早くも二月になりました。先週は時間があったので熱川の海潜亭に向かいましたが、正月が終わったばかりなのに早くも桜が咲いていました。伊豆は1月末〜5月までが桜のシーズンです。当然桃や梅は1月から咲き始めますが、その中で早咲きといわれる桜も開花が始まります。一番早いのは土肥桜のようですが、海潜亭のそばの河津桜も大変有名です。河津原産の桜ですので河津桜ですが、その株は近所の公園等に植えてあるため、混雑する河津桜祭りに行かなくても河津桜は堪能できます。もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、海潜亭宛にご連絡をお願いします。
さてすっかり海潜亭の宣伝になってしまいましたが、先日面白い製品の米国での予約が始まりました。その製品とは、「Nintendo
Labo」という製品であり、Nintendo
Switchに接続して使う製品です。出荷は4月20日のようですが、日本での予約はまだ開始されていないようです。
このNintendo Laboですが、どんな製品かといえばダンボールで出来たガジェット(道具)であり、Nintendo
Switchのコントローラーをセットして遊ぶ製品です。日本企業ならではの発想なのですが、平面のダンボール板に部品が印刷され、切り込みが入っています。これをくり抜いて組み立てると、ダンボールで出来たおもちゃのピアノや自動車、体に付けるロボットのパーツなどが組み上がります。ここにNintendo
Switchのコントローラをセットすると、本体の画面から音が出たり動きがゲームの主人公に同期したりできます。実際の映像をご覧になりたい方は
、こちらをどうぞ。
では私がなぜこの製品に惹かれたかといえば、ダンボールの細工の素晴らしさです。最近電化製品を購入しても、緩衝材として発泡スチロールがつかわれていないケースが増えています。なぜならば一枚のダンボールをものすごく上手に折り畳みくみ上げ、発泡スチロールと同じ性能を持った緩衝材にしているためです。今回のNintendo
Laboも、さまざまなガジェットをダンボールを折り曲げるだけで作れますし、その動きをコントロールするのも輪ゴムなどの身の回りのものでできるようです。自動車やバイクのハンドルも作れれば、アクセルも作り出せるようですし、PS4なら数万円する専用の機器を使わなければならないところを自作の道具で遊べます。またダンボールですから事由に彩色することもできるので、自分だけの道具にすることも出来ます。まさに子供の想像力をかき立てるおもちゃですし、今までのゲーム機とは一線を画す素晴らしい製品に思えます。
これらを可能にしたのは、CGです。これまでは自分の頭の中のデザインを実際に作って確認するしかありませんでしたが、最近はCGを利用してさまざまな形を作り出すこと出来ます。逆に立体構造を平面に展開するソフトウェアもありますから、一枚のダンボールからさまざまな形を作り出すことができるようになったのです。この技術が、先程申し上げたような最近の家電製品の梱包に使われていますし、さまざまな製品にも利用されているのでしょう。
さて今回のNintendo
Laboですが、それで遊ぶためにはダンボールと一緒に送られてくるソフトウェアが必要になります。しかしそれらはネット上からダウンロードできますから、自分の持っているダンボールを使ってガジェットを創り出すことも可能かもしれませんし、その種類が増えればさまざまな新しいガジェットを使った遊び方を見つけられるかもしれません。人気が出れば簡単な開発キットも提供されるかもしれませんし、そうなると遊び方は無限になります。
私が子供の頃は、身の回りに十分なおもちゃはありませんでした。買ってもらいたくてもおもちゃの種類も少ないですし、自分が欲しいものでも誕生日に手に入る確率は決して高くはありませんでした。だからこそ身の回りのあらゆるモノをおもちゃに見立てて遊んでいましたし、画用紙やダンボール、割り箸や輪ゴムをつかってさまざまな自分なりのおもちゃを作って遊んでいました。つまりギターの代わりになるものを探す、自分が欲しいおもちゃを作ることそのものが遊びであり、出来あがった道具で遊ぶとはまた違う遊びをしていたように思うのです。さまざまな道具をおもちゃに見立てる、自分の欲しいものを頭の中に浮かべてそれをさまざま材料を使って形にする。こういった行為が発想を司る右脳を鍛えていたように思います。
しかしテレビゲームの出現後、プログラムされた内容をひたすら遊ぶように遊びが変わってしまったように思います。攻略という言葉があるとおり、どのような手順や工夫で難関をクリアできるか左脳を使って考えることが増え、右脳を鍛える機会を失っているように思います。学校でも左脳を使い、遊びでも左脳を使う。となると、右脳の出番が少なくなってしまうのは仕方がないのかもしれません。
しかし今回のNintendo
Laboですが、右脳そのものを刺激する道具ですから、子供達がこれでどんな遊びを思いつくかがとても楽しみになります。しかし実際は、私のような年を食った子供が大騒ぎをして、新しいゲームや遊びを思いついてしまう、というのが現実なのでしょうけれど。
発売は4月20日のようですから、その日を今から待ち望みたいと思っています。