。これがあと15年後であれば、本当にどうなってしまうのでしょうか?

 先週障害者ネタだったせいか、今回の骨折もずいぶん考えさせられました。利き腕というだけで日常生活に大きな支障が生じますし、食事も制限されます。箸が持てないので基本フォークかスプーンになりますし、食材のサイズを小さくせざるを得ません。またとりわけ等の作業も必要であり、結構手間がかかります。

 風呂に入ると利き腕ではない手で、髪の毛や体を洗う必要があります。一方は石膏で固めているためぬらせませんから、防水の袋で覆って上に持ち上げ続けなければなりません。腫れがあるため湯船に浸かることも禁止で、真冬だったら相当に辛い日々になるところでした。服の袖を通すことも難しいですし、ボタンやベルトなども利き腕と反対の手でやらざるを得ませんから、相当に面倒で時間がかかります。こちらも手伝えることは手伝いますが、日中は一人で対応してもらうしかありませんし、逆に夜はたまった家事を下の子と分担して消化しなければなりません。

 これが手首だったからまだよかったものの、足だったらさらに問題となるところでした。歩行が出来なければ、今以上に日常動作に相当な支障が発生するところだったと思います。

 こういった問題は、ロボット技術とセンサーテクノロジーの進化で、徐々に解決されるかもしれません。折れた手を支えるギブスのようなロボットハンドは、そう遠くない未来に出現すると思われます。建設業などの力仕事用でなければ低出力で済みますから、軽量なフレームとバッテリーで日常生活の支えとなってくれると思います。もちろん利き手でない手を利き手のように動かす装置も開発されると思いますし、そうなれば腕一本でも基本的な日常動作が可能になるかも知れません。もちろん操作の対象となる機器が自動自立化することで、機械が音声や簡単な信号で反応し、手を使わなくても日常生活が行われる可能性もあります。

 このように高度な仕組みが出来れば出来るほど、今よりもずっと楽で便利な社会となっていきます。高齢者や障害者ほど、より多くの恩恵を受けることは間違いありません。しかしその反面、機械が多くの事をできるようになりますから、相対的に仕事を失う人間も出てくるのでしょう。となると、人の働きそのものを変える必要があると私には思えます。

 老人の知恵は、いつの時代も有用な部分があります。逆に若い人の発想は、次代を変えるきっかけになります。障害を持っている人間は、健常者だけの不具合を指摘できますし、子供を持った母親は、働き盛りの男性と違った視点でさまざまなことを見ることが出来ます。これまでの日本は、大人の男性中心の社会を作ってきました。しかしそれは世界的には古い文化といえますし、今は多様が重要になる社会です。新しいデバイスが働けない人を働けるようにし、機械が新しい仕事を生み出して既存の仕事から人を排除します。大切なのは今か未来かという選択ではなく、どのような未来を描き、どうやって実現していくかであることを、我々は忘れてはなりません。