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Weekly report

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 January Fifth week

 東京で大雪が降りました。原因は35年ぶりの最強寒波の影響であり、その後も週末まで気温が非常に低い状態が続きました。 大雪の翌日は好天で気温が上がったので雪はとけましたが、その後は凍結した雪がずいぶん残りました。

 今回の大雪では、これまでとは違い企業も早期退社を勧告したところが多かったようです。東日本大震災までは、企業はこういった台風や大雪の場合も原則定刻まで勤務させ、その後は自己責任で帰宅させるようなケースが多かったように思われます。しかし東日本大震災の帰宅困難者が数多く発生してから、こういったケースでは早めの判断が行われるようになったように思います。しかし今回の大雪では、この判断が逆効果になってしまいました。早期退社勧告を受けて一斉に退社した多くの企業の社員が駅に殺到したため、本降りとなった雪と相まって電車が大幅に混乱させてしまいました。一般的な退社時刻である17時まで待っては駅が混雑すると予想したため早めの退社を勧告したにもかかわらず、結果的にそれが裏目に出てもっと早い時刻から混雑が始まってしまい、17時までまったほうが駅での足止め時間が短く出来たかのような状況になってしまいました。

 今回こういった事態が起きた原因は、どうも「大雪警報」が原因と思われます。15時前に発令された大雪警報をもとに、各社の総務や人事担当は退社勧告を行いました。降雪と共に交通機関が停止する可能性が高いですから懸命な判断といえるのですが、今回のように一斉に同じ判断が下ると多くの人間が短時間に駅やターミナルに殺到しますから、結局大きな遅れや入場制限に繋がってしまいます。それでは早期退社勧告をださなければいいのか、といえば、そうとはいえません。最強寒波ですから深夜は相当に冷え込みますし、帰宅ラッシュから大幅に混雑する駅で立ち往生すれば、死者さえ出る可能性もあります。今回は夜半で雪が止みましたら、もし降り続けば翌日も大幅な混乱が生じるでしょうから、帰宅させることは問題ないのです。

 となると一番の問題は、「警報」を引き金とすることのように思えます。人事や総務部門は、警報がでるまえにそういった指示を出して外れることを恐れます。台風の接近を予測して退社させたものの進路がずれて影響が無かったりすると、その責任を負うことを恐れているのです。しかしよくよく考えてみれば、これは誤りであることが解ります。予測が外れても社員に健康上や安全上の問題が生じるわけではありませんし、一日程度の業務停止が大幅に影響する企業も多くはないはずです。むしろ今回のような混乱によって翌日以降の生産性に支障を生じたり、混雑と冷えの中で風邪やインフルエンザにかかった方が、長期の離脱が考えらるからです。となると、こういった考えを改めるべきですし、一定の条件に基づいて下された判断がはずれてもその責任を負わせるべきではないです。

 天気予報の精度は年々上がっていることは間違いありませんし、そこで大雪が予測されるならば大幅なはずれはありません。となると、もっと早いタイミングで判断を行ったほうが、ずっと混乱が減らせるように私には思えるのです。今回のケースですと、火急や不可避の用事がある社員以外は、出社を控えさせるのが最善策と思われます。どうしても休暇としたくない場合は、社員と協議の上土曜日等の休日と振り替えることも検討すべきと思います。

 気象条件の変動は、自然災害のあり方も変えてしまいます。だからこそ今回を教訓に、企業はよりよい方法を検討しルールを改めるべきと私は考えます。

 P.S.しかしこういった場合の鉄道会社のあり方と、それを支援するITによる仕組みも必須と思います。これはまた別の機会に...