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Weekly report

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 September Third week

 9月第三週の、Weekly Reportです。

 相変わらず天候が不順であり、この週末は予定外の進路を取った台風18号が日本を直撃しました。三連休の初日と二日目は大荒れであり、夏に大幅な収入減だった観光地もまたまた観光シーズンの出鼻をくじかれた形となりました。熱川も三日目の午後から好天となりましたが、この連休はどこの観光施設も振るわなかったように思います。これでまた農作物の被害は大きくなりましたので、本当に米の状況が心配になります。

 さて先週とうとう予想されていたiPhoneの新型が発表されました。本来iPhoneの銘々ルールからすると
iPhone7sとなるかと思われましたが、結果は新番号のiPhone8となり、その上一つ順番を越えてiPhoneXも同時に発表となりました。iPhone8は新機能を盛り込んだもののこれまでと大きな違いはありませんが、いよいよiPhoneXでは長年Appleが踏襲してきたホームボタンがなくなり、全面ディスプレイタイプの全く新しいデザインとなりました。発売は11月のようですが、年末商戦に向け期待は高まっていくと思われます。私も長年5Sを愛用してきましたが、これを機会にiPhoneXを購入しようかと考えております。

 しかしiPhoneXですが、256ギガのメモリー搭載の機種で価格が15万円弱と、非常に高価になりました。一時のノートPCに匹敵する価格ですし、初期の携帯電話よりもはるかに高額になってしまいました。さす場に15万円となると故障や紛失を考えると購入を逡巡する利用者も増えるでしょうから、今後どの程度の売上を示していくかが非常に興味がつきないところです。

 こうして機器が年々高機能になり価格が高まっていくのは、昔の電化製品と同様の流れに思えます。それはまだまだ高機能を求める余地があるということでしょうし、ユーザもそれを期待していることを意味します。しかしビデオデッキやテレビ同様、やがて基本の機能以外は不要なことが徐々に理解され、その価格が崩壊して安価に下がっていくことも容易に予想されます。私の予想では、スマートフォンも時代の問題であって未来永劫高機能化していくことは出来ません。今回のiPhoneXの販売状況次第では、これが最後のピークになることも十分に考えられるように思われます。

 やはり携帯して屋外で利用することが一般的なスマートフォンは、落下による破損や故障がつきものでしょう。さらに小型が故にノートPCなどよりもずっと紛失しやすいでしょうし、発見も難しいと思われます。となると、余り高額な機種が続くとユーザーも警戒心が働き、もう少しリーズナブルな機械でも満足できるようになっていくと思われます。また画面の大きさや綺麗さも限界があり、あまり綺麗になっても画面の小ささ故表示できる情報は少ないですし、大きくすればするほど携帯性に欠けることになります。電車の中や移動中の暇つぶしで利用されることが多いと考えると、やはり求められる機能の限界はそう遠くにあるとは思えません。さらに私のような老眼のジジイからすると、どんなに小さく精密に表示されても文字そのものが見えませんから、その限界は意外と近いと思われます。となると、今回の高機能化がそろそろピークのように思えるのです。

 また今後求められる機能はソフトウェア的な要素が大きくなると思われますし、その意味でハードウェアに求められる性能的にもピークに近づいているように思われます。理想はテスラの車のように、ソフトウェアのバージョンアップさえすれば全体の性能が上がり、最新バージョンの車と同様の機能を発揮できるようにすることですから、ハードウェア的な性向向上もそろそろ限界に思えるのです。となると、私の予想通りその進化もまもなく鈍化し、やがて価格が下がっていくように思われるのです。

 一方ガラケーはいよいよ終焉であり、製造を終えるメーカーが増えています。昨年私もガラケーを新機種にしましたが、これが最後のガラケーになると正直思っています。それだけスマートフォンで電話を済ませる人間が増えたというよりも、電話というメディアが終焉を迎えているように思うのです。となると、その影響はやがてスマートフォンにも及ぶでしょうから、その進化がやはり鈍化するのは間違いないのではないかと思うのです。

 スマートフォンの次に何が来るのかは、正直私にも解りません。徐々に進化を進めているスマートウォッチがその機能を奪っていくのか、社会そのもののIoT化が予想以上に進んでユビキタス社会が実現し、街中が情報端末として機能する時代になるのかもしれません。それとも腕に貼った薄い液晶盤がスマホ代わりになるタトゥーコンピューティングが隆盛を極め、あっという間にスマートフォンを過去の遺物に押しやる可能性もあります。ただこれまでもくり返してきたように、イノベーションが従来機器の優位性を劇的に奪うことは間違いないと思っていますし、時間の問題であることは確かなように思えるのです。

 こうなると大切なことは、やはりエンジニアの想像力です。世界中のエンジニアがより便利なものを頭に浮かべ、それを実現できる技術を探し新たに開発すること、それが一番重要なことと私には思えるのです。人間の想像力が強ければ強いほど新しい時代の新しい機器があっという間に生まれるでしょうし、想像力ではなく技術力のみが優先すれば、ユーザーが必要としない空虚な高機能競争が続くように思われるのです。

 iPhoneXは、スマートフォンの未来を占う試金石になるような予感が私にはします。だからこそそれを手に入れ、未来をしっかり考えてみたいと思っています。