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Weekly report

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 July Fourth week

 7月早々の梅雨明け以来、猛暑が続いています。

 7月に入ってから最高気温が30度を切る日が2日ほどしかありませんでしたが、先週は毎日35度前後ととんでもない気温の日々が続きます。今週は37度も予想されるように、例年よりも早く長い酷暑が続きそうな気配です。

 この夏の気温はさすがに異常であり、各地で熱中症や熱射病で倒れる、あるいはお亡くなりになる方が続出しています。悲惨だったのは野外学習にでた小学生が、熱射病で亡くなったことです。出発当初から熱中症を疑わせる行動・発言をしていたようですが気づかれることなく、学校に戻った後に体調が急変しお亡くなりになってしまいました。引率の教師を責めるのは簡単ですが、 これだけの異常な気温を体験したのは初めですから、常識的な判断が拙かったとしかいいようがありません。いずれにせよこの酷暑が年々激しくなることは間違いありませんし、常識の見直しも必要になります。さらに社会構造すらも、変えざるをえないように私には思えます。

 まず第一に、子供の教育のあり方です。体力のある高校生でも、この暑さでは体調に変調を来すことは十分考えられます。そうなると中学生以下の子供は、より危険度が高いといえます。各地の学校で対応が始まっているとおり、すべての学校の教室にクーラーを導入することは必須のように思えます。また夏期の体育のあり方も変えるべきでしょう。日本のように湿度が高いと、日影でも体感温度は高くなってしまいます。体育館にクーラーを導入し、その中での運動に変えるなどの工夫が必要でしょう。部活動も温度制限などを行い、一定の気温以下の場合にのみ実施するように変える必要があります。また水分補給を出来る冷水機やミネラルを補充できる飴等も自由に服用させるようにしなければならないと思います。今回事故の起きた野外活動や運動大会などはシーズンを変え、7〜9月は休止させる必要があります。また極力夜間照明施設を敷設し、夜間のスポーツを推奨すべきでしょう。

 企業も真剣に夏休みの延長を考えるべきと思います。事務作業ならともかく、外出を伴う仕事だとすると、酷暑の疲労が蓄積します。クーラーの効いた部屋と外部との気温差が10度以上ある場合が普通でしょうから、通勤でも疲労しますし、外回りの仕事があるならばなおさらです。となると、全体で休業するか個別かは検討する必要がありますが、暑い諸外国同様2〜3週間の休みを認めるべきでしょう。そのためには企業全体の生産性を高める取り組みが必要ですから、どうやって時間をかけず成果を残すかを全社で考える必要があると思います。しかし休みの拡大という最大の命題があるので、全員が積極的にアイディアを出し合って生産性向上に繋がる期待があります。

 あとは高齢者の対策が必要になります。高齢になると体温の調整機能が弱くなり、暑さを感じにくくなるようです。さらに電気代や冷えを恐れてクーラーのスイッチを入れない、あるいはクーラーそのものを設置しない家庭もあるようです。これも高齢者の対策ですから、最低一戸に一つはクーラーを設置させ、就寝時などに付けるよう指導すべきです。もちろん日中も極力その部屋で過ごすように指導し、高温による死亡を減らすべきでしょう。

 はるか40年ほど前、私は米国のロサンゼルス郊外にしばらく滞在していた時期があります。当時のロサンゼルスも日中の気温が40℃を越える日があり、非常に暑かった記憶があります。日中に歩いているのは事情の分かっていない日本人ぐらいであり、米国人は車で移動していました。とはいえ郊外ですので、日中に車が通ることは非常に少なかったことを覚えています。夕刻になると車だけでなく歩行する人間も増えてきて、暑い日中は屋内にいて、涼しい夕刻からさまざまな活動を行うことを知りました。テニスやゴルフもナイター設備があり、若者は基本的に暗くなってからスポーツを行っていたことを今でも覚えています。日本もこういった暑い国の習慣を見習い、そろそろ抜本的に常識を変える時期に来たように思います。