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Weekly report

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 May Fourth week

 5月も早半分以上が過ぎました。世界の情勢は相変わらず不安定ですが、それでも日本は平和に日々が過ぎています。

  最近気になっていることを一つ。やはりAmazonの物流体制が混乱しているようです。明らかにヤマト運輸との関係が変わったことが原因と思われますが、荷物の到達時間がかなり延長しています。これまでは早ければ当日、遅くとも翌日というのが普通でした、現在は早くても翌日、多くの商品は翌々日という状況になっているようです。単にヤマト 運輸の当日便の引き受け制限が理由かと思いましたが、どうもそれだけでは説明がつかない状況のようです。

 ヤマト運輸はドライバーの待遇改善のため、Amazonからの当日便の引き受けを制限するようにしました。しかし当日便以外について 、ヤマト運輸が積極的に引き受け量を減らしているという報道はありません。さらにAmazonは日通への委託量を増やしましたから、相対的にヤマト 運輸の引き受け量は減っているはずです。となれば、少なくともヤマト運輸の当日便以外の配達速度は変わらないはずですし、引き受け量が増えた日通のほうに遅滞が発生しそうなものです。ところが日通の商品は翌日ポストに配達されるのですが、ヤマトの 通常の荷物が遅れて届きます。

 となると、この問題はAmazonの問題というよりもヤマト側の問題のように思えます。 ドライバーの稼働を下げるために、これまでよりも配達時間を短縮したり、デポ(配達倉庫)側の業務時間を短縮したのかと一瞬思えるのですが、そうなると宅急便全体が翌日配送が出来なくなったということになってしまいます。送られてくる荷物がAmazonのものか楽天のものかは現場で作業する人間にとっては区別はありません。となるとAmazon以外の荷物を優先して作業し、Amazon分はゆっくり扱っている、という理由は考えられないのです。

 こうやって考えてみると、Amazon側がヤマトへの引き渡しをする際にこれまで以上に時間的余裕を提供しているように思えます。つまりAmazonがヤマトに引取依頼をする際、これまでは数時間以内と指定していたものを、一日以内というように範囲を広げたのではないかということです。時間的な余裕がなければAmazonからの引き受けドライバーの負荷は高まりますが、余裕があればその負荷は下がります。こうしてヤマトは時間的余裕を作り、負荷を下げるようにしていると思われるのです。しかしこの方策では、末端の配達ドライバーには何の恩恵もありません。つまりヤマトとしては、Amazonとの交渉を有利にするためにこの方策を採ったように思えるのです。

 物流遅れの不満は、Amazonに向かいます。Amazonとしては早急に物流体制を立て直さなければなりませんが、早期に全国の物流を代替できる物流会社を立ち上げることは不可能です。となるとその混乱を利用し、ヤマト運輸がAmazonとの運賃交渉を有利に進めようとしているように思えるのです。ヤマト運輸としてはAmazonからの委託料が大幅上がればドライバーの賃金負担を軽減できます。仮に物流量が増えても値上げ分の原資があれば増員の対応も取れますし、もともと当日や翌日に運んできた現状の体制は物流量が再度増えても問題はありません。そうなればヤマト運輸としての収益改善が望めますし、同時にそれは他通販サイトへの交渉材料を増やすことになります。

 こうしてヤマト運輸は、Amazonをベースに全体の収益改善を図れますし、他の通販サイトの運賃も向上でき、さらには次の新しい物流改善への原資も得ることが出来ますから一石二鳥、三鳥となるように思えます。周到な作戦で世論と企業を上手に操作する。ヤマト運輸のしたたかさには、舌を巻かざる得ません。

 閑話休題。

 真夏のような週末で体調がすっかり狂ってしまいましたが、これから新人研修の後半戦を頑張らなければなりません。今年も多くの新人さんを見てきましたが、とうとう自分の子供よりも下の世代になってしまい、隔世の感が 強くなってきました。本当の意味で彼らと共感することが難しくなったように思いますし、伝え方も変えていかなければならないように思われ、自分自身の歳を感じてしまいます。昨年末からの腰痛は治らず、しばらく治まっていた心臓の調子も最近今ひとつであり、体力の衰え も感じざるを得ません。老眼も進む一方ですし、目の疲れもこれまで以上に早いように感じます。周りの友人も約定や定年、再就職などが始まり、いよいよ自らの引退時期が近づいていることを このところ頓に感じてきました。

 しかしどのように、幕引きをしていくか?と考えたとき、どうもこのままで職業人としての人生を終わらせるのが、癪になってきた自分 に気付き始めています。昔から歳を取ることを面白がってきたはずが、歳に負けてなにも出来ないままで幕引きをするのはなにか違う気がしますし、 歳を取ったことが自らの言い訳となってきていることを痛感し始めているのです。

 もともと私は、職業分野で自分が老害にならないよう綺麗な幕引きを考えていました。しかし最近は、このままいつまで経っても老境に至れない見苦しい自らをさらけ出し、逆に歳をとっても仕事を楽しめるということを少しでも後人に伝えるべきではないかという気持ちが強くなっています。むしろこれまでよりも仕事の内容ももう少し広げ、辻舌鋒を今風のやり方に少しずつ改めようという気持ちが起き始めているのです。

 チャレンジ! といつも若者に吹いている以上、私もチャレンジをしなければなりません。このまま自らの知識と知恵を枯れさせるのではなく、再度エンジンをかけてチャレンジすることを少しずつ考えたいと思っています。 とはいえ大分痛んできた心身ですのでそれなりの速度でしか前には進めませんが、確実な一歩を踏み始める決意を固めましたので、私の今後の活躍をご期待いただければと思います。 また皆さまとも、より多くの接触を持ち、自分自身の目指す方向をもっともっと見定めたいと思います。

 今後とも、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。