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Weekly report

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 November Fourth week

 今年も残すところあと一月となりました。年々一年が早くなっていきますが、今年も大きな成果がなく一年を送ってしまったように思っています。こんな後悔ができるのも後数年な気がしますし、完全に老いてしまうまえにやるべき事はやろうと思ってはいます。

さて先週は熱川で肉体労働に従事していたため、基本的にメディアから干された状況でした。したがってWeekly Reportのネタがなく困っています。テレビのニュースは米国大統領選の問題をまだ引きずっていますし、韓国の状況も不透明です。しかし両者に共通するのは、やはりポピュリズム(大衆迎合主義)の問題でしょう。先日来日したフィリピン大統領もそうでしたし、英国のブレグジットもポピュリズムの結果と言うことができるからです。

 インターネットの普及とともに、世界はどんどん小さくなっています。他国の文化や商品を知る機会は増えましたし、世界にはいろいろな考えがあることが実感として理解される時代になったのかもしれません。同時にSNS等の普及により、一人一人が自分の意見を表現したりその意見に賛同する人間を募ることが簡単になった時代でもあります。自分の考えをネットにアップするだけで誰かに見てもらえる可能性はありますし、その考えへの賛同を知ることもできます。場合によってはその考えに賛同した人が自分の意見としてその考えを普及させていくと、世界中にその考えに賛同する多くの仲間を作れることに繋がります。その数が増えれば増えるほど、同時に増加が早ければ早いほど大手のメディアがその現象を伝えるようになりますし、結果として爆発的に自分の意見が世界中で賛同をえることになります。

 もちろん負の側面もあります。その考えに否定的な人間は直接的に否定することも出来ますし、他のメディアで批判的な意見を自分の意見として同様に普及させることも簡単にできます。それが正しい、正しくないというのではなく、一つの意見として世の中で賛同を得ていくことになるのです。

 世界が多様であることを知った人間は、自分の意見もその多様の一つであることに気づいているのですが、多様の中で意見の選択を求められると、逆に多様を排除してしまう動きが生まれます。多様とはすべてを認めよう、とする考えであるにもかかわらず、多様の中でどちらかといえばという形で意見が集約されていきます。その結果、多様が集約した大衆の意見が形成されます。こうして生まれた意見は、基本的に二極に別れることが多くなります。その上で自分はどちらかを選ぶ必要がでると、大衆が形成した意見であるからこそ合理的な判断ではなく主観的な選択を行ってしまいます。結果合理的に考えれば二極より多様の意見から最善を選ぶべきであるにもかかわらず、相対する二つの意見の一つを選んでしまいます。

 世界中がこの現象に飲み込まれているのが、現代といえるのかもしれませんし、この先もこの状況は続いてしまう気がします。それにともなってその考えを政治的に利用しようとする動きが、ポピュリズムということになります。米国大統領選はこの極みに思えますし、両候補とも二極の意見を国民に選択させてしまったように思います。結果として反対陣営のみならず自分の意見として選択した国民からも不満が生まれ、さまざまな観点から納得できなくなってしまいます。同様の事象は英国でも起きており、それが結果としてEU脱退とその後の問題を引き起こしています。

 英国、米国、フィリピンに続き、韓国も同様の事象が起きそうな気配であることが、今非常に気になっています。現大統領が更迭されると、反対意見である野党党首が大統領になる可能性が高いといわれています。野党党首はこれまでの政権がと決めてきたことを反故にする可能性が高いですし、国民を反日主義により誘導することで政治的に有利な立場に立とうとしているからです。

 インターネットは、世界を豊かにしました。同時にインターネットは、世界を不幸に巻き込んでいるのかもしれません。多様を知った我々はもう一度多様の意味を考え、自分と違う意見を否定せず理解し合うことを思い出さなければなりません。極端な二つの意見で世界を作るのではなく、様々な意見を元により多くの人が納得できる合理的な意見を形成することが一番大切ということを思い出さなければなりません。