Onomura System Consulting Office       

osco top


Weekly report

next

back

 

 

 

 

osco top

 March Third week

 ヤマト運輸の問題がますます広がっているようです。

 ネット通販の拡大と共に、宅配業は非常に盛況となりました。かつては個人の出張荷物や親戚への贈り物といった私的な利用が多かった宅配ですが、ネット通販等の拡大によりその取り扱い数を飛躍的に増やしました。特にAmazonの進出以降配達点数が幾何級数的に拡大し、それにともなって宅配サービスも疲弊が始まっているようです。

 取り扱い点数の増加と共に、送り主の企業側から配達料の値下げ要求が宅配業者に持ちかけられます。通常のビジネス同様、大口であるからこそ宅配業者の稼働率もあがり手待ち時間や空走時間が減ります。これは宅配業者にとっても望ましいことでした。さらにAmazonなどでは配達時間の短縮を図るため、向け先毎に一時仕分けをした状態で宅配業者荷物をわたしますから、宅配業者の仕分け倉庫側での作業が大幅に軽減されますから、配達料の値下げに応じることも可能になります。こうして両者がメリットを享受できたからこそ、ここまで稼働率が上がってきました。

 しかし企業側はよくても、実際に配達する要員にとっては非常に厳しい状態が生まれます。かつて私も配達のバイトを行っていましたが、早朝から深夜まで頑張っても一日200個配るのは結構厳しいものがありました。私の最高は一日240個ぐらいでしたから、当時セミプロは200〜240個、プロは300個が限界だったように思います。おそらくこの数は現在もそう変わらないように思われます。

 実際配達をしていて一番困るのは、不在の再配達と代引きです。不在の場合は再度の配達が必要となりますが、アルバイトの配達ですと一個あたりいくら、といった報酬体系になっているため、配達が完了しない限り報酬は発生しません。悪質なのは、電話で配達時間を決めてもその時間にいなかったり、深夜や早朝のとんでもない時間を要求していながらドアに出てこない、といった受け取り者も普通にいます。となると、それによって時間が取られてしまうことになり、実際の稼働を高めることができません。

 また代引きは、一般に金銭の授受に時間がかかるためやっかいでした。ハンコをもらうだけなら数秒ですが、代引きは下手をすると5分ぐらい待たされることもあります。さらに商品を確認してその場で返品、というやっかいな客もいます。この場合時間だけかかって報酬はもらえませんから、本当に腹が立ちます。

 こういった経験を思い出すと、再配達に代金を請求したいという気持ちも分かりますし、配達代の値上げも仕方がないように思えます。

 しかし一方、送り主側の荷物に対する姿勢も問題のように思われます。Amazonの梱包は、やはり問題があるとしか思えません。SDカード一枚の配達に30cm程の箱を使ったり、ちょっとした文具を二つ三つ買っただけで巨大な箱に入れたりと、空間としての無駄が多いことは周知の事実と思われます。また複数の倉庫から出荷するためか、一回で複数の書籍を注文すると、下手をすると5〜6個の荷物が届くこともあります。同一梱包に指定するとやたらと日数がかかって翌日が保証できなくなるなど、まだまだ改善の余地が沢山あるように思われます。

 いずれにせよ送り主、宅配業者、受け取り主共に問題があり、それを上手に解決しないかぎり早晩現状の宅配物流網は破綻してしまうでしょう。その影響を受けるのは他ならぬ受け取り主であることを我々は認識し、無理で無駄な配達行為を防げるように努力すべきと思っています。すくなくとも何度も再配達をさせるようなことを辞めるべきですし、確実に受け取れる手段を地域で生み出していくことが望ましいように私には思えます。そして抜本的には、ITを利用した手段で効率を高めることが望ましいと思いますし、その仕組みを皆で検討する時期にきているように私には思えます。

 この仕組みの原案はあるのですが、またまたスペースが不足してきたためどこかのタイミングで発表したいですね...