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Weekly report

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 July Fifth week

 7月最後のWeekly Reportです。7月が...終わります。

 さて先週末に報道されましたが、ついにiPodの生産が終了したようです。2001年に発売された本格的音楽デバイスの先駆けともいえる機器の生産が終わったことに、感慨を覚えざるを得ません。

 もともとiPodは、ハードディスクを搭載した小型音楽デバイスでした。当時の技術では1Gでしたが、それでも沢山の音楽を簡単に携帯できるメリットは大きく、若者を中心に徐々に普及していきました。カセットテープとのすき間を埋めたのはMDという光ディスクを利用したメディアでしたが、Podのようなメモリーデバイスの普及にともないあっという間に消滅していきました。しかしその容量が小さくハードディスクを利用していたため重くバッテリーの持ちがよくないなどさまざまな欠点がある割に値段がたかかったため、初代のiPodはマニアにしか相手されなかったように思います。

 このiPodが急速に普及したのは、なんといっても2005年に登場したiPod nanoのおかげでしょう。二万円そこそこの値段で2〜4Gバイトの容量があり、バッテリーが終日もつ。CDと大差ない音質の音楽を一日中聴いてられるのですから、若者への訴求力が非常に高くあっというまに普及していきました。ダイヤルを使った操作性も良く無駄な機能がないこの機種は、当時発売されていなかったiPhoneの出現を十分に予感させる非常に高い完成度を持っていました。

 その後時代の推移と共にiPodは、様々な機種を生み出し発達していきます。iPod nanoは初代のコンセプトを捨てて画面だけで操作できるデバイスに変わっていきましたし、より軽量化をめざした画面等のないiPod shuffleや、磁気容量を100Gバイト以上に拡大したiPod classicも生まれていきました。

 しかしiPhoneのようなスマートフォンの出現によって、二つのデバイスをもたずとも音楽を携帯できるようになります。当初は終日音楽を鳴らすとバッテリーの消耗が激しいなどの問題で二つのデバイスを持つこともおおかったように思いますが、スマートフォンのバッテリー容量の拡大とメモリー容量の拡大によって問題が解決していきます。その結果徐々にスマートフォンだけを持ち歩くことが多くなっていたように思います。

 もう一つは、音楽配信の問題です。かつてはレンタルショップ等でCDを借りたり自分で買ったCDを音源としてデバイスに録音していましたが、音楽配信であればこういった手間がなくなります。当初は一曲買いが基本でしたが、時代の流れと共に聞き放題のサービスが生まれてきます。こうなると、自宅のPCを経由するよりもスマートフォンそのもので曲を聴く方が、ずっと便利になります。通信さえできればいつでもどこでも聴きたい音楽を探して聞くことが出来るのであれば、わざわざPCを経由しなければならないデバイスは不便以外の何物でもないでしょう。

 このようにスマートフォンの進化と音楽配信の流れによって、iPodのような音楽デバイスはその役割を終えたということなのでしょう。技術の進歩は、古い技術を淘汰していくことは必定です。iPodがMDを淘汰し、スマートフォンが音楽デバイスを淘汰する。次にどのような技術がスマートフォンを淘汰していくのか、想像してみるのも面白いかも知れません。