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Weekly report

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 July Third week

  西日本を中心に、甚大な被害を生んだ災害が起きました。7月6日の梅雨の続く西日本に、台風7号からしめった暖かい空気が供給され猛烈な雨が降り続きました。結果として夜半までに長崎、福岡、佐賀、広島、岡山、鳥取、京都、兵庫に大雨特別警報が発令されました。

 猛烈な雨は川を増水させ、7日にかけて各地で護岸が決壊し多発的かつ広範囲の洪水をもたらしました。また一日で一ヶ月に相当する雨が山肌に降り続けた結果土石流や土砂崩れも多発し、裾野の家屋に甚大な被害をもたらしました。結果として全国で200名あまりの方がお亡くなりになり、現時点で50名弱の方々の行方が解っていません。さらに6,000名弱の方々は未だに避難所暮らしとなっており、元の生活に戻れるまでにまだまだ沢山の時間がかかりそうです。被害に遭われた方々、ならびにご関係者には心からお見舞い申し上げますし、一刻も早く日常生活が取り戻せることを心から願っております。

 今回の災害の特徴は、複数の県にまたがる被害をもたらしたこと、豪雨の量が多かったことといえます。その結果流木や土砂により砂防ダムやため池に水が溜まり続け、天候が回復した後でも土石流が頻発しています。被害を受けた各地では捜索活動や復旧作業が始められていますが、たびたび避難が必要になるなど作業の効率を下げる原因となっています。

 さらに30度をこえる酷暑と暖水などのライフラインの断絶がその手を阻んでいます。洪水により多くの家屋が浸水しましたが、残されたのは数十センチから数メートルの汚泥です。水に浸かった家具や電化製品の多くは廃棄するしかありませんが、家屋の中には沢山の汚泥が溜まっています。この気温ですので汚泥はすぐに乾燥しますから、早期に洗い流さないとこびりついてとれなくなり、最悪コンクリートのように固まってしまいます。さらに有機物を多く含んでいますから、悪臭の原因ともなります。一刻も早く洗い流す必要があっても水が出ませんから、洗浄ができないというのが現実のようです。

 被災地ではボランティアも沢山訪れて復旧作業の支援を行っていますが、倒壊した家屋や水没した家屋から出される多くのゴミの処分が各地で問題になっているようです。一日も早く自宅に戻るためには、屋内の水没した家具や電化製品を搬出・廃棄しなければなりません。広範囲の住宅が水没していますから、搬出されるゴミは集中しますし非常に量も多くなります。さらにその多くは粗大ゴミですから、搬出に労力が必要です。結果として住宅周りの道路脇にゴミが積み上がり、交通の障害になったり健康面への影響が懸念されます。ゴミ処理場がフル稼働しても、一日の処理量の数百倍のゴミが集まりますから、処理の時間がかかってしまいます。街全体が正常に戻るためには、数ヶ月の時間が必要となるのでしょう。

 異常気象の影響で、今年は早期に梅雨明けをしました。さらに年々こういった水害は増えていますし、原因は海水温度の上昇であることは間違いありません。米国などは温暖化防止の取り組みが後退してしまいましたし、中国も積極的とはいえません。今後発展する諸国もその発展を阻害する温暖化防止には積極的に居力はしないでしょうから、異常気象を止めることは難しいとしかいいようがありません。

 毎度のことになりますが、こういった異常気象によって多くの災害が起きることを前提に、社会の仕組みを変えていくしか方法はないように思います。多くの報道番組で指摘されているとおり、東京でこのような洪水が起きる可能性は決して低くありません。ゲリラ豪雨でも水没箇所が多く発生するとおり、東京でも海抜の低いエリアや谷となったエリアは数多くあります。東京23区に大雨特別警報が発令される事態になれば、都内のあらゆる箇所で家屋や地下施設、場合によっては地下鉄などが水没する可能性があります。降り続く雨で荒川が決壊した場合沿岸部は3m〜5mの水位も予想されていますので、人口の密集している東京では今回の水害とは比べものにならない被害が発生するでしょうし、そこからあふれるゴミの量も相当なものになるでしょう。さらに岡山や広島と違い東京にはそれらのゴミを一時置きするスペースもありませんから、復旧までの時間は予想の付かないレベルになってしまいます。

 さらに被災者の支援についても、現状は相変わらず混乱を極めているようです。誰が何を必要としているか、どこで必要としているかを相変わらず見つけることが出来ませんし、物品と要求がアンマッチなせいでものが余ったり不足したりが相変わらず生まれているようです。

 我々に出来ることは、スマートフォンをベースとした情報インフラ造りだと思います。被災者が求める情報を自治体が一元で供給できる仕組みを整備すべきです。さらに災害時の避難場所と物品の集合場所を決定しておき、全国からの支援物資はいったんこういった場所に集めるべきです。その上でバーコードを活用して在庫管理を行い、必要な物品は必要とする地域の要求に従って分別され、配達される仕組みを作るべきでしょう。また自衛隊などの炊き出しや風呂の支援についても適宜情報を管理し、どこにどの時刻に行けば食事を取ったり風呂には入れるかを一目で解るようにすべきです。こういったアプリケーションのあり方を、少しずつ考え実現していかない限り、今後続発する災害に対応出来ないと私は考えます。官民を越えて、こういった仕組み作りを本気で考える集団が生まれ、この先の災害被害を少しでも軽く出来ないか、そのことを真剣に考えざるを得ない今回の災害でした。

 しかし今回も身をもって体験しましたが、最近どうしてこうもこういった災害や事故に自らが巻き込まれるのか不思議になります。実は私も7月7日に大阪で仕事があり、本来は6日晩の移動が必要でした。しかし6日の晩に予定が入っていたので、予定を変えて7月7日に移動することにしたのが功を奏しました。それでも6日の仕事終わりには不安になり、このまま大阪に向かおうかと考えたのですが、予定どおりにしたのが良かったようです。(私の知り合いは19時に品川発の新幹線に乗りましたが、22時の時点で米原だったそうです。)翌朝は山陽新幹線が全面普通だったため遅れの影響が出ず、8時過ぎには新大阪につくことができ仕事への支障は最小限ですみました。