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Weekly report

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 November Fourth week

 早いもので11月も最終週になりました。急に寒くなったため、本当に秋が短く感じられます。

 さてコンビニエンス業界の大手であるファミリーマートが、24時間営業の短縮を検討し始めたようです。すかいらーくやロイヤルホストといった外食チェーンから始まった24時間営業の短縮化の波がいよいよコンビニにも及んできたようであり、日本の生活習慣がまた変わる可能性がでてきました。

 今からはるか40年ほど前、コンビニエンスストアが町中に出現してきました。当時はセブン・イレブンの名の通り早朝開店の深夜閉店のスタイルで始まったコンビニエンスストアでしたが、場鶴経済の時代ごろから24時間化がはじまりすべての店舗が終日営業に切り替わっていきました。私が若かりし頃は一部の外食チェーンのみが24時間営業をしていましたが、こうしてコンビニや牛丼チェーンなど、さまざまな企業が終日営業を始めるようになりました。今では弁当屋やディスカウントストアなども終日営業していますから、確実に深夜に生活を行う人口が増えたのでしょうし、若者や深夜業務に従事される方にとっては非常に便利な社会であったことは間違いありません。

 最近になって社会構造がまた変わり深夜の需要が減りはじめているのかといえば、そうではないようにも思えます。最近のコンビニでは薬まで売っていますから、突然の発病や飲み会などで深夜営業は便利でしょうし、終電後に帰宅する学生や職業人にとっても深夜営業を行っているコンビニや飲食店は不可欠のように思えます。実際私も終電やタクシーで帰宅する際、やはりコンビニが開いていると便利に思いますし、飲んだ後の締めの一杯を求めて深夜の飲食店もそれなりに人が入っているように思われるのです。

 となると問題の本質は、やはり深夜業務に携わる若者や外国人労働者の減少が原因のように思えるのです。深夜の営業のためには、通常の店舗運営コスト以外に高い時給で従業員やバイトを雇う必要があります。確実に需要があればよいのですが、日中に比べると不確実であり、費用対効果の面ではあまり効率のよい営業方法とは言えません。一部の牛丼チェーンなどは、人件費の削減のために一人のバイトによる営業を試みたこともありましたが、過重労働やセキュリティ面での危険性からそれもうまくいかなくなっていきました。さらに低欲望でモノ余りの時代に入り、眠い目をこすりながら深夜に業務することは、若者にとって日中より高い賃金でも魅力が薄くなったのでしょう。このような時代の流れから徐々にコストが見合わないだけでなく、確実に営業するための戦力である深夜従事者が安定的に雇用できなくなってきたため、今回のように24時間営業の終了を検討を始める企業が出始めているようです。

 生活を多少犠牲にしてでも、高い賃金を求めるのがかつての若者の姿だったように思われます。お金がなければ遊べませんでしたし、車や洋服も買うことができなかったためです。遊ぶ時間は大事ですから、深夜の時間を多少譲っても効率の良い稼ぎをしようというのがこれまでの若者の傾向だったように思われます。しかし時代がモノからコトに変化しつつある今、お金ではなくのんびりした生活のほうが大切になったのでしょうし、深夜に誰とのつながりがなく働くよりも、昼間に皆と繋がりながら働く方が現代の若者に会っているのかも知れません。また多く稼ぐことよりも、よりよい生活をしたいというのも今の若者の姿のように思えますし、昔のようにがつがつした若者も減っているのでしょう。さらに外国人労働者も、様々な危険と数少ない人間によるオペレーションよりも、日中のほうが安全で安心なのかも知れません。

 しかしよくよく考えてみると、この問題はこのままでは終わらない気がします。なぜなら少子高齢化で働く人間は確実に減っている以上、この状況が深夜で留まる理由がないからです。昔は数多くのお店があり、そこで多くのアルバイトやパートの需要も生まれていました。しかし近年ではそれらの商店街が不景気と高齢化で次々閉店しており、大型スーパーなどに置き換わってきました。そこではオペレーションの効率化と自動化がなされていますから少ない人員でも働けるようになっていますので、働く人間の数が減っても営業を続けることが出来てきました。しかし最近はパート労働者の高齢化と少子化による若者の減少から、大型スーパーでも人手不足が発生しており、日中の営業にも支障が出かねない状況になっています。日中の飲食店やコンビニでの外国人労働者の須賀を見ない日はありませんし、社会のあらゆるところで労働人口の不足が見られます。となれば、まずは深夜からは始まり、やがては日中も人手不足で営業が回らなくなる可能性も極めて高いように思われます。

 現在スーパーでは、無人レジの導入や決済処理の自動化などが始まっており、より少ない人数でもオペレーションが回るような工夫を積極的に始めているように思います。しかしそれはあくまでも我々が見える一部の世界の話であり、見えない部分ではより深刻な人手不足が起きているように思われます。非正規雇用による低賃金によるオペレーションもいよいよ限界を迎え、新たな働きかたと労働力の確保が求められているように思われますし、ITを使った自動化もこれまで以上の速度で行っていく必要があるようです。社会構造の変化を、待ったなしで行う必要性が高まってきたように私には思えます。