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Weekly report

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 March Fourth week

 先週モンテローザグループ店舗の大量閉店が話題になりました。

 モンテローザグループは、白木屋、笑笑、魚民などを率いる外食産業チェーンであり、ワタミに並ぶ居酒屋市場第二位をしめる大手企業です。今回の大量閉店については正式な発表はないようですが、昨年度末から今年度末にかけて100店舗以上の閉店が行われているようです。

 実はこの動きの背景には、人手不足の影響があるようです。今年初め、ロイヤルホストを率いるロイヤルホールディングスも24時間営業の店舗を廃止しましたし、マクドナルドグループも、この5年で24時間営業の店舗を半分に削減しています。百貨店やスーパーでも、近年営業時間短縮も盛んになっており、この動きは留まることはありません。

 24時間営業といえばコンビニエンスストアですが、セブンイレブンの名の通りもともとは7時から23時までの営業を目指したスタイルでした。それでも当時10時〜17時までという営業スタイルが一般的だった商店の中で、コンビニエンスストアの営業時間の長さは画期的な利便性を生みました。私が子供の頃は17時以降開いている店舗といえば酒屋と薬屋ぐらいであり、スーパーが18時まで開店時間を延長しただけでずいぶん利便性が高まったように思ったものです。

 それが1985年ぐらいからコンビニやファミレスを中心に24時間が始まり、当時の若者のたまり場となっていました。私が若かりし頃は車を持つことが夢でしたし、その車で友人とファミレスに行き、その後徹夜でドライブなどといった遊びを良く行っていました。

 しかし時代は進み、若者の行動が変化していきます。夜のたまり場に集まらなくてもSNSで常時繋がることは可能ですし、お金もかかりません。友人の家に集まってゲームをすることも出来ますし、深夜の楽しみ方が多様になります。となると、深夜営業を行っても集客ができず、コストに対するメリットが低くなっているというのが24時間営業を行う企業の本音でしょう。

 深夜営業は働く人間に負担を与えますし、それを好んで行うアルバイトも多くはないと思われます。牛丼チェーンのワンオペのように、たった一人で店舗を回す必要もある場合もありますから深夜の過酷な労働でも休みも取れず、働く人間の負担は非常に大きいといえます。企業側としては、来店客があろうとなかろうと深夜残業代を支払う必要がありますし、突然の病欠などに備え多めのバイトを確保せざるを得ません。となると、働く側にも雇う側にも負担の大きな仕組みとなってしまったということなのでしょう。

 一時は、外国人労働者がコンビニやファミレスの深夜労働を肩代わりしていました。しかし中国などの経済成長により日本への出稼ぎのメリットが減っている現在、こういった労働力を当てにすることは難しいといえます。解決のためにはより経済力の低い国々からの労働者を受け入れることですが、介護や看護などの現場をみても日本政府は積極的ではありません。となると、この状況を簡単に解決することは出来ず、結果として深夜営業の店舗は減っていくことになります。

 この状況が続くのか、IT化によって人員を削減した店舗で24時間かが再び始まるのか、外国人労働者を呼び込むのか、現時点でどれが望ましいか私には想像がつきません。ただ一つだけいえるのは、少子高齢化を考えると日本に労働力は減っていく現実を直視しなければならないということです。今後年々国民の人口は減り、様々な分野での人手不足は確実に発生します。頭脳労働者を中心とした生産性の向上は必須課題ですが、肉体労働を中心とした労働力不足も対策を講じていかなければなりません。

 2020年まであと3年。日本はこの問題解決のためにどのような対策を講じていくのか、企業がどう動いていくのか。興味は尽きないテーマとなっています。