先週末は研修で、大阪に赴いておりました。久しぶりの夏の大阪ですが、東京に比べ本当に暑く感じました。東京と大阪を行き来する経験がある方はご記憶にあるかも知れませんが、夕刻に新大阪駅に降りた瞬間に感じる重い暑さと、私の場合は新横浜駅ですが降りた瞬間に感じる吹き抜ける涼しさには毎度驚かされます。三日ほどの滞在ですが、もともと関西人の私でもこの暑さは異常に思いますし体に相当に堪えました。関西在住の方は慣れているのかも知れませんが、やはり以前とは確実に違う夏の暑さです。京都のタクシー運転手が言っていましたが、7月〜9月はほぼ30度超えの毎日になったといっていましたし、その1/3の期間は35度を超えるようです。
異常な暑さは続きますが、気象庁は夏本番を告げていません。つまり梅雨明けが発表されてはいませんが、今年は梅雨が非常に短かったように思いますし、九州などの一部を除いて7月は雨が非常に少ないように感じます。その代わりのように帯状降雨帯によるゲリラ豪雨が各地で発生しており、水害の被害は相当なように感じます。福岡や大分の土石流は本当に心が痛む災害でしたが、今後もこのような災害が各地で発生する可能性は低くはないようです。
毎年のように酷くなる異常気象ですが、日本だけのことではありません。米国やヨーロッパでは山林火災が続いており、非常に大きな面積の森が焼失しています。大雨の被害はヨーロッパや中国でも発生しており、沢山の家屋が流されたり土石流に埋まったりしています。雷や竜巻、雹のなどの被害も世界中で発生しており、その規模は年々大きくなっているようです。南極大陸では、6000平方キロメートルという巨大な氷山が発生しており、その分南極の氷塊は小さくなってしまっています。
これらの原因はすべて、地球温暖化です。毎年のように報じられていますが、この20年ほどで完全に世界の天候は劇的に変わったとしかいいようがありません。近代化の波が自然を破壊し、その変化を生み出しています。人間が自然をコントロールできるというのは単なる思い上がりで、自然は破壊された分のしっぺ返しを人間社会に及ぼしているとしか思えません。米国大統領のように、経済優先で自然を破壊することに何の躊躇もない人間がいる限り、この流れを止めることは難しいのでしょう。
地球温暖化を少しでも防ぐことは、人類にとって急務の出来事であることは誰もが知っている自明です。しかし近代化が多くの人に幸せをもたらしていることも、これまた事実です。となると、この行きすぎた状況をどの程度どうやってとどめるのか、そのために世界中がどのような努力をすべきかを真剣に真剣に考えるだけでなく即時に実行しなければなりません。世界中の会議で論じることが大切なのではなく、一人一人が何をすべきかを理解することが大切と思いますし、その方向に向けた技術や製品を作っていかなければならないと私は思います。
まず我々ITエンジニアがすべきことは、世界中の気象データを集めてその変化を分析することです。その上で少しずつ異常気象の要因を分析し、対策に活かしていかなければなりません。現在のスーパーコンピュータを持ってしても、今日一日の世界中の気象データを総合的に分析することすら難しいというのが実態です。ましてや数年にわたって総合分析するためには、コンピュータの性能をこれまでよりもっと飛躍的に高めなければなりませんし、本当の量子コンピュータを早期に創り出さなければなりません。さらに気象を分析し要因を明確に出来るAIの開発も急がれますし、その上で何をどう変えることが少しでも地球温暖化を抑える要因となるかを明確にしていなければなりません。
自動運転を推し進めることも大切ですが、自動車が生む温暖化要因を少しでも減らさなければなりませんし、移動手段そのもののあり方を再度考えるタイミングが訪れています。世界中のイノベータが、我々の未来に向けたイノベーションを次々に生み出すことを、私は願わざるを得ません。