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Weekly report

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 September First week

 天候不順な日々が続きます。

 東京では、8月は最長記録の27日間連続の降雨があり、日照時間も84時間と平年の半分以下だったようです。海を中心とした観光地は相当な打撃があったでしょうし、夏休みの旅行を楽しみにしていた子供にとっては最悪の夏だったのかも知れません。花火大会の中止も相次ぎ、さまざまな夏の催しが中止になってしまったようです。

 この天気で心配になるのが、やはり農作物です。野菜の高騰はいうまでもありませんが、一昔前になってしまった米騒動が、またもや発生するのではないかという不安が消えません。1993年の夏も長雨であり、東北を中心に米の収穫が平年の80%程度になってしまいました。結果として新米の時期から米の買い占めが起こり、街中から米が消えたことはまだ記憶に残っている方も多いと思います。

 今回の冷夏がどの程度米の収穫に影響を与えるかは不明ですが、今年は豪雨で九州や東北が大きなダメージを受けています。8月始めに発表されたデータでは平年よりやや良いとの予測でしたが、この一ヶ月は本来米が籾の中で膨らむ時期であったもののほとんど日照がなかったため、米の入りが相当に遅れる、あるいは回復不能な程入りが悪くなった可能性があります。西日本は東日本よりは日照があったようですが、それでも台風や大雨の影響があったため、どうなるかは不安なところです。

 先週日帰りで大阪出張を行いましたが、いつもなら新大阪駅を降りた瞬間に感じる深いな暑さがありませんでした。日中屋外を歩く機会もありましたが、例年の夏とはほど遠い非常に過ごしやすい気温と湿度出会ったことに驚かされました。例年なら炎天の大阪市内を日中歩くことは自殺行為とも思えるのですが、今回はまったくそれを感じずに歩くことが出来るぐらい涼しく過ごしやすい気温でした。となると、やはり今年の米の状況は本当に気になります。

 おそらくですが、今週あたりに8月度の米の収穫予想が出ると思われます。先程申し上げたとおり7月度は平年より良いとの予測でしたが、今回は一転して不作、最悪は凶作を報じてくる可能性があります。そうなると恐ろしいのは、やはり1993年の米不足の再来です。

 日本の需要の80%程度となると、また海外の米の緊急輸入が必要になるかも知れません。しかし前回は輸入する米の品質や薬品の問題があったり、備蓄後結局大量に廃棄されたこともあって、緊急輸入に積極的に協力してくれる国は表れないかも知れません。さらにネットの発達と共に転売屋が非常に増えていますから、今月中にあっという間に米が市場から消えて、不当に高額のマージンを載せた販売が行われることは必須でしょう。今時古米や古古米が市場に流通することはありませんが、国や自治体がそれらを限定的に提供しても十分に需要を満たすことが出来るかは不透明です。

 とはいえ炭水化物ダイエットが流行っている今、米が不足しても必要ないと思える方も少なくないのでしょうし、若者を中心にもともと米ではなく麺やパンで代用できる方も少なくはないと思います。とはいえ不足になると手に入れたくなるのが人間の常です。となると、米不足で一番影響を受けるのは、長時間買物に並ぶ体力のないお年寄りや病人、あるいは日中買物が出来ない共働きの夫婦となるのでしょうか。

 いずれにせよ容易に想像がつく事態であるからこそ、今こそ対応を考える必要があります。1993年の不足では、普段消費する数倍の量を買い占める人間がいたからこそ、不足がうまれました。今回もそういった家庭もでるでしょうし、転売屋も動く可能性が高いと思います。沖縄の米の収穫時期を考えるとこの半年ほどが問題になりますから、その半分程度の米を購入しておくのも、自衛策としてはありかも知れません。特に米が必須となる高齢者と一緒に住んでる方、近くに高齢の両親等がお住みの方は真剣に考えた方が良いと思われます。

 今後報道等で大きく取り上げられると一斉に動き出すでしょうから、それほど猶予はないかも知れません。また報道共にヒステリックに米を買い占めようとするのは、やはり良心の呵責もあると思います。とはいえ必要だからと転売屋から購入するのも、経済の正しい姿をねじ曲げてしまいますから望ましいことではありません。

 大切なことは世の中の流れに飲み込まれて行動するのではなく、自律的に考え判断することだと思います。災害等を考えてもある程度の米を備蓄することは正しいことですので、買い占めるのではなく有事に際しての準備として適切な量を購入し備蓄することだと思うのです。結局不足が起きなかったときに無駄がないよう、現状では玄米を購入するのも一つの方法です。精米した米より保存に向いていますから、万が一多く残っても長期にわたって美味しい米を楽しむことが出来ます。今は精米器も安価で手に入りますから、玄米でも支障はありません。

 少なくともこのページを読む皆さまが、正しい判断をされて市場の混乱を生まない、そして混乱に飲まれないことを心から私は願っています。