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Weekly report

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 November First week

 久しぶりに好天の週末でスタートした11月ですが、いよいよ今年も残り二ヶ月となりました。

 さて、この週末はiPhoneXが発売となりました。表参道のアップルショップ前には500名以上の購入希望者が並びました。iPhoneXの発売を待ったユーザーが多くiPhone8の売れ行きは鈍かったようですので、今後もこの勢いが続くかは興味があるところです。逆にネットの評価をもとに価格の割に満足度が低いと判断され、再度iPhone8が売れることもあり得るのかとも思っています。

 私自身4年ほどiPhone5sを使い続けていましたが、さすがに電池の消耗が早すぎるため今回256Gモデルの予約を行いました。大手家電量販店の近所の店舗で受ける取ることにし、受付日の午後にネットで予約しましたので、受け取りまで数週間待たされるのだろうと思っていました。しかし2日の夕刻に電話があり、発売当日の3日に受け取れるとのことでした。週末は熱川にいるため3日の受け取りは出来ませんでしたが、6日月曜日の夕刻に受け取る予約はできました。

 ネットを調べてもそれほど長期の待ちという感じではありませんから、Apple社が十分に台数を準備したのか、はたまた予想よりも注文状況がはかばかしくないのか、はっきりは断定できませんがいずれかの理由でこれまでのような不足感はないように思われます。12万円以上という高価格がネックになっていると私には思えますが、今後の販売状況が気になるところです。

 となると、以前予測したとおりこれがiPhoneの転換点になるかもしれません。この価格と性能を考えると、Androidのほうが選択肢が広いように思われます。これまで日本では、iOSのシェアが70%程度と非常に高かった事実があります。世界ではAndroidのシェアは70%前後あり、iOSは20%程度です。アップルのある米国ですらAndroidのシェアは50%以上ありますから、これまでの日本の状況は異常といえるでしょう。しかし今回のiPhoneXの出現によって、この歪んだ状況が変わる可能性はありますし、その市場を失うアップル社が今後どのような手段を講じてくるかは興味の尽きない事と思っています。

 私の知り合いでアップル社のヘビーユーザーがいましたが、とうとうAndroidに乗り換えることにしたと聞きました。やはり機器が異常に高く、その割に安価なAndroidでも実現されているような機能しかない点が問題といっていました。ヘビーユーザほどこの気持ちになるのでしょうし、こういったヘビーユーザーがアップル社の製品のシェアを押し上げてきたのは事実です。となると、今後ヘビーユーザの鞍替えが始まると、意外と早くシェアの逆転が訪れるかも知れません。

 かつて日本のPC市場を70%以上握っていたのは、NECのPC98シリーズでした。私がPCのユーザーとなった35年ほど前には、PC98以外の選択肢はほぼなかったように思われますし、他社がどんなに努力してもそのシェアを変えることは難しいといわれていました。しかしDOS/Vパソコンの出現により、ハードウェアに日本語ROMを搭載しなくても日本語が表示できるようになったことで、この市場状況があっというまに急転しました。日本の他PCメーカーのシェアが上がっただけでなく、コンパックやゲートウェイ、デルなどの海外PCメーカが日本に積極的に進出し性能と価格競争を繰り広げました。

 圧倒的なシェアを握っていたNECは対応が遅れ、あっという間に市場を失っていきました。そこで一時市場を取った日本の富士通や日立、東芝などのPCメーカも、結局スマートフォンとタブレットPCの出現によって市場そのものが縮小し、世界規模でビジネスを行うレノボやHPなどのメーカーに負けていきました。先日富士通のPC事業もレノボとの合弁企業に売却されることが決定したようですが、NECも6年ほど前にレノボとの合弁企業にPC事業を移管していますから、まさに市場の変化の象徴のように思えます。

 ジョブズを失ったアップル社は、徐々にその先進性とアイディアを失ってきたように思えます。iPhoneが初めて実現した機能を他社が真似るのではなく、他社の新しい機能をアップル社がマネ始めたように思える今日、今回のiPhoneXを通してアップル社の未来が予測できるような気がしています。